歩くだけでレベルアップ!~駄女神と一緒に異世界旅行~

なつきいろ

第180歩目 はじめての義姉さん!女神ヘスティア①


前回までのあらすじ

天使3人娘もなかなか魅力的だ!

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□□□□ ~スタイル~ □□□□

 俺はユミエルちゃんの案内のもと、ヘスティア様の元へと赴くことになった。
 当然、ユミエルちゃんにお姫様抱っこされたままの状態で、だ。

 当たり前だ。
 そもそも、俺は舞空術みたいなものは会得していないので、空を飛ぶことが出来ない。

 飛べないのだから、ユミエルちゃんに支えてもらう他ない。
 そして、支えてもらうとなると、ユミエルちゃんのぽわぽわふかふかなおっぱいが俺の顔に当たってしまう。

 と言うわけで、ユミエルちゃんとの空?のお散歩は素敵なぱふぱふライフでした。
 おっぱいが顔に当たっちゃうのだから仕方がないよね。俺に罪はない。

 そう、俺に罪はないのだが.....そのラッキースケベは遠慮なく享受させてもらった。

 ここで一つ勘違いしないでもらいたいのは、俺の心はニケさん一択であるということだ。
 それは揺るぎない確固たるものである。

 しかし、いくら彼女があろうとも、ラッキースケベは遠慮なく享受する。
 その代わり、ニケさん以外の女性には決して手を出すつもりはない。それは、そういうお店を含めて、でもだ。

 つまり、他の女性に浮気しない代わりにラッキースケベは堪能する。
 それが俺のスタイル。

 賛否両論あるのは分かるが、

 ・ラッキースケベもろもろ含めて、好きな人以外にはシビアだが、性欲は専門の人を頼りにする。
 ・ラッキースケベは甘受するが、性欲は好きな人以外にはシビアで、決して他人には手を出さない。

 これらの内、どちらが好まれるのかは人それぞれだろう。

 ちなみに、ラッキースケベは性欲には含まれない。
 なんたって、ただのラッキーだしね(笑)

 ・・・。

「舞日様。あちらに見える神殿が、我が主ヘスティア様のお住まいとなります」
「ふがふが(そうですか。もう着いちゃったんですか.....)」

 息苦しいが、神界では死ぬことはないらしい。
 だったら、その柔らかな谷間に顔を埋めるしかないよな!

 それはいいとして、気になるワードが出てきた。

「.....神殿?」
「はい。正解には、お住まいと言うよりもご寝所になりますね」

 神殿も造れるのか.....。

 どうやら、また新しい神の間のパターンのようだ。
 神殿を寝所扱いしちゃうユミエルちゃんもどうかと思うが、事実、ヘスティア様は寝坊助女神らしいので、きっとそうなのだろう。

(あ~、確かに神殿っぽいのがあるな)


 遥か遠くにそびえ立つ神殿を眺めながら、俺の素敵なぱふぱふライフはまもなく終わりを告げようとしていた。


□□□□ ~規格外~ □□□□

「で、でっか.....」

 初めて見た感想がそれだった。

「いやいや。でかすぎだろ.....」

 俺はいまだ、ポカーンとだらしなく口を開けた状態で呆けている。
 それぐらいのインパクトを、は与えてきたのだ。

 ユミエルちゃん曰く。
 ヘスティア様のお住まいである、この神殿を『パラテノン神殿』というらしい。

 この、どこか『パルテノン神殿』をもじったような神殿はドーリア式という建築技術が用いられ、大理石を惜しむところなくふんだんに使った、如何にも神殿といった建物だ。
 一番の特徴は46本の柱に支えられ、その柱それぞれが異なる曲線で描かれていること。
 なんでも、下から見上げた時に均等に見えるような造形にしているんだとか。更に、柱一本一本も太さや間隔を変えて造られているらしい。

 全容は地球の『パルテノン神殿』と全く一緒であるので、詳しく知りたい方はぜひググって欲しい。

・・・。

「.....え?冗談ですよね?」
「いえいえ。冗談ではございません」

 俺の質問に、そう答えるユミエルちゃん。

 俺は産まれてこの方、こんなものを見たことがない。
 いや、今後も見ることは決してないだろう。

 そう、こんなは.....。

 俺がいま目の前にしているのは、神殿と言う名の巨大なベッドだ。
 いや、正解には『神殿風ベッド』とでも言うのだろうか。

 とにかく、巨大なベッドが、俺の目の前に繰り広げられている。

「ヘスティア様のご寝所であると、先程申し上げたはずですが.....」
「.....」

 な、なるほど.....。
 確かにその通り.....と言うか、まんまじゃねえか!

