歩くだけでレベルアップ!~駄女神と一緒に異世界旅行~

なつきいろ

第27歩目 はじめての彼女!

「アユムさんって、女性とお付き合いしたことないですよね?」

ラズリさんに尋ねられたのは突然だった。


スカイさんの猛攻を凌いだ俺は、7日間お世話になる部屋を貸してもらうことになった。

「アユムさんとアテナちゃんは、ラズリの部屋を使ってください」

ラズリさんの家は立派だが決して広くはない。
部屋数もあまり多くはないのだろう。

俺とアテナがラズリさんの部屋を使うとなると、当然......

「すいません。ラズリさん。
 俺達のせいで部屋を移動することになってしまって......」

ラズリさんは別の部屋になるはずだ。
年頃の娘を男と同室にはさすがにしないだろう。

しかし......

「はい?ラズリももちろん一緒ですよ」
「......え?まずいでしょ!ラズリさんと同じ部屋だなんて!」
「なにか問題でも?それともなにかをするおつもりですか?」
「わ、私はいつでも構いませんよ///」
「あらあらまあまあ。これは初孫を見れるのも早そうね」
「本当、あんたらなに言ってんの!?」

この二人、マジで変な人達だった!

この家に来てからというもの、ラズリさんとスカイさんの二人には振り回されっぱなしだ。

そういう点ではアテナは、

「おにいちゃんー!お菓子おいしぃねー(にぱー☆)」

バカなだけだからすごく癒される。
そしていつものように、アテナのにぱー☆はかわいい。

......まさかアテナをありがたく思う日がこようとは。


そういう訳で、ラズリさんの部屋に来たのだが......

「わーい!かわいいベッドー!」

アテナは部屋に入るなり、一目散にベッドに飛び込んだ。
そして宿屋の時同様、ベッドの上で飛び跳ねている。

「すいません。うちのバカが......」
「ふふっ。かわいい妹さんじゃないですか」

ラズリさんはマジでアテナを妹だと信じてるのか?

「それよりもアユムさんも中へどうぞ」
「お、お邪魔します」

舞日歩26歳童貞。
生まれてこの方、はじめて女の子の部屋に入ります!

心臓はバクバクと高鳴り、すごく緊張している。
この緊張感......まるで就活の圧迫面接の時のようだ。

部屋の中に入ると、ラズリさんらしいシックな感じだ。
ただ、ベッドだけはお手製らしきぬいぐるみで飾られている。

部屋の中にほのかに香るラズリさんの匂いが、さらに俺の緊張感を高める。

「そんなところに立ってないで、どうぞ座ってください」

□□□□

「アユムさんって、女性とお付き合いしたことないですよね?」
「歩は一度もないはずだねー( ´∀` )」
「なんでお前が答えてんの!?てか、なんでお前が知ってる!」

アテナが知っているのは、どうやらニケさんのおかげらしい。
俺が選ばれた時に調査したんだとか。

じゃあ俺が童貞なこともニケさんにはバレているのか......

「どうしてわかったんです?」
「だって女性に対して不慣れな感じですよね」
「不慣れ?」

「デートの時、私の服装について何も言いませんでしたよね。
 あの場面は私の服装を誉めるのが普通です」

あくまでデートと言い張るのか。
そしてあの時怒っていたのはそういう理由だったのか。

「さらに食事の時、私よりも先に席に座ってましたよね。
 そこは先に、私の席を引いて、私に座るよう促すのがポイント高いです」

レディーファーストってやつだな!
聞いたことがある!

「もっと言うなら、私のお母さんを見つめすぎなところですね!
 私以外の女性を見つめるのはマナー違反ですよ!」

「ラズリさん以外ダメなの!?」

無茶苦茶なことを言っているが、女性を見つめるのがマナー違反になるなら気をつけよう。

「あとなによりも、私の部屋に入った後のアユムさんは明らかに挙動不審です。
 誰がどう見ても、アユムさんが女性に対して免疫ないのがバレバレですよ」

はじめて女の子の部屋に入ったんだから仕方なくね!?

「ラズリさんの言う通り、俺は26年間彼女なんていた試しがないですよ」

「じゃあ!私がアユムさんのはじめての彼女ですね!」
「え?彼女ではない・・・」
「そういう契約ですが?」

ぐぅ。また契約かよ!

「契約期間の間だけですからね?」
「ねーねー!歩~!じゃー私ははじめての妹ー?」
「黙ってろ!ラズリさんに設定だとバレるだろ!」
「うふふふ......私がアユムさんのはじめての彼女」

ラズリさんにはどうやら聞こえていないようだった。
しかもなにやらニヤけている。気持ち悪い......

