俺に稲妻が走る時、それはつまり覚醒の時

そらち

第7話 抵抗

風を切る。

速さでは負けてない..!
俺に勝機があるとすればその点だ。

奴は切り返す時に反応が少し遅れる。
そこを突いて一気に決める..!

完璧だ。

俺は左右にフェイントをかける。

AIはまんまとフェイントに釣られた。

「うおおおおおお!!」

右手が顔面にクリーンヒットした …はずだった。

「砕けねえ..だと!?」

堅い。あのパワーで砕けないなんて..。

AIは貢の手を掴み、振り回す。

「くっ..」

必死に振り解いたが態勢が悪く、地を転がる。

砂埃が舞う。

俺は正直、ここまで苦戦すると思っていなかった。
それは力を手に入れた事によって生まれた自信であり、
心の隙間に現れた「油断」でもあった。

完全に作戦失敗し、動揺していた。

(まずい..このままだと死ぬ..!)

「メイレイニヨリ コロス」

また仕掛けてくるつもりなのか..

と、その一瞬で奴は俺の視界から消えた。
目で追える範囲のスピードを超えたのだ..!

「しまっ..」

背中に尋常じゃない痛みが走る。
膝蹴りだろうか。

「ぐああああ!!」

転がり込んだ俺に、更なる追撃が迫る。

(もう、避ける気力なんてねえ..!)

と、目を瞑った瞬間、間近で熱を感じた。

何かが目の前に立ちはだかっている...。

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