異世界を追い出された俺は──元の世界でハーレム作りに勤しみます【凍結】

決事

無双したいな

「さて始まりました体育祭! 盛り上がってますか!?」
「「「おぉぉおおお!」」」
「じゃあ、全力で価値を取りに行きましょー!」
「「「いえぇぇえええ!」」」
音頭を取るのは副実行委員長であった晴尉。
長と副が衝突してたのかよ。
まあそれはさておき。
いよいよ始まってしまった体育祭。
今年からは新しい試みを取り入れ、より熱気を高めて行きたいところだ、うん。
長くてかったるい校長の話とPTA会長さまのありがたーいお話が終わり、生徒が朝礼台に上がった。
「そうそう! 今年は面白い企画があるんだよ! それは生徒会長に言ってもらおう!」
活き活きと喋る階樽は龍生にマイクを手渡した。
目つきの悪い美人顔が生徒を睨む。
なのに、より歓声が大きくなったのは何故。
「あ"あ? マイク聞こえてっか? っしゃ。一回しか言わねーからな。今年はーーMVPを決める。以上」
もったいつけたのはたった2秒。
さらには非常に簡潔明瞭な企画の開示。
若干呆れ顔の吹寄がマイクをバッと奪い取って引き継ぐ。
「あ、ちょっと詳しく言うとですね、女子と男子のMVPを、わたし達生徒会役員と体育祭実行委員長、副委員長で決める、ということです。1人とは限りませんよ? この人活躍したよね、今の凄かった、などと皆さんが話してるのを聞いたