事故死したので異世界行ってきます

暇人001

第26話 ラゴウド国



 俺は全速力でラゴウド国へ向かったが一向につく気配は無い、毎秒100MPも消費する【闘神】の発動をやめて【黄昏】のみを使っての移動を行った、こんな時に【神化】があれば希望はあっだろうが現状のスキルではどうしようもない。

(主人よ、1つ聞いても良いか?)

俺に問いかけて来たのはガンドラだった

「なんだ?」

(主人は、風属性の魔法を使うことが出来るのだよな?)

(あら、もうその手段を教えてしまうのか?)

(主人がお困りのようだから仕方あるまい)

(うむ…)

「そこ、2人で話してないで俺にちゃんと聞かせろ」

(うむ、妾から説明しよう)

「ガンドラが説明するんじゃねぇのかよ」

(そなたが、ガンドラから聞きたいのであればそうするが?)

「いや、どっちでも良い」

(では、妾が説明してやろう… 風魔法【飛翔フライ】を)

「【飛翔フライ】…?」

(風属性の魔力を全身に纏ってみよ)

 全身に纏った瞬間体が少し浮いた。

(そのまま魔力を高めてみよ)

 魔力を高めると高く空へと飛び上がって行く。

(おぉ、上出来じゃ流石は大賢人じゃの? そのまま体を前に倒せば倒した分だけその方向へ進む試してみよ)

 俺は若干体を前に倒してみたすると、前に進んだ体制を戻すまで前に進み続けた。
 日本で言う所のセグウ◯イに乗っているような感覚だ。

「これ魔力を上げれば上げるほど早くなるのか?」

(その通りじゃ)

「わかった、ありがとう」

(なんの)


 魔力を高め、前にぐっと倒れこむ、すると凄まじいスピードで進んでいく、早すぎて周りの景色が線としてしか見えくなっている、これは【神化】を使っている時よりも速い感覚がある。

飛翔フライ】を使って移動を始めてから約1時間ほど経過しただろうか、ようやくラゴウド国が見えてきた。
 魔力を低めてゆっくりと降下する。


「ようやくたどり着いたか…」

 正面の門には番兵が2人いた今回は戦争をしにきた訳ではないので堂々と入ろうとしたその時。

「おい、そこの黒いやつ止まれ」

 1人の番兵が俺を呼び止めた

「ラゴウド国に来るのは初めてだろ?入国料を払いな」

「幾らだ」

「100万リンだ、ぐへへ…」

「払おう」

「へ?」

 俺はアイテムボックスから100万リンを出し呼び止めてきた男の足元にポンッと投げ捨てた。

「通してもらうぞ」

「あ、あぁ…」

「待ちな、入国許可書が必要だ1000万リンで売ってやるよ、どうする?」

 もう1人いた番兵が俺を呼び止めてそう言った。

「さっさと出せ」

 時間がない俺は1000万リンなどはしたがにしか見えなくなっていた、俺はアイテムボックスから1000万リンを取り出して番兵に押し付けた。

「ほらよ」

「おう」


「ちょっと待ちな、入国審査通知が必要だぜ、1億リンでくれてやるどうだ?
ぐへへ…」

 流石にもうこれ以上時間をかけるわけにはいかない、ガンドラに魔力を流し込み禍々しい稲妻を発しながら番兵たちに近づくと番兵たちは大慌てで逃げ出した。


「全く… あんなやつらが番兵を勤めているなんてこの国はどうなってんだ…」

 俺はガンドラの稲妻を沈めてから入国する。
 ラゴウド国は上手くいっていないのが見てわかるほど賑わうべきである中央通りの繁華街が廃れていた、まるでシャッター商店街のようだ。
 そんな廃れた場所に足を運ぶことなく、リリカのいる場所まで向かった。
 そこにはカルダド王国にもあったようなコロッセオがあったが、中に入ると何か鉄臭く生臭い匂いがする、コロッセオの柱には飛び血が付着していたり床は所々血痕が残っている。
 掃除を怠っているという事もあるのだろうがそれよりも明らかに危険な匂いがする、それは客層を見てわかる、酒を片手に持ちもう一方の片手でシワクチャになった現金を掴んでいる者や、血だるまになって運ばれてきたかと思いきやコロッセオの外に投げ出される者、戦闘を行っていない者がこの様だ戦闘を行っているものはもっと悲惨なのだろう。
 いや、もしかすれば戦闘を行なっている方が安全なのかもしれない…
 そう思うほどに酷いものだった。

 俺は受付に行き リリカ という名前の戦士はいるかと尋ねたところ次の試合に出ると聞かされた。

「今すぐその選手に会いたい、頼めるか?」

 俺はアイテムボックスから300万リン程を出して交渉をした、するとあっさりと承諾が降りた。

「こちらです」

 受付係員の男性に案内されて向かった先は地下牢のような場所だった。

「この者たちは?」

「皆奴隷です、ここで優勝したものは奴隷から解放されてるという条件の元自ら参加する奴隷も多いのです」

 なるほどな奴隷にとってはここは解放という名の夢を掴むチャンスというわけか。

「聞きたいのだがここに居る奴隷を買うことはできるのか?」

「できる奴隷と出来ない奴隷がおります」

「リリカは買うことができるか?」

「いえ、出来ません ですが相当な金額をお支払われるのであれば可能です。」

「買わせてもらおう」

 こんなもの即決だ、金さえ払えば何の問題も起こさず仲間を救えるのだから。

「こちらがリリカです」

「な、嘘だろ…?」

 そこにいたリリカの風貌は明らかに違っていた、身体中切り傷だらけで髪はボサボサ。

「お買い求めになられますか?」

「あぁ…」

「10億リンになります」

「なんだと?」

 奴隷の平均的な価格は100万リン程度、高くても500万リン程だ。
 10億リンなど破格すぎる値段である。

「お支払いになられないのであれば売ることはできません」

「本当に10億リンでしか売れないんだな?」

「はい、その通りでございます」


 やはり、この男は俺に金があると踏んでふっかけて来ているみたいだ、【心眼】を使った結果ウソであることが判明した。

「そうか、3つ数えるそれまでに俺の前から立ち去れ」

「はい?」

「1つ」

 ガンドラに魔力を流し込む。

「2つ」

「ひぃぃッ…!」

 男は腰を抜かしながら走って逃げて行った、俺は牢屋をぶち破りリリカの手錠を外す。

「ありがとう…ござい…ます…」

 だいぶ衰弱しきっている、俺はリリカを光魔法で包み込みキズを癒すイメージをした。
 するとみるみるうちにリリカの傷が癒えていく。

「はぁ…はぁ… どなたか存じ上げませんがありがとうございます… 早く来て…ユウくん…」

「もう大丈夫だよ、リリカ」

 俺はガンドラのヘルムを取りそう囁く。

「え…?ユウくん…??」

「そうだよ、さぁ、帰ろう?」

「… アレクたちが…」

「ここに捕まって居るのか?」

「ううん… 死んじゃったの…」

「なっ……そうか… 遅くなってすまなかった
もう少し早く来ていれば救えたかもしれない… 今はここを脱出しよう」

 ゲートを開いて地下牢と自宅を繋げてリリカと一緒にくぐる。


 リリカは家に着くや否や、ガクンと崩れ落ちた。
 そんなリリカを俺はなにも言わずただギュッと抱きしめた。








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