事故死したので異世界行ってきます

暇人001

第20話 大賢人として



ドンドンドンッ!

 静かな朝に、家の扉を激しく叩く音が響き渡る

「んだよッ!人が寝てんのによ!」

 俺はイライラしながら扉を開けた、するとそこには昨日送ってくれたウィルとその他大勢のフル装備の騎士達が真剣な眼差しでこちらを見ている。
 なにこのむさ苦しい集団、正直言って気持ち悪い。

「大賢人様ッ! 至急我々に同行してください国の危機が迫っております」

「な、なんですか」


 ウィルは俺の手を引き強引に馬車に連れ込んだ、正直ウィルはイケメンだ、女子がこんな事をされたら顔を真っ赤に染めて嬉しがるのだろうが、俺は女子でも無いしその上今は寝起きで機嫌が悪い。

「無礼は承知の上です、大賢人様に働いた無礼は命を代償にしても償います、ですが今は一刻を争います」

 いや、この程度の事で死なれたらこっちが困るわ。

「別に償いとかは良いんですけど…… 急にどうしたんですか?」

「実は、隣国のヨルダン法国がカルダド王国に進軍し今まさに戦闘の真っ只中なのです、」

「なるほど…… 状況はどうなっているんですか?」

「状況は最悪です、敵軍と戦っている部隊はやや劣勢、そして内部からの攻撃は壊滅的です」

「内部?」

「えぇ、アルバスと言う男を筆頭とした魔導士軍隊が王宮に攻撃を仕掛けています、最悪の事態を避けるべく国王には国王直属の国王兵をお連れになって亡命しておられていますが、見つかるのも時間の問題かと……」

 アルバスの件については完全なる逆恨みによるものだろうな……
 んー、どう考えても国王の命が優先だな、まずは国王を救ってそのあと戦争に加勢しよう

「わかった、俺は国王を助けに行きますウィル達は先にヨルダン軍と戦っている兵達の加勢をしてきてください」

「わかりました、ではこの馬車以外全てを加勢に向かわせます」

「いえ、この馬車も向かってください」

「大賢人様はどうなさるのですか?」

「俺は馬よりも速く走れるのでご心配なく」

 これは魔法とかでは無く物理的にそうなのだ。

「そう言う魔法まで使えるのですね… わかりました」

 わかってない、いや、わかってないけどもうそれで良い
 俺はウィルに『また会いましょう』と言って馬車を降り国王の救出へと向かう。


「さて… カルダド国王とその敵」

 俺は【心眼】を使いそう念じると、脳内にマップが表示され 星印が1つ点滅している、その星の少し後ろには無数の赤点が蔓延っていた、おそらくこの赤点が敵の数であろう。

「うぇっ…」

 吐き気がするほど多すぎる赤点。
 俺は【神化エボルブ】を使い全速力で大量の星印めがけて走り出した。
 ものの数分で星印の近くまで行くと、100を超える魔導士達がアルバスらしき人物の背後を歩いているのが目視できた。

「悪いがお前達はここで足踏みだ」

 俺は水魔法を使いアルバスを含む焼く100人の魔導士達を水の壁にいともたやすく閉じ込める。


「な、なんじゃ、あの巨大な水の塊は?」

「王よ今は先を急ぎましょう」

「そ、そうじゃな」


「よう、王様、もう逃げ無くても大丈夫だぜ」

 音速を超えようかと言う俊足を持つ俺は王の進路方向に先回りし姿を現わす。

「魔導王…コホン、大賢人では無いか!」

「まだ、言い慣れなれませんか」
 俺は苦笑いをしながら王にそういった

「貴様が新しい魔導王か、話は聞いているか貴様1人でこの状況が変わるとは思えん我々は国王をお連れして早急に逃げるそこを退け」

 俺にそう言い放ったのは、王と共に逃げる兵達の中で1番大柄な男性で、身につけている剣や鎧も他の兵よりも数段良いものを使っている。

「何言ってんの?俺言ったでしょ?もう逃げなくていいって」

「お前の方こそーーー」

「やめんかジエル兵長……その男をあまりキレさせる出ない……」

 あの時の覇気によるトラウマがまだあるようだ。

「して、どうすると言うのだ?」

「どうするも何も、アレ」

 俺が指をさしてそういった場所には、圧倒的存在感を示してる巨大な水の塊があった。

「お主がやったのか?」

「あぁ…… あそこにいる限り出てくることは不可能だしその気になればいつでも殺せる、王様さんどうしますか?」

「流石じゃな…… アルバスはあの中にいるのか?」

「ああ、バッチリいるぜ」

「ではアルバス以外のものは皆殺せ」

「わかった」

 と、言いつつも俺はそんな大量虐殺をするつもりはないアルバス以外の魔導士達をディメンションで異次元に飛ばした。
 ひと段落ついたら山奥にでも帰してあげよう、それまでまでは異空間で待っていてくれ。
 大量の魔導士達を異空間に土場した後、大きなドーム状になっていた水魔法を解除して、アルバスをディメンションを使いこちらへ転送させる。


「昨日ぶりだな?俺にいきなり仕事をやらせてくれとはいい度胸をしているじゃ無いか?」

「ぜ、全部貴様のせいだ!貴様など死んでしまーー」

 アルバスの反抗を押さえつけるかのように俺は覇気を使って一歩アルバスの方へと進んだ。

「ひぃっ…」

 アルバスは腰を抜かし小さく縮こまり頭を抱えた。
 もしこれが【神化エボルブ】を発動したまま使ったなら心臓が止まって死んでしまいそうだな、念のために解除しておいて良かった。

「な、なんだ今の覇気は…」

「あら、またそっちも食らったか」

「国王あの男は一体…」

「フン、わからぬのか?カルダド王国最強の男じゃよ」


 王にそう言われると素直に嬉しい、しかし王もなかなか強者の様だ。
 覇気の耐性がもう付いている、国王直属の国王兵達数名は皆まるで重力が何倍増しにでもなったかのように膝をついている、俺はそんな兵士達を見てスッと覇気を自分の中に戻すような感覚で解除した、すると先程まで地面にへばりついていた兵士達はゆっくりと立ち上がった
だが、アルバスだけはまだうずくまったままだった。

「さて、アルバス君 尋問の時間だよ」

 俺は不敵な笑みを浮かべながらアルバスに問いかける。

「ひ、ひぃっ… な、なんでも言いますから殺さないでっ…」

 アルバスは酷く怯えた声で俺の問いかけに返答する。

「誰に指示されたんだ?」

「レグルs…うっ… 」

「おい!どうした?」

「…た、す…けて…」

 アルバスはの言葉を最後に静かに息を引き取った。

「おい!大丈夫か?!」

 俺は浅はかにも死人に大声をあげて安否を問いただす。

「よせ、大賢人ともあろう者がする行動ではない、その男はもう死んでいる、恐らくは呪魔法だろう」

 王が俺に注意する。

「レグル… レグルス法帝の事でしょうか?」

 国王兵の1人が国王に向かってそう訊くと国王は縦に首を振る。

「もし、レグルス法帝が動いているのであれば3代目魔導王ミネルバを失った我々カルダド国王の敗北は必至だっただろうな」

 王はそう言いながら俺を見ている、どうやら俺は随分と王に信頼されているらしい。

「俺にそいつを見つけ出して殺せっていうんだろ?全く…国王も人使いが荒い… 」

「ほぉっほぉっほぉっ、ワシの思考を察するとは流石大賢人じゃの」

 国王はなぜか1人ご満悦の様子だ。






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