歩くだけでレベルアップ!~駄女神と一緒に異世界旅行~

なつきいろ

第78歩目 はじめての決着!妖狐と二人っきり⑨

前回までのあらすじ

苦戦しつつも一筋の光明が見えた!アユムいきまーす!

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□□□□ ~ついに決着~ □□□□

妖狐が成体で居られる時間も残りわずか、のんびりと悠長に構えている余裕はない。
絶体絶命の中、見えた一筋の光明に活路を求めるのみだ。

まず色々とおさらいをしたい。

俺は体術Lv.3で妖狐と戦っている。
地のステータスは妖狐よりもずっと低いが、スキル差でその差を補っている。
普通に戦えばスキル差がある以上、俺の方が強い。これがこの世界の原則だ。
ただし模擬戦をしている場所が公園ということもあり、魔法は使用禁止との約束をしている。

一方の妖狐は符術Lv.2で俺と対峙している。
しかし奴隷は主人に危害を加えられない為、命令で戦闘行為を容認している。法の抜け穴というやつだ。
故に最低限度の力しか出せず、実際はLv.1にまで力が抑えられている。
それでも俺には妖狐の駆使する符術に耐性が無い為、食らうと普通に痛い。
しかもそれを防ぐ手段が無い。触れれば爆発し、触れずとも妖狐の任意で爆発する。
しかも念入りに自身の回りに地雷という形で配置し、身の安全を図ってもいる。攻守とも万全な構えといった感じだ。

───ボンッ!

体力:995【↓150】

体力も残りわずか。
どこまでが最終ラインなのかはわからないが、1000を切った以上は赤信号だろう。

迫り来る2つの符を避け、考えを巡らす。
危険だとあらかじめわかっていれば、落ち着いて対処はできる。

.....理不尽な現代社会で鍛えられた社畜をナメんな!

まず考えなければならないことは符への対抗手段だ。
これをどうにかしないことには活路を見出だせない。ただ特攻を繰り返し、自滅するだけだ。

符の特徴は2点。
・触れれば爆発する。
・符に触れずとも妖狐の任意で爆発させることができる。

俺は今まで避けることで対処してきたが、仮にアテナだったらどう考えるだろうか。
ただアテナのように物事を見て、ただアテナのように物事を考え、ただアテナのように物事を組み立てる。

.....あのアテナのことだ。無茶苦茶なことを言ってくるだろう。それこそ・・・

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「なくなるなら当たっちゃえばいいじゃーん( ´∀` )」
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そう触れてさえしまえば、符は爆発してなくなってしまうのだ。
これが符への対処としては一番原始的で、一番効率的だ。

・・・。

ただ問題があるとすれば、どうやってダメージを回避するか、だ。
いちいち符を喰らっていては体力が持たないし、隙もできるし、なによりも痛い。

───ボンッ!

体力:845【↓150】

「!?」

体が急激に重くなった。
体力が残りわずかなことから、もしかしたら体が警鐘を鳴らし始めたのかもしれない。

ただひたすら怠い。吐き気さえする。
こんな変調は始めてだ。これが本当のピンチというやつだろうか。

しかし.....、それでも.....、俺の中の闘志は尽きることなく燃え上がっている。

目の前にいる妖狐がそれはもう嬉しそうな表情をしているからだ。
なにがそんなに嬉しいのかはわからない。

もしかしたら、俺が苦しんでいる様が嬉しいのかもしれない。
もしかしたら、勇者ではないとしても強者である転移者に圧倒的な力の差で勝てている状況が嬉しいのかもしれない。
もしかしたら、勝ち目がなさそうな状況の中でも俺が諦めずに頑張っているその姿が嬉しいのかもしれない。

妖狐の真意はわからないが、それでも妖狐が嬉しそうにしているのだから、俺がここで諦める訳にはいかない。
最後の最後のまで、足掻いて足掻いて足掻き続けるつもりだ。痛いし、気持ち悪いけど。

俺の中で自然と、アテナ同様、妖狐の為に何とかしてあげたい。
俺にできることは可能な限りしてあげようと強く思うようになっていた。

.....はぁ。本当に手のかかる似た者姉妹だ。俺がいつも貧乏くじを引かされる。

でも悪い気はしないのだから、なんだかんだ言って二人のことは気に入っているのだろう。

話が逸れた。
対策に戻らないと・・・。

符は触れれば爆発する。

これを活用しない手はないだろう。
ではどうやってダメージを負わずに符に触れようか・・・。

俺の持ちうる手札を考える。

剣で叩くか? .....いや、距離が近すぎる。どうあっても被弾してしまう。
誘爆を誘う? .....そんなことは既にやっている。でも一度も成功していない。妖狐の操作技術は完璧だ。
魔法で落とす?.....これなら間違いなく大丈夫だろうが、使わない約束だ。

