俺に稲妻が走る時、それはつまり覚醒の時

そらち

第3話 交点

騒がしくて目が覚めた。

途端、わけが分からず飛び起きた。

「...?」

声も出ない。

俺の周りを取り囲む無機質な金属の塊は、
紅い目の様なものを光らせて俺を見ながら話し始めた。

「コウドウミツグ ワレワレニツイテコイ」
「オマエニハ ハンギャクコウイノウタガイガアル」

俺は目を覚ましたばかりで頭が回らなかったが、
こいつらの声を聞いていると腹が立ってきた。

「俺に..なんだって?」
「ツイテコイ」
着いてこい、か..。

「随分偉くなったもんだな、てめえら」
「ナンダト オマエ ハンコウスルノカ」

反抗する気はない。
「...ただ、壊すだけだ」


ーー

近所で何か事件があったらしい。
そこら中の警備AIロボットが公園に集まっている。

という情報を聞いて私は飛び起きた。
これは是非カメラに収めたい。

通っている高校で写真部に所属している私は、
幼い頃から写真を撮る事が好きだった。

着替えるのは面倒だったので、パジャマの上から
コートを着て家を飛び出した。


人々の波をかき分け、群衆の先頭に立ち、カメラを構える。

ロボットの勢の中に、一人、
見覚えのある男が立っていた。

「あれ..光堂君?」

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