歩くだけでレベルアップ!~駄女神と一緒に異世界旅行~

なつきいろ

第16歩目 はじめての仲間!Aランク昇格試験②


「お前ら!いい加減にしろよ!」
「ふえーーーーーん!ごめんなさーい(´;ω;`)」
「ふぐーーーーーー!ご、ごめんなさい!ごめんなさい!」

俺がおもいっきりつねったことで、駄女神と試験官さんが喘いだ

俺が駄女神と試験官のお姉さんをつねっているこの状況
どうしてこんなことになっているのか......

時は少し前に遡る

□□□□

俺とアテナは、Aランク昇格試験を受けるためにダンジョンにきた
試験内容は3階層のクリアである

試験官のお姉さんが言うには、

1階層にはコボルト
2階層にはコボルトと角うさぎ
3階層にはコボルトと角うさぎとスライム

が出ると教えてくれた

「ダンジョンは階層によって出る魔物とランクが決まっています。このダンジョンの魔物は、確認されている25階層までは階層主を除くとFランクレベル50以下となります。ダンジョンの中ではかなり低いランクですね」

ちなみに、町周辺の魔物はGランクレベル20以下らしい
確かに今のところレベル30台の雑魚が襲い掛かってきている
恐らく階層によって、レベルも変化するのだろう

「ねーねー!歩~!聞いてー聞いてー!」

ちなみに、敵のレベルはわかるがステータスは分からない
鑑定Lv.2では、レベルは分かってもステータスが見れないのだ
鑑定Lv.3にすると見えるらしいのだが......

「ねー!聞いてってばー!聞こえてるんでしょー!」

使える女神ポイントは余っている
しかし、なぜか女神Lv.3にできない
EXスキルに女神Lv.3が表示されていないのだ

(なにか特殊な条件でもあるのだろうか......)

「ねーってばー!実はねー!すごい......」
「黙ってろ!駄女神!試験官さんの説明中だろ!」
「ふえぇぇ(´;ω;`)」

こいつは、人が話しているときは静かに聞けと教わらなかったのか
いや、教わってても忘れてるんだろうな。バカだし

試験官さんの説明は続いた。話をまとめるとこうだ

魔物にもランクがあって、全部でSS~Gの9ランク
それぞれのランクに対して適正な冒険者ランクが設けられている

SS&Sランクの魔物→SSSランク冒険者
A&Bランクの魔物 →SSランク冒険者
C&Dランクの魔物 →Sランク冒険者
E&Fランクの魔物 →Aランク冒険者
Gランクの魔物   →Bランク以下の冒険者

と、なっているらしい

俺はその後も試験官さんの説明を聞きながら、試験をこなしていく

1階層の階層主コボルトウォーリア(Fランク)
2階層の階層主ビッグ角うさぎ  (Fランク)

を普通に殴って、危なげなく倒した。

どちらもレベルは45だった
雑魚よりかはレベルが10ほど高いみたいだ
さすがは階層主といったところか

「強さに関しては問題なさそうですね」
「ありがとうございます」

「3階層には罠が1つありますので、それを見てから階層主を倒してしまいましょう」

俺と試験官さんはそんなことを話しながら、3階層への階段を降りていった

「罠ってどんなやつなんですか?」
「下の階層に落ちると言われている落とし穴ですね」
「下の階層.......それは怖いですね」

「ご安心ください。仕掛けは誰が見ても不自然なほどのでっぱりですし、念のため【押すな!絶対押すな!】の張り紙もありますので」

不自然なでっぱりってのはよくわからないが、張り紙とは親切だな
でも張り紙の文言が、某芸人のネタでちょっと怖い

(アテナにはきつく注意しとかないとな......)

「聞いたか?アテナ。いいか?絶対押すなよ。
 これはネタじゃないからな?」

・・・。

(おいおい、無視かよ。ふざけた駄女神だな!)

俺はいらつきながらもアテナがいると思われる場所に振り向くと.....

・・・。

「ちょっ!?冗談だろ!?あの駄女神どこにいきやがった!?」
「ええええ!?ダンジョンで迷子ですか!?」

あれ?デジャヴ?
そしてこの展開はまさか......

