歩いていく、どこまでも。

ユウキ

1. 愛情

私は、ただ愛されたかった…


ある国には、国民にとても愛されている王様が居ました。王様は、国民を平等に愛していました。それ故に、国民にとても愛されていました
ある日、王様のもとに「家が欲しい」というものが居ました。家臣たちは、「ダメだ」と言いました。
しかし、王様は、「良いよ」と言いました
それ以来、王様のもとには、王様にものをねだる国民で溢れ返りました。家だの、土地だの、お金だの、さらには、王様の権力や、富と名声までも、欲しがるものが居ました
しかし王様は、それを拒まず、「良いよ」と言い、国民にすべてを、分け与えました
やがて、王様の国は、荒れ果て、枯れた国となってしまいました


「おうさまは、どうしてじぶんのものをあげたの?」

無垢な少女は、青年に素朴な疑問を投げ掛けた

「どうしてか~。う~ん…」

青年は、数分考えた末に、少女へ答えを返す

「王様は、国民皆に、幸せになって欲しいんだよ」

すると少女は、

「じゃあ、おうさまは、どうやったらしあわせになるの?」

少女の予想外の質問に、青年は、

「う~ん…あっ、じゃあ君が、王様を愛してあげたら良いよ」
「わたしが、おうさまを…」
「そう。君が王様に、愛をあげれば、王様はきっと幸せになるよ」
「うん!わたしが、おうさまにあいをあげる!わたしが、おうさまのことだいすきになる!」

じゃあ、指切りしよっか…
指切りげんまん…嘘ついたら…ハリセンボンのーます…指切った…

久しぶりに、夢を見た気がする…いつの頃の話だったろうか…

「ここに居たんだ」

彼女の声は、あの夢の少女とは違い、大人びていて、どこか悲しい声色だった

「ふふ、どうしたの?」
「どうしたの?っじゃなくて、父さんが急に、兄さんがいないって、言うから、探しに来たんだよ」

彼女の表情は、夢の少女とは違い、可愛らしい笑顔は何処にもなく、どこか焦りと悲しみが混じったような表情を浮かべていた

「久しぶりに、夢を、見たんだ…」
「夢?どんな?」

話しかけてきた彼女の声は、少し安心し、落ち着きを取り戻した感じになった

「昔の、夢だったかな?」
「昔の?ふーん、まっいっか。とりあえず、冷えてきたし、もう部屋ん中に入ろ?」

あぁ、そっか…あの日の、約束は果たされていたんだ…じゃあ、ぼくの役目は、終わったんだ…

「さようなら…世界で唯一僕を愛してくれた…」

「歩いていく、どこまでも。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「文学」の人気作品

コメント

コメントを書く