「それで彼氏になったとして、具体的に何をすればいいんですか?」
「それはですね・・・」

□□□□

今日の夕飯はスカイさんが振る舞ってくれるらしい。
料理はスカイさんとラズリさんで交代制みたいだ。

そして、エプロン姿のスカイさんはとてもいいと思います!

「そんなに情熱的に見つめられたら体が疼きます///」
「アユムさん!さっき言いましたよね!浮気ですよ!」
「あらあらまあまあ。アユムさんったら、早速二股ですか?」
「マナー違反じゃないの!?」

落ち着け!落ち着くんだ!
この二人のペースに巻き込まれたらダメだ!

バカだ。バカの境地になるんだ。

「んー?私をじっと見てどうしたのー?」
「はぁ~。アテナを見てるとすごく癒されるな~って」

───ぽふっ。ぽんぽん

「にへへー!(にぱー☆)ねーねー!すごいー?
 私ってすごいのー?歩が感謝しちゃうぐらいすごいー?」

アテナのにぱー☆はかわいい。

「あぁ。アテナはすごい。
 お前はどうしようもない駄女神だけど、バカなだけだからすごく癒される」

「全然誉めてなーーーーーーーーーーーーーーい!」

ヽ(`Д´#)ノこんな顔で怒っているアテナも癒される。
アテナかわいいよアテナ。


さて、バカなやり取りをしていたら夕飯が出来上がったみたいだ。

今日は親子丼らしい。

異世界で丼物?
スプーンで掬ってみると、白く輝くお米が見えた。

「へ~。この世界にもお米ってあるんですね」

「異世界の方が文化革命を興していますからね。
 特に食材の革命は著しいんですよ。
 そのオコメは東方の国が産地なんですが、ここ数年で全大陸に行き渡るようになりました」

「さすがギルド職員。情報通ですね!」

───ぽふっ。ぽんぽん

「えへへ~。ありがとうございます!」

頭をぽんぽんされたラズリさんは嬉しそうにほほ笑んだ。

ちゃんとしてればきれいな人なんだけどな~。ぺったんこだけど。

早速、お米を食べてみる。
つぶつぶのもちもちな食感だ。
日本で食べていたものに比べると少しパサつきはあるが、十分おいしい。

続いて、鶏肉、たまごと食べていく。
鶏肉は歯ごたえがあって、肉の旨味を凝縮していて美味い。
たまごの部分はとろとろのふわふわで甘味がある。

「おいしいです!店で出せる味ですよ!」

「ありがとうございます。
 お代わりもあるので、たくさん食べてくださいね」

親子丼なのにお代わり?まぁ美味いからいいか。

「おにいちゃんー!私もー!あーん!あーん!あーん!」

まるでお腹を空かせたひな鳥のように、口を開けているアテナに鶏肉を入れる。

───もぐもぐもぐもぐ。ごくんっ

「おいしぃーーーーーーーーーーーーーーーーー!
 鳥さんが最期まで懸命に生きた生き様が味に顕れてるねー!」

「リアルなことを言うのはやめろ!」

アテナは両手を頬にあてo(≧∇≦)oこんな顔で食べている。
本当に幸せそうに食べる。

「アユムさん。私にもお願いします。あ~ん!」

今度は、口を開けているラズリさんに食べさせてあげた

───もぐもぐ。こくんっ

「ありがとうございます。
 アテナさんが先でいいので、私にもお願いしますね?」

ラズリさんはアテナとは違って食べ方は上品だ。
でもアテナ同様、幸せそうに食べている。

この二人と一緒に食べられるのはある意味幸せなのかもしれない。

俺は、アテナとラズリさんに食べさせつつ、親子丼を満喫した。


夕食後、スカイさんがやたら上機嫌だったのはなぜだろう。

□□□□

「さ、さすがにこれは恥ずかしいですね......」
「や、やめますか?
 俺もアテナで慣れているとは言え、正直恥ずかしいです」
「いえ、お願いします。そういうお願いですから」

月明かりに照らされたラズリさんの裸はとても美しい。
アテナのむちむちとしたわがままボディーとは違い、元冒険者故か、きゅっと引き締まったスレンダーボディーだ。


俺は今、アテナとラズリさんの体を拭いている。

どうして俺がラズリさんの体を拭いているのか。
それには理由がある。

「それで彼氏になったとして、具体的に何をすればいいんですか?」

「それはですね。
 アテナさんにしてあげていることを私にもしてください!」

「なんで!?」

「アユムさんはわからないんでしょうが、アテナさんにしてあげていることは兄妹の姿にあるまじき姿なんですよ。そう、まるで恋人のような......だから彼女である私にもして欲しいんです!」

これが夕飯前にしていた会話だ。

アテナに奉仕するように、ラズリさんにも奉仕する。
これがラズリさんの切なるお願いという訳だ。

俺が夕飯時に、ラズリさんにぽんぽんしたり、食べさせていたのはそういう理由があったからだ。

そして奉仕ともなれば体拭きもあるわけで......