 困惑顔のユミエルちゃんに、思わず、そうツッコミそうになってしまった。

 普通、神殿内に幾つかの部屋が用意されていて、その内の一つである寝所でヘスティア様がお休みになられている、と考えるのが常識ではないのだろうか。
 誰も神殿丸ごとがベッドだなんて予想できるはずもない。.....え?できないよね?

 そして、驚愕すると同時に、あることに思い当たる。
 ここまでベッドが大きいということは、つまり.....。

「では、ヘスティア様に取り次いで参ります。
 舞日様はここで今しばらくお待ちくださいませ」

 そう言い残して、ユミエルちゃんはヘスティア様の元へと取り次ぎにいってしまった。
 ちなみに、タブリスちゃんとハニエルちゃんはお仕事があるらしく、既にこの場にはいない。

 しばらく、そのまま一人で寂しく待っていると───。

「舞日様。お待たせしました。
 ヘスティア様がお会いになられるようです。どうぞこちらへ」

 どうやら、ヘスティア様の準備が整ったらしい。

 準備というのは着替えのことだ。
 なんでも、ヘスティア様はお休みになられる時は裸なんだとか。裸族ってのもいいよね!

 そして、ユミエルちゃんに案内されて向かったその先には.....。

「.....ふわぁ~。.....あ~。はじめまして~。あなたが~アテナちゃんの婚約者~?」
「.....」

 だから、でかすぎだろ.....。

 俺の懸念した通り、とても巨大な神様が、眠たそうにしながら俺を待ち受けていた。


□□□□ ~美巨神ヘスティア!~ □□□□

 お互いに軽く自己紹介し合ったところで、改めて巨大な神様であるヘスティア様を窺ってみる。

 ヘスティア様は『家庭の女神』を司っているオリンポス12神の1柱である。
 アテナやアルテミス様の姉であり、神族においては次女でもある女神様だ。

 全長は約40mもあり.....。

「全長って~。酷いな~、義弟おとうと君は~」
「し、失礼しました」

 身長.....?は約40m以上もある。
 40mというのはウルトラマンのサイズであり、マンションでいうと13階相当となる。

 余談だが、40m付近の高度になると蚊が寄ってこなくなるらしい。
 お金に余裕のある汗っかきな人には、ぜひ高層マンションの13階以上 (=40m以上)をお薦めしたい。

「ヘスティア様!お御髪みぐしが乱れております!!」
「ありがと~。よろしくね~」

 今は寝起き故に髪はボサボサではあるが、本来はウェーブのかかった艶やかなピンク色のロングヘアーらしい。
 ユミエルちゃんが、ヘスティア様のいい香りが漂う髪を甲斐甲斐しくすいている最中だ。お、俺もすいてみたい.....。

「.....ん~。.....ど~したの~?」
「い、いえ.....」

 か、かわいすぎる.....。

 ヘスティア様のどこか心ここにあらず、いまだ夢現ゆめうつつといった、微睡まどろんでいるその姿にドキドキとさせられる。
 
 何もそれは、微睡んでいる姿だけとは限らない。
 容姿もかなり優れていると言わざるを得ないだろう。

 ヘスティア様は丸みを帯びた童顔で、かわいらしい顔立ちである。
 目も丸く大きな瞳に加え、垂れ目でもあるので、まるで聖母のような優しさが自然とにじみ出ているようだ。
 更に、アーチ状な眉毛やほんの少し丸く大きい鼻が、女性にあまり免疫のない俺でも気軽に話し掛けられるような、そんな柔らかい雰囲気を醸し出している。

 所謂たぬき顔というやつで、アテナが大人になったらこういう感じの人になるのかな?と思わされるような、そんな印象を受ける。
 少なくとも、きれい寄りではなく、かわいい寄りの女神様であることは間違いない。

 そして、同時に戦慄する。

(ヘ、ヘスティア様の、この優れた容姿ですら三大美神に入らないのか!?)