この中で、魔法を覗くと一番効果的なのは剣だ。
それでも被弾のリスクは高いだろう。

・・・。

要は爆発してもそれを防げれば問題ないものが好ましい。
例えば盾のようなものならきっと大丈夫だろう。

ただ問題を挙げるとするならば、俺は盾なんてものを一切持っていないことだ。

こんな時、アテナならどう考える。
アテナならきっと活路を見出だしているはずだ。
再びただアテナのように物事を見て、ただアテナのように物事を考え、ただアテナのように物事を組み立てる。

.....アテナならきっとこう言うだろうな。

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「ないなら作っちゃえばいいじゃーん( ´∀` )」
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まさにその通り。
無いから諦める、ではなく、無いなら作ればいいだけだ。
至極単純で、至極簡単な答え。

.....故に一番悩ましい答えでもある。

公園を見回す。
盾の代用になる物を探すも全く見当たらない。
ここは日本の公園とは違って何もない。あるのは花畑とベンチと街灯だけだ。

当然一社会人としてベンチや街灯の選択肢はあり得ない。
いくら模擬戦の為とは言え、器物破損は常識ある大人としてやっていいはずがない。
更に言うなら、目の前にいる妖狐の教育にも良くない。俺がいい大人の模範になるべきだ。

しかし、そうなると盾の代わりになる物が全く無い・・・。

.....どうする!?どうする!?!?どうする!?!?!?

───ボンッ!

体力:695【↓150】

「ぐぅぅ・・・」

焦っても答えは出ない。
心を落ち着かせる。

そして、俺の中のアテナに救いを求める。

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「ないなら作っちゃえばいいじゃーん( ´∀` )」
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.....そんなことは分かっている。でも代用となる物がないんだよ。

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「ないなら作っちゃえばいいじゃーん( ´∀` )」
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.....はぁ。何を聞いてるんだよ?無いものは無い。

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「ないなら作っちゃえばいいじゃーん( ´∀` )」
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.....お前いい加減にしないと・・・帰ったら寝ていようが頬をつねるぞ?

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「ひ、ひぃ。.....な、ないなら作っちゃえばいいじゃーん(;´・ω・)?」
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.....つねるの確定な。無いものは無いって言ってんだろ・・・!?

そこまで考えてようやく気付く。
あのアテナが不可能なことを提案してくるだろうか。
いや、無茶苦茶な内容ではあっても、不可能なことは提案してこない気がする。

.....と言うことは、何かあるってことか・・・。

改めて公園の回りを見渡す。
ベンチと街灯を除くとあるのは花畑のみ。大木なんてものは当然無い。

.....やはり何もないな。アテナは何を使えと?

困惑しながらも再度ぐるりと見渡す。
常識を捨て、非常識なアテナの考えに頭を寄せていく。

・・・。

そしてあるものがふと視界に映り、ふとある考えが思い浮かんだ。

.....え?まさかこれのことか?確かにこれならできるが・・・いいのか?

俺は悩むが、あるアテナの言葉を思い出した。

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「ひきょうってのは相手のことだよー?私達が使ってもひきょうにならないよー(。´・ω・)?」
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そうこの世界では俺以外の人が弱点を突くことは卑怯者扱いにされるらしい。
この世界の住人は基本的に弱点を突くという考えはしないようだ。まともに生きていれば。
しかしそこはアテナ。アテナがお願いすれば、誰もがアテナの言うことを容認してしまう。
だからこそ弱点を突いても俺は一切罵倒されない訳だ。

本当酷い世界だ。どんだけアテナに甘い世界なんだよ・・・。
人だけではなく世界にも好かれるというのか?

しかし、目の前にいる妖狐は容赦なく俺の弱点を突いている。
悲惨な奴隷生活を送ってきた故の、生き抜くための知恵として身に付けたんだろう。
もしかしたら、その事で罵倒されてきた経験すらあり得る。

そしてアテナが言いたいのは、「今現在俺の弱点を突いている妖狐は卑怯者だから、こちらもそれ相応の手段を取るべき」、だと言うことだ。

.....なるほど。一応、こちらにも大義名分はあると言う訳か・・・本当、大人の世界は汚いぜ!

