事故死したので異世界行ってきます

暇人001

第19話 大賢人




「それでは、本日はこれで終了ですお帰りの際は馬車を用意しましたのでそちらをご利用ください、ユウスケ様はその場に残って下さい。
皆さまお疲れ様でした」

 大臣の発言後俺以外の4人はいそいそとその場を離れていく。
 もっとも、失神していた者は王宮側の魔導士に引き担がれて退場したのだが。

「ユウスケ殿、そなたを4代目魔導王にーーー」

 国王が俺を4代目魔導王に就任を命ずる

「あの…」 

 俺は国王の言葉を遮るようにそう言う。

「なにかね?」

「魔導王と言う称号名を変えてもらえませんか?」

「ん?それは一体どう言うことじゃ?」

「大賢人と言う称号にしていただきたい、大賢人の称号を頂けるのであれば
その称号と責務をありがたく受け取ります」

「何を言っているかわかっているのですか⁈魔導王とは、代々紡がれてきた由緒正しき称号
その称号をーー」

 俺の発言に間髪入れず大臣が口を挟む。

「よかろう、そなたを初代大賢人として就任することを命ずる」

「国王ッ!」


「黙れ、魔導王の称号とこの男の力どちらが優先するべきかわからぬのか?
寧ろ今までの魔導王とはまるで違う次元に立っていること男に今まで通りの称号を与える方が烏滸おこがましい」

 つい先ほどまでは、大臣の言葉に耳を傾けることしかなかった無能国王、だが今の威厳は間違いなく王たる者の素質が無ければなし得ない業だ


「初代大賢人? 2代目大賢人を探すのは大変なのでは?」

「ほほう…確かにのぉ、なにせそなたと同等かそれ以上の者を探さなくてはならないのだからのう?」

「そうですよ、それに俺が大水晶石に流した魔力は半分ほどですよ
ですから、大賢人は俺の代で終わりです次の代からは今まで通り魔導王をお探し下さい」

「アレで半分程度と言うのか…そなたを超える者はこの先出てこないだろうな、ホホホ」

「ありがとうございます」

こうして俺は大賢人と呼ばれる様になった。







 やっちまった……ついその場の勢いで大賢人なんて重役になってしまった……

 俺はどうリリカに説明しようか王国が手配した馬車の中で悩みながらな自宅へと向かう。


「到着しました、足元に気をつけてお降りください」

 同車していた銀のフルプレートをまとった騎士がそう言い馬車のドアを開けると先に降りて行き躊躇ためらうことく、四つん這いになり自身を踏み台した

「な、なにをやっているんですか?」

「かなりの段差がありますので、そのまま降りられると危険なので、踏み台になっているのです」

 そんな冷静に説明してもらわなくても…
 いや、俺がいっているのはそういうことじゃなくて、恥ずかしさとか無いのかと問いたいのだ

「立ってください」

「はい?」

「いいから立って、俺自分で降りるから」

「し、しかし万が一にもお怪我をなされたら国王様にどうお伝えすれば良いか…」

「いいって言ってるだろ、さっさと立てよ」

 俺はしつこい騎士に、少し威圧的に言ってしまったそのせいか意図せず覇気を発動してしまう。

「す、すいません…ッ!」

 先程まで四つん這いになっていたのに1秒もかからないうちに直立不動で二足で立ち尽くしていた。

「いや、すまない、少し強く言い過ぎた。」

「い、いえ…」

 騎士はカタカタと鎧と鎧がぶつかる音を小刻みに立てながらそう言う。

「今日は送ってくれてありがとう、今度からもし送ってもらうことがあったら俺に踏み台は要らないということを他の人にも伝えておいてくれ」

「わかりました」

「あ、コレ良かったら使って」

 俺はアイテムボックスから大ぶりのオリハルコンを取り出し騎士に手渡すと、騎士は戸惑いながら俺に問いかける。

「な、なんですかこれ…」

「オリハルコン?って鉱石だったかな?」

「そんなことわかってますよ…なんなんですかこの大きさ…」

「ん?そんなに大きのか?」

 俺が渡したオリハルコンのサイズは大人の手のひらがすっぽりと隠れるほどの大きさだ。

「大きいなんてもんじゃ無いですよ」 
「こんなに大きなオリハルコンどうやって…?」

「それは内緒だ、売って金にしても良いし良い装備を作るのに使ってもらっても構わない、ここまで送ってくれたお礼だよ、受け取って」

「わ、わかりました…有り難く頂戴します」

 騎士は恐る恐る、俺が渡した大ぶりのオリハルコンを受け取りマジックボックスへ入れる

「そういや騎士さん、あなたの名前はなんていうんですか?」

「私の名前は、ウィルと申します」

「次の送迎があればウィルが担当してよ!」

「はッ!有難きお言葉」

 堅いなー…まぁいいか
 こうして騎士ウィルと友達?になり帰宅した。






「ただいまー…」

「あ、おかえりーどうだった?」

「うぅーん…」

「ふふふ…」

「なんだのその笑い方!」

「ごめん、どうせ次の魔導王が誰になるかって話で呼び出されたんでしょ?」

 なんだこいつ、エスパーなのか?

「そ、そうだ」

「それで、ユウくんが次の魔導王ってことになってどう説明したらいいかわからないんでしょ?」

 リリカは笑い混じりの声でそう言った、やはりこいつはエスパーなのか?

「まぁ…だいたいそんな所だよ、これからどうしたらいいんだろうか…」

「うーん 私も魔導王と同棲したことなんて無いからよくわからないけど、仕事が来るまでは冒険者をしていたらいいんじゃ無い?」

「そうだな、そうするか」

 たしかに、魔導王と同棲した人なんてこの世に数えるほどしかいないだろう、それにリリカの言う通り魔導王もとい、大賢人としての仕事が来るまでは今まで通り冒険者としての仕事をこなせば良いだろう、先代のミネルバも魔導王をしながら冒険者 兼 研究者(?)をしていたのだからそれくらい暇な役職なのだろうな。


 そして俺はリリカにどのようにして大賢人になったのかと言う経緯と、なぜ魔導王ではなく大賢人なのかと言う理由を説明した。



「リリカ、明日から早速クエストを受けに行くか?」

「ごめん、明日はアレク達と久しぶりにクエストに行く予定なの」

 よく見てみればリリカの足元にはコンパクトにまとめられたクエスト用品が用意されていた

「そうなのか、今から行くのか?」

「うん、今から温泉入りにいってそのまま宿に、一泊してから明日クエストに行くの」

「そうだったのか、送って行こうか?」

「ううん、大丈夫だよ」

「おう、気をつけて行けよ、何かあったらすぐに向かう」



 こうして激動の1日は静かな夜が迎え
 騒々しい朝が訪れようとしていた。







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