 正直、ヘスティア様はかなりの美女だと思われる。
 いや、童顔からすると美少女の類いか。.....ふふっ。巨神なのにとはこれ如何に。

 しかし、実際は三大美神の候補にすら入っていないらしい。
 
 どれだけ、女神ヘラ様や女神アフロディーテ様、元三大美神のデメテル様が美しいというのか.....。
 所詮、凡人に過ぎない俺には全く想像すらできない。

(.....いや。今の三大美神の一柱であるアテナを比較例にすればいいのか)

 そう思うと、なんだか納得してしまった。

 確かに、ヘスティア様はすごくかわいい。これは間違いない。
 少なくとも、俺は結構タイプだ。甘やかしてくれるお姉さんタイプってやつ?

 ただ、失礼ながら、アテナと比較するとどうかというと.....。

 やはり、アテナのかわいさは群を抜いているように思えてならない。
 そして、そのアテナと同格であるということは、ヘラ様やアフロディーテ様はそういうことなのだろう。

(.....女神様の美しさは少し異常過ぎないか?)

 どうりで、普通に美しいニケさんやアルテミス様が、容姿に関しては自信が無いのも頷ける。
 どうやら神界には、美し過ぎる女神様があまりにも多過ぎるのが原因だったらしい。

 これでは、ゼウス様が暴走してしまう気持ちもなんとなくだが分かって.....。いやいや!分かっちゃダメだろ!!

「あはは~。一人ツッコミ~?義弟君は~面白いね~」
「こ、心を読まないでくださいよ.....」

 そして、ヘスティア様で一番特徴的なのは、この間延びしたしゃべり方である。
 雰囲気自体もぽわぽわしているが、この間延びしたしゃべり方も相まって、どこか気軽に気を許してしまいそうになる。声もまたかわいいんだ!

「.....」

 ちょっとマズいかもしれない。
 ニケさん、スカイさん以来の、本気と書いてマジと呼ぶ恋する5秒前な感じだ。思わず、歌い出しそうになってしまう。

「ありがと~。でも~、ダメだよ~?
 義弟君は~アテナちゃんの婚約者でしょ~?
 アテナちゃんを~泣かせたら~ダメだからね~?
 悪い義弟君は~、お姉さんが~「メッ~!」ってしちゃうよ~」

 メッ~!って、ヤギですか!?
 
 か、かわいすぎる.....。
 分かる。俺にはハッキリと分かる。

 ヘスティア様は絶対に男をダメにするパターンの女神様だ。
 甘えたらどこまでも甘えさせてくれる、男を無意識の内に堕落させる女神様であると.....。

「そ、それはアテナが勝手に言っているだけですよ?」
「そうなの~?じゃ~、アテナちゃんのことは嫌いなの~?」
「い、いえ、嫌いではないですが.....」
「なら~、いいんじゃな~い?結婚してからでも~、愛は育めるでしょ~?」

 軽っ!?
 と言うか、俺の意思は!?

「それは~大丈夫~。私は~『家庭の女神』だからね~。保証するよ~」

 なんの保証!?
 だから、俺の意思は!?

 そもそも、愛うんぬんのことは『愛と美の女神』であるアフロディーテ様の領分なのではないだろうか。
 故に、『家庭の女神』であるヘスティア様に保証を頂いても意味がないような.....。いや、そうでもないのか?

 結婚後は主に家庭が中心となるのだから、ヘスティア様のお墨付きはとても重要な気がする。

 所謂、家庭円満というやつになるからだ。
 そして、家庭が円満であることは、仲良しな夫婦の絶対条件だと俺は思う。

 少なくとも、俺の両親はそうだった。
 いや、あまりにも仲良し過ぎて、「子供の前ではもっと自重しろ!」と言いたいぐらいだった。くそっ!俺だってニケさんとそういう.....おや?

 何かがおかしい。
 いつの間にか、アテナと結婚する流れに誘導されているような.....。

「大丈夫~。お姉さんが~、かわいい妹と~義弟君の間を~取り持ってあげる~」
「いえいえ。取り持たなくてもいいですから」
「分かってるって~。嫌よ嫌よも~好きのうちって~ことでしょ~」

 どんな例えだよ!?