決心した俺は、アテナの助言に従わせてもらう。
別に妖狐を卑怯者だとは思っていないが、兆しが見えた以上はそれを利用させてもらう。

・・・。

早速行動に移る。
符を避けながら、そのタイミングを図る。

そして・・・

「造形魔法!」

一瞬のタイミングを見計らって、地面に手を付け一気に簡素な盾を二つ作り上げた。

「むむむ!?そ、それは魔法なのではないか?」
「その通り。魔法だな」
「魔法だな、ではないのじゃ!使わぬ約束であろう!」

妖狐は、約束が違う!、とぷりぷり怒っている。その姿も美しい。
ちょっと心は痛むが、こちらにも大義名分がある。

「.....や、約束とはお互いの信頼関係の元で成立するものだ」
「.....妾が信頼できぬと?」
「違う。妖狐自身は信頼している。.....信頼していないのは妖狐の今の行動だ」
「ど、どういうことじゃ!?」

妖狐が明らかに動揺している。.....これはもしかしたら確信犯か?

「全て分かった上で、いま俺の弱点を突いているよな?」
「ぐ、ぐぬぬ」
「.....やはりか。勝ちたい気持ちは分かるが、先に信頼を踏みにじったのは妖狐だからな?
 だからこちらも同じ土俵に立たせてもらう。.....それとも今から打撃符に変えるか?」

.....な、なんだろう。子供相手に大人気なく正論を振りかざすこの居心地の悪さは・・・。

この世界では弱点を突いてはならない。この原則がある以上、お互いの信頼が重要となる。
そして相手がその信頼を踏みにじるのであれば、こちらがその原則を律儀に守る必要はない。

俺は聖人君子でもなんでもない。
「相手が卑怯な手を使っても、こちらは正々堂々だ」、とか言うつもりは一切無い。
そういう正義感を振りかざすのは勇者の役目であって俺の役目じゃない。そもそも俺は勇者じゃないし。

厳しい現代社会において、そんなあまっちょろいことは言ってられないのだ。
第一、攻撃魔法は使うつもりがない。だから全部が全部破った訳でもない。半分は約束を守っている。

.....大人の世界ってどの世界でも本当汚いよなぁ。純真だった少年時代がまぶしいよ・・・。

「そ、それは屁理屈なのじゃ」
「その通り。大人の世界は理不尽と屁理屈で成り立っている。汚れているんだ。
 .....だから妖狐はいつまでも汚れずにきれいなままでいてくれ。それが俺の切なる願いだ」
「.....わ、妾は既に主の弱点を突いておるのだが?それでも汚れていないと言い切れるのか?」

.....既に汚れてた!いやいやいや!妖狐の場合は仕方がない側面もあるから!

勝つ為には手段を選ばない。
強さに憧れ、そして必死に生き抜く為に考えた結果がこれなのだろう。
決して好ましい考えとは言えないが、それでもこの世界で生きていく為には必要な考えだ。

「よ、汚れていない.....と思う。少なくとも俺にはきれいに見える(容姿が、だけどな)」
「そ、そうか。ならばよい。.....と、当然じゃな!妾は誰よりも、どんな宝石よりも美しい存在だしの!」

.....本当にすげえな、この自信。まぁ、あながち間違ってもいなさそうだしな。

「それでどうする?妖狐がこのまま行くつもりなら、俺も魔法を使わせてもらうぞ?」
「.....その盾で飛ぶ符は防げても、地面のは防げまい?」
「そんなことはないぞ?なんのために二つ作ったと思ってんだ?」
「.....どういうことじゃ?」
「言う訳ないだろ・・・。応用だよ、応用」
「ず、ずるいのじゃ!妾は全部教えたと言うのに!」
「全部?妖狐も全て手の内を見せたとか言いつつ、実際は地雷のこと言わなかっただろ。お相子だ」

こちらに大義名分がある以上は引くつもりはない。
例え相手が子供だとしても!無用な情けが損害を出すことだってあるんだ。
利用できるものは利用する。利益になるものはとことん追求する。それが大人の世界というやつだ。

「.....ど、どう、、して、、も、、教え、、て、、は、、くれ、、ぬ、、のか?」

妖狐が泣きそうになっている。意外な反応だ。

.....ちょっと意地悪しすぎたかな?

・・・。

な~んて思う訳がない。
これでもアテナとの付き合いは長いほうだ。こんな態度には慣れている。

「泣いても無理。.....どうせ嘘泣きだろ?俺はアテナで慣れているから無駄だぞ?」
「・・・ちっ。姉さまも余計なことを」

.....舌打ちやめろ!てか、勝ちに執着しすぎだろ!