俺が嫌な予感を感じていたら、ずっと先のほうからアテナのバカっぽい声が聞こえてきた

「歩~!見てみてー!変なでっぱりがあるよー!
 しかも【押すな!絶対押すな!】だってさー( ´∀` )
 つまりこれって『このでっぱりを押せ!』ってことだよねー?」

(案の定かよ!あの駄女神!)

俺と試験官さんはアテナのもとに走り出した

「い、いいか?絶対押すなよ!?押すんじゃないぞ!」
「アテナさん!危険ですから押さないでくださいね!」
「分かってるってー!そういうネタなんでしょー( ´∀` )」

やばい!あの駄女神、本当にネタだと思ってやがる!
これ以上、刺激しないほうがよさそうだ

「......ネタ?アテナさんはネタだと思ってるんですね!?
 だったらこうすれば!」

なんだろう。すごく嫌な予感がする
こういうときの閃きは絶対プラスに働かないのがお約束だ

そして試験官さんは、意を決したかのように叫んだ

「アテナさん!押してください!さあ、どうぞ!」
「ちょっ!?あんた、なに言ってんの!?」
「はーい!任せてー!」

ぽちっ。

───ガコンっ

アテナがでっぱりを押した瞬間、俺達の足元が深淵に染まった

「「......え!?」」
「え!?じゃねえ!お前ら、バカか!?」

「うぎゃああああああああああああああ」
「きゃあああああああああああああああ」

こうして俺達は奈落の底に落ちていった

そして、落ちながら俺は思った

(こいつら、つかえねぇ......)

3階層には、アテナの女の子が出しちゃいけない悲鳴と試験官さんの女の子らしい悲鳴が反響していた


そして冒頭に戻る

□□□□

「それで?この後はどうするんです?」

「そ、そうですね。とりあえず現在地を確認しますね。
 我が存在せし場所を示せ!ダンジョンマップ!」

試験官さんが呪文を唱えると、手のひらが青く光り、地図みたいなものが表示されていた

「う~ん。困りましたね......」
「どうしました?」

「このダンジョンマップという魔法は、一度マッピングしたことがある階層なら地図が表示される仕組みなんです」

「へー!便利そうな魔法ー!」
「ファッ!?」

あの駄女神がまじめに説明を聞いているだと!?
なんだ?なにを企んでいる!?明日は雪か!?

「ただ......私達が今いる階層が表示されないんです」

「え?つまり、今いる階層は試験官さんでも来たことがないってことですか?」

「そうなりますね......」

「念のため聞きますが、試験官さんは何階層までいったことがあるんですか?」

「15階層です」

つまり今いる場所は15階層より下ってことか......

「とりあえずセーフティーゾーンを探しましょう」
「セーフティーゾーン?」

「攻略が完了している階層には、それぞれ1か所だけ魔物には視認されない結界を張ることで、魔物が立ち入れない場所を設けているんです。本来セーフティーゾーンは休息を取る意味合いで設けているんですが......」

「なるほど。そういうことですか」
「えー?どういうことー?」

はぁ?今の会話で分からないのかよ
本当に智慧の女神なのか?

「セーフティーゾーンを探すメリットはなにか分かるか?」
「休むためでしょー!つかれたもんねー!休みたーい!」
「お前はなにもしてないだろ!なんで疲れてるんだよ!!」

俺はバカをつねった

「ふえーーーーーん(´;ω;`)痛いってばー!」

「いいか?セーフティーゾーンがあるってことは攻略完了の階層ってことになる。ここが何階層かは知らないが、16~25階層のいずれかになるってことだ」

「それがどうしたのー?」

「まだ分かんないのかよ......つまり転送陣で地上に戻れる可能性があるってことだ」

試験官さんの説明をまともに聞いていなかったアテナでは分かる訳ないか
聞いていても理解できたかどうかは別として......

試験官さんの話だと、

現在攻略完了フロアは25階層までだ
つまり、セーフティーゾーンは25階層まではあるってことになる
そして、地上まで一気に戻れる転送陣は5階層ごとに設置してあるらしい

つまり転送陣も25階層までは設置されていることになる

「え?それじゃーもしここが26階層だったらどうなるのー?」
「セーフティーゾーンもなければ転送陣もない」
「つまりーどういうことー?」
「おまえ究極のバカだな!つまり休めないし、帰れないってこと!」
「えー!そんなのやだー!もう帰ろうー!」
「だから帰れるか分からないんだよ!」

こんなバカ相手にしてると疲れる
そして俺達のやり取りを見て、くすくす笑っている試験官さん
すごく恥ずかしいんだが......