 どうやらヘスティア様には、俺が照れ隠ししていると映っているらしい。
 先程からずっと、「えぇ。えぇ。分かっていますとも」みたいな感じのニマニマ顔をしている。それ止めて!?恥ずかしいから!!

「あのですね。俺には好きな人がいるんです。だから.....」
「知ってる~。知ってる~。アテナちゃんから~聞いてるよ~」
「なら、話が早いですね。そういうことなんです」
「やっぱり~。おめでと~。アテナちゃんを~大切にしてあげてね~」

 .....はい?

「え?どういうことですか?」
「アテナちゃんが~言ってたよ~?
「歩は私のこと好き過ぎなんだよー!いいでしょー(*´∀`*)」ってね~」

「.....」

 よし。
 後で、あのくそ駄女神にはおしおきをしておこう。

 泣いても許さんっ!絶対にだ!!

 それと、幾つか分かったこともある。
 俺が他の神様と会っている間、アテナはどうやらヘスティア様の許に訪れていることが多いようだ。

 それだけ、アテナがヘスティア様を信用.....いや、仲が良い証なのだろう。

 なんだか分かるような気がする。
 俺もヘスティア様の前だと飾らない自分でいられるというか、何でも気軽に話せてしまえそうだから。.....いや、既に話してしまっているか。

「ニケちゃんともども~、アテナちゃんを~よろしくね~」
「し、知ってたんですか!?」
「もっちろんだよ~。ぜ~んぶ~アテナちゃんから~聞いてるからね~」

 か、敵わないなぁ.....。

 どうやら俺は、今の今までヘスティア様の掌の上で踊らされていたようだ。
 恐るべきは、ぽわぽわ系おっとりお姉さんということか。

「.....と言うことは、アテナとの結婚は検討中ということも?」
「知ってる~。でも~、検討するぐらいなら~、決まったも~同然なんじゃないの~?」

 うぐっ.....。

 俺は、ヘスティア様のその問いに答えることはできなかった。

 アテナのことは嫌いではない。
 いや、むしろ好きなのかもしれない。

 しかし、異性として好きかと問われると、う~ん.....。

 そもそも、ニケさんやラズリさんには異性としてハッキリとした好意を持ってはいるが、アテナやドール、モリオンなんかはかわいい妹や娘ぐらいにしか思えてならない。

 それに、ラッキースケベは歓迎するが、ハーレムとなるとニケさんに悪い気がしてならない。
 いや、ニケさんうんぬんよりも、俺が何だか納得できない。日本人故か何だか知らないが、なかなか許容できない。

 愛する人は唯一人。
 そういう気持ちがあるからこそ、いまだにラズリさんの気持ちに応えられない訳で.....。

「いいね~。いいね~。お姉さん~、そういうのは~すご~くいいと思うよ~」
「.....楽しんでます?」

「そうだね~。キラキラしていて~、見ていて~面白いかも~。
 義弟君よ~、大志を抱け~!ってね~。あはは~」

 いやいや。
 それ、使い方間違ってますから。

 ヘスティア様の無茶苦茶な引用に、草葉の陰でウィリアム・ス○ス・クラークもきっと泣いていることだろう。
 いや、女神様に引用してもらったのだから、例え誤用であっても名誉あることになるのだろうか?.....良かったな、ウィリアム・ス○ス・クラーク。

 それはともかく、仮にアテナではなく、ヘスティア様から求婚されたら真剣に考えたかもしれない。
 それでも、俺の心はニケさん一択なのは変わらないが、ラズリさんと同じように相当悩むと思う。唯一のネックは身長ぐらいだろうか?

「ダメだってば~。アテナちゃんに怒られちゃう~。それに私はね~.....」
「?」

 先程まで楽しそうに話していたヘスティア様の表情に、一瞬だけ暗い影が落ちた.....ような気がする。

「でも~、ありがと~。
 そういうふうに~思われるのは~、悪い気が~しないもんだね~。あはは~」
「は、はぁ?.....と言うか、心を読まないでくださいって.....」

 しかし、今は先程までと同じ、とてもかわいらしい表情だ。
 特段、無理しているようにも見えないし、気のせいだったのだろうか。

「あ~。それとね~。身長のことなんだけど~」
「はい」
「説明は~めんどくさいし~、見てもらえば~早いよね~。義弟君~、お願いね~」

 お願いって、何が!?