でも、思った通りだった。
普段高慢ちきな妖狐がそう簡単に泣くはずがない。
くだらない手を使う辺り、本当にどうしようもない姉妹だ。

「.....本当にどうするんだよ?」
「.....ふむ。打撃符では主を抑えられぬし、かと言って、このままでもきっとダメであろうな」
「力を示せたかどうかはわからないが、無理そうなら降参するか?」

正直勝ち負けなんてものに興味はないが、一応主人としての面子はある。
勝てる戦なら勝たせてもらうのが道理だろう。

「.....ふぅ。降参しか手は残っておらぬであろうな」
「そうか。おつか・・・」
「だがの?」

俺がお疲れコールをしようと矢先、その言葉を遮られ、

そして・・・

───ぽんっ!

.....え?

目の前にいた超絶美人の成体妖狐が、愛くるしいマスコットの幼体妖狐に戻ってしまった。
どうやら成体でいられる制限時間の30分を迎えてしまったらしい。

「ふむ。時間切れじゃな」
「.....え?ちょっ!?これってどうなるんだ!?」
「引き分けであろうな。妾は降参寸前ではあったがしておらぬし、主は逆転できるチャンスはあったがしておらぬ」

.....おふ。妖狐とおしゃべりしている内にまさか時間切れとは・・・。

「それにしても、やっぱり主は甘いのじゃ」
「.....ど、どういうことだ?」
「勝てる算段が着いたなら、問答無用で相手を攻め立てなければダメであろう。
 だからせっかく勝てる戦をわざわざ見逃すのじゃ」

妖狐の言う通り、俺は符の対抗手段を得た時点で既に勝った気になっていた。
『勝って兜の緒を締めよ』とは言うが、俺は既に脱ぎ掛けていた。

「それにの?降参とは勧告するものではなく、させるものなのじゃぞ?」
「.....勧告するものではなく、させるもの?」
「そうなのじゃ。勝てぬと分かれば基本は自ら降参するものなのじゃ。
 そうせぬと言うことは、勝算があるか単なる愚か者のどちらかということじゃ」

.....それはどうなんだろう?少し言い過ぎな気もするが・・・

「いや、人には意地とか色々あるし、道理を説かれて初めてその気になる人もいるだろ?」

「だから言うたであろう?その者達は愚か者であると。
 そんな意地があるぐらいなら次の機会に果たせばよい。なぜ無理な状況で粘る必要があるのじゃ?
 説かれてその気になるような輩など端から役に立たぬ。それはつまり物事を考えられぬ愚か者であろう?」

.....辛辣なお言葉ありがとうございます!、とM男なら言いそうだな。

妖狐の言うことも一理ある。
ただこの辺りは人それぞれだろうから深くツッコまないでおこう。

「.....つまり妖狐には勝算があったと?」
「勝算ではないが、引き分けになる見立てはあったの。現にこうして引き分けたしの」
「な、、んだと!?」
「主は忘れたのか?妾はその人を見れば、大体何を考えておるかは大概わかる。特に主など朝飯前じゃ」

確かに以前そう言っていた。
妖狐が悲惨な奴隷生活を生き抜くために培った処世術というやつだ。

「主の雰囲気が変わった辺りから、対策は考えていたのじゃ。万が一を考えての」
「そんな前から!?」
「『備えあれば憂えなし』。常に2手も3手も先のことを考えるものじゃぞ?」
「・・・」
「主は単純だからの。魔法を使ったあたりで既に勝利を確信していたのが丸わかりだったのじゃ。
 だから時間を稼げば引き分けられると踏んだのだが、こうも上手くいくと逆に拍子抜けなのじゃ」
「・・・」

こうも単純、単純言われると、きっとそうとう顔に出ているに違いない。
するつもりはないが、浮気はしないでおこう。きっとすぐバレる。

「そう落ち込むでない。単純な主も愛いと思うのじゃ」

.....幼女に慰められると言うのもあれだが・・・。

結局のところ、俺は最後まで妖狐の掌の上で踊らされていたことになる。
これが経験の差というやつなのだろう。

改めて俺はスキルやステータスに頼った戦い方をしていたんだな、と思い知らされた。


その後、鬱憤晴らしに妖狐ご自慢の結界を一撃で粉砕したことは恥ずかしくて誰にも言えやしない。言えやしないよ。

.....ふぅ。すっきり。


こうして力を示すことができた俺と妖狐の模擬戦は引き分け?
実質負けなような気もするが、引き分けで幕を閉じることになった。

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『アテナ』 レベル:3 危険度:極小

種族:女神
年齢:ーーー
性別:♀

職業:女神
称号:智慧の女神

体力:50
魔力:50
筋力:50
耐久:50
敏捷:50

装備:殺戮の斧

女神ポイント:198340【↑1000】

【一言】私が勝手に登場してなかったー(。´・ω・)?
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アユムの所持金:74000ルクア【↓20000】
冒険者のランク:A(クリア回数:5回)