「わ、私の体はどうでしょう?やっぱり貧相ですよね。
 ぺったんこですし......」

「そ、そんなことないですよ。とてもきれいです」

ぎょ、凝視できません!
俺は視線を下に落とした。

「全然見てないじゃないですか。ちゃんと見てください」

この世界の女性は少し積極的すぎるだろ!

「い、いいんですね?本当に見ますよ?」
「ど、どうぞ......」

俺が視線をあげると、そこには......

「やっぱり恥ずかしいです!ごめんなさい!」

女性の大事な部分を手や腕で隠し、顔を赤くし、恥じらいを見せているラズリさんがいた。

これはこれでなんかエロい。

童貞には刺激的すぎる!
目に焼き付けておかずにしよう。

そんな俺とラズリさんの、ちょっといい感じの雰囲気をぶち壊すのは当然こいつだ

「おにいちゃんー!はやくふいてよー!」
「はいはい」
「あっ。私もお願いします」

───ふきふきっ

「あーははは!お尻くすぐったーい(*´∀`*)」
「今、揉みました!?揉みましたよね!?」
「揉んでません」

実は揉みました。

アテナのはぷにぷにでむちむち
ラズリさんのは張りのある弾力

......二人ともいいんじゃないでしょうか!

───ふきふきっ


「後ろ終わり。前いくぞ」

背中、お尻が洗い終われば当然次はお楽しみのおっぱいだ

───ふきふきっ

「ラピスのは洗わなくてもいいんじゃなーい。
 あー!洗う場所がないかー( ´∀` )」

「どうせ私はぺったんこですよ......」
「どうか洗わせてください」

アテナのはずっしりとした重量感
ラズリさんのはささやかながらも主張をやめない躍動感

......二人ともとてもいいと思います!

───ふきふきっ


「仕上げいくぞ~」

お楽しみが終われば、最期は秘密の花園へと......

───ふきふきっ

「んぅ......歩は徐々に拭くのうまくなってるよねー!」

変な誤解されそうなこと言うな!

「ぁん!......き、気持ちいいです///」

き、気持ちいいとか言うな!意識しちゃうから!

それにしても人によって秘密の花園も違うんだな。
勉強になった。

俺はその後も二人が満足するまで、体を拭いてあげた。

「ありがとうございます。アユムさん」
「さすがに恥ずかしかったですね」

俺とラズリさんは顔を赤くして俯いた。
拭くほうも拭かれるほうも恥ずかしいものだ。

「そうですね。でも癖になりそうです」
「え?」

癖?癖ってなんだ!?

「またお願いできますか?」
「け、契約期間中の間なら」
「そんなこと言わずに、契約期間が切れたあとも・・・」
「ごめんなさい!」

「な~んでですか~!私の裸見たくせに~!
 恥ずかしくて、もうお嫁にいけないですよ~。
 だからアユムさんが私を貰ってください~」

それはお願いをきく契約だからだろ!


本当にブレないラズリさんを見て、俺は思う。

きれいな体でした。ありがとうございます!


ちなみに寝るときは三人仲良く一つのベッドでした。


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『アテナ』 レベル:3 危険度:極小

種族:女神
年齢:ーーー
性別:♀

職業:女神
称号:智慧の女神

体力:50
魔力:50
筋力:50
耐久:50
敏捷:50

女神ポイント:1000【↑500】

【一言】歩~。鼻血でてるよー!ラピスの裸見たからー?
    でもラピス喜んでたねー!変なのー!
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アユムの所持金:1850000ルクア
冒険者のランク:A(クリア回数:1回)

このお話の歩数:約230歩
ここまでの歩数:約935550歩
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『アユム・マイニチ』 レベル:1367【↑0】

種族:人間
年齢:26
性別:♂

職業:凡人
称号:女神の付き人

体力:1377(+1367)【↑0】
魔力:1367(+1367)【↑0】
筋力:1372(+1367)【↑0】
耐久:1372(+1367)【↑0】
敏捷:1427(+1367)【↑0】

技能:言語理解/ステータス/詠唱省略

Lv.1:初級火魔法/初級水魔法/初級風魔法
   初級土魔法/初級光魔法/初級闇魔法

Lv.2:隠密/偽造/捜索/吸収/浄化魔法
   治癒魔法/共有

Lv.3:鑑定/剣術/体術/索敵/感知
   物理耐性/魔法耐性/状態異常耐性

共有:アイテムボックスLv.3
   検査Lv.1

固有:ウォーキングLv.1367 517/1368
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