 困惑する俺に、問答無用でその巨大な手を伸ばしてくるヘスティア様。
 その伸ばしてきた巨大な手で、一体何をするというのだろうか。そして、俺にお願いとは.....。

 ヘスティア様の伸ばされた巨大な手が、俺に向かってどんどんと迫ってくる。

 体格差故か、ちょっと怖い。
 実際はかわいらしいお手手なんだろうが、あまりにも巨大過ぎるが故に迫力満点だ。

 すると───。

───ぷちっ。

「へっ?」

 ヘスティア様は、まるで塩でも摘まむかのように.....、まるで花でも摘まむかのように.....、まるでポテトでも摘まむかのように.....、優しく俺を摘まみ上げた。
 俺は、まるで小さい虫にでもなったような気分だ。

「ちょっ!?え!?な、なんですか!?」
「じゃ~、いってみよう~!あはは~」

 だから、何が!?

「う、うわぁぁぁぁぁあああああ!?」

 そして、そのまま録な説明も無しにいきなり、俺はヘスティア様のアテナよりも豊満だと思われるおっぱいの谷間へと放り込まれることになってしまった───。

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後書き

次回、本編『義姉あね義弟おとうとの想い』!

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今日のひとこま

~一苦労~ side -ユミエル-

「ヘスティア様。ヘスティア様。起きてくださいませ」
「.....(すぅすぅ).....(すぅすぅ)」
「ヘスティア様。ヘスティア様。起きてくださいませ。舞日様がお待ちでございます」
「.....(すぅすぅ).....(すぅすぅ)」

うぅ.....。
や、やっぱり起きてくださらない.....

ヘスティア様は一度お休みになられると、なかなか起きてくだされないのが困ったところです。

「ヘスティア様。ヘスティア様。起きてくださいませ。舞日様がお待ちでございます」
「.....(すぅすぅ).....(すぅすぅ)」
「ヘスティア様。ヘスティア様。起きてくださいませ。舞日様がお待ちでございます」
「.....(すぅすぅ).....(すぅすぅ)」

やはり、ダメみたいです.....。

ここはあれを使うしか無いようですね。
対ヘスティア様最終兵器である『あれ』を。

テレレレッテレー♪ 『くすぐりフェザー』!

「(こちょこちょこちょ).....ほ~ら、ヘスティア様~。早く起きてくださいませ~」
「.....(ピクッ!).....(すぅ、すぅ)」
「(こちょこちょこちょ).....早く起きてくださらないと、敏感なところを攻めちゃいますよ~」
「.....(ピクッ!).....(すぅ、ピクッ!)」

「もうっ!なかなかしぶといですね!!こうなったら.....(こちょこちょこちょ)」
「.....(ピクッ!).....(ピクッ!)」
「さすがにここは効果てきめんですね!私だってこんなところを攻められたら.....」
「.....(ピクッ!).....(ピクッ!)」

もはや、ヘスティア様が目覚められるのも時間の問題といったところでしょうか。
ヘスティア様がほんのりと上気されてしまっているのは、攻めている場所が場所だからでしょう。

「(こちょこちょこちょ).....ヘスティア様。早くしてくださいませ」
「.....ん、ん~。.....ね、ねむ~い~」
「眠いではありません。舞日様がお帰りになられたら、またお休みになられれば良いではありませんか」
「.....ん、ん~?.....だれ~それ~?」

「アテナ様がよくお話に.....」
「.....あ~。.....アテナちゃんね~。.....おやすみ~」
「何でそうなるんですか!?お、起きてくださいませ!」
「.....ユミエルちゃんもねよ~」

冗談ではありません。
私はこの後、急いで片付けなくてはいけない仕事が山ほどあるんです。

(定時で上がれるかしら?今日は男神様と合同の合コンがあるのですが.....)

なんてことを思っていたら、ヘスティア様の御手が私を捕らえてきました。

「ちょっ!?ヘスティア様!?」
「.....おやすみ~」
「いやぁぁぁぁぁああああああ」
「.....(すぅすぅ).....(すぅすぅ)」

そして、そのまま私はヘスティア様の深淵へと誘われてしまうことに.....。


どうやら、今日も合コンに参加できそうにはありません。
きっと部下達からは、また「お局天使」とか言われるんでしょうね.....。はぁ.....。

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