このお話の歩数:約32000歩
ここまでの歩数:約17633200歩
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『アユム・マイニチ』 レベル:5939【↑6】

種族:人間
年齢:26
性別:♂

職業:凡人
称号:女神の付き人
所有:妖狐

体力:5949(+5939)【↑6】
魔力:5939(+5939)【↑6】
筋力:5944(+5939)【↑6】
耐久:5944(+5939)【↑6】
敏捷:6199(+6139)【↑6】

装備:旋風の剣(敏捷+200)

技能:言語理解/ステータス/詠唱省略

Lv.1:初級光魔法/初級闇魔法

Lv.2:浄化魔法

Lv.3:鑑定/剣術/体術/索敵/感知/隠密
   偽造/捜索/吸収/治癒魔法/共有
   初級火魔法/初級水魔法/初級風魔法
   初級土魔法/ 物理耐性/魔法耐性
   状態異常耐性

共有:アイテムボックスLv.3
   パーティー編成Lv.1
   ダンジョンマップLv.3
   検査Lv.3
   造形魔法Lv.3
   奴隷契約Lv.2

固有:ウォーキングLv.5939 513/5940
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後書き

次回、ラズリさんの手紙!

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今日のひとこま

~命令の本質~

「やっと模擬戦終わった~~~。かなり疲れたよ」
「くふふ。そこまで主を追い込めたなら、妾も本望なのじゃ」
「妖狐は楽しんでたもんな~。
 .....てかさ?そんなに強いなら、なんでダンジョン如きで死にそうになってたんだ?」

妖狐の強さを持ってしたら、あの魔物部屋も大したことはないはずなんだが・・・?

「ふむ。妾だけではないが、他の同胞達も既に力を使い果たした後だったからの」
「そんなに苦戦するようなダンジョンだったか?」
「元主人が愚かだったというのもあるが、一番は命令の本質が問題だったのじゃ」
「命令の本質?」

「うむ。例えば、基本命令の1つである『主人を殺めるな』なのだが・・・。
 これは「主人を殺すことはできない」という命令だけではなく、
 暗に「主人に危害を加えることはできない」という命令も含まれるのじゃ」

「なるほど。と言うことは他の命令も?」

「うむ。同じく基本命令の1つである『主人の元から逃げるな』
 これはどういう仕組みかはわからぬが、主人の元から1ヶ月以上離れると、自動で首輪が締まるシステムとなっている」

「そう言えば、そんなこと言ってたな。首輪がなにか感知しているのかな?」

でも今までの説明からだと、それがダンジョンで瀕死になっていた理由にはならないな。

「その通りなのじゃ。妾が瀕死になっていた理由は、『主人を守れ』・『主人の為に戦え』。この二つの命令が原因なのじゃ」
「それはそうだろうが・・・。でも力を使うどうかは妖狐達次第だろ?.....え?ま、まさか!?」
「察しの通り。この二つにも本質が隠されておる」
「.....ど、どんな?」

「「全力で」とか、「なんとかして」とか、「主人だけは守れ」とか、それに似た言葉が発せられると、
 妾達奴隷は強制的に持てる力の全てを発動させられてしまうのじゃ。
 その上、連戦続きで疲弊もしておったからの。結局魔物には歯が立たなかったのじゃ」

その器に非ざる者が上に立つと、得てしてそういう悲劇は起こるものだよな。
現代社会でも、こいつが上司?、ってやつは山ほどいる訳だし。

「.....気を付けるようにするよ」
「何を言っておる?妾は自由奴隷であるぞ?嫌なら拒絶できる。それにの・・・」
「なんだ?」
「妾が側におる限り、主には無用な心配なのじゃ!大船に乗った気でいるがよい!」

かわいいのに頼りになるマスコットとか、これ以上ないぐらいの幸運だな!
日本でも、こんなかわいい部下が俺も欲しかった!

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