「ご安心ください。さすがにセーフティーゾーンは無理ですが、転送陣は作れますので」

「え!?そうなんですか?」

「はい。転送石を使います。
 冒険者必須のアイテムですので覚えておいてください」

つまり、こういうことらしい

5階層ごとに神の祝福と呼ばれる光が漏れている部屋があるらしい
その光に転送石をかざすと転送陣ができる仕組なんだとか

転送陣を作る行為はギルドに多大なる恩恵をもたらすらしく、特別報酬をもらえる栄誉に与れるらしい
故にAランク以上の冒険者の間では、転送石は常に持ち歩いている必須アイテムなんだとか

なるほど
それはいい。それはいいのだが......

「なんで試験官さんが転送石なんて持ってるんです?」
「言ってませんでしたっけ?私、元冒険者なんですよ」
「初耳です。ただ納得しました。どうりで色々詳しい訳ですね」

「ごめんなさい。では改めて自己紹介しますね。私はラピスラズリ。みんなからはラズリって呼ばれてます。なのでそう呼んでください」

ラズリ?
普通、ラピスって呼ばれないか?

「ラズリさんですね。わかりました」
「ラピスー!よろしくねー!」

ラズリだって言ってんだろ!
......いや、ここはアテナの認識が正しいのか?

「今はギルド職員ですが、以前は冒険者やってました。婚活に有利だと聞いたので、ギルド職員に転職したんです。只今、旦那さん募集中です!」

聞いてない、聞いてない

「が、がんばってください......」
「ラピス、ぺったんこだから厳しいかもねー( ´∀` )」
「ちょ!?お前、なに言ってんの!?」

俺は慌ててバカの頬をつねったが、遅かったようだ
てか、普通にラピスって呼んでるし......

「ふえーーーーーん!だって、ぺったんこじゃーん(´;ω;`)」
「ぺったんこ......」
「き、気にしないでください。胸は大きさじゃないですから」

なんで俺がこんなフォローしないといけないんだ......

「そ、そうですよね!アユムさんがちいさいの好きで助かりました!」

「え?」

なんか勝手にちっぱい好き認定された件について
別に巨乳好きではないが、ちっぱい好きかと聞かれると微妙だな

まぁ、ラズリさんの機嫌が直ったみたいだし、どうでもいいか

「冒険者時代は探索者の職業に就いていたのでダンジョン探索は得意です。今は緊急事態なので力を合わせて頑張りましょう!わずかの間ですが、仲間としてよろしくおねがいしますね!」


こうして俺とアテナに一時的ではあるが、ラズリさんが仲間に加わることになった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『アテナ』 レベル:2 危険度:極小

種族:女神
年齢:ーーー
性別:♀

女神ポイント:1000【↑500】

【一言】歩はちっちゃいのがいいのー?だからニケが好きなのかー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アユムの所持金:420000ルクア
冒険者のランク:B(クリア回数:5回)

このお話の歩数:約6500歩
ここまでの歩数:約336150歩
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『アユム・マイニチ』 レベル:819【↑8】

種族:人間
年齢:26
性別:♂

職業:凡人
称号:女神の付き人

体力:829(+819)【↑8】
魔力:819(+819)【↑8】
筋力:824(+819)【↑8】
耐久:824(+819)【↑8】
敏捷:879(+819)【↑8】

技能:言語理解/ステータス/鑑定Lv.2/浄化魔法Lv.2
   剣術Lv.2/体術Lv.2/索敵Lv.2/治癒魔法Lv.2
   感知Lv.2/隠密Lv.2/偽造Lv.2/捜索Lv.2
   吸収Lv.2/物理耐性Lv.2/魔法耐性Lv.2
   初級火魔法Lv.1/初級水魔法Lv.1
   初級風魔法Lv.1/初級土魔法Lv.1
   初級光魔法Lv.1/初級闇魔法Lv.1
   状態異常耐性Lv.2

固有:ウォーキングLv.819 465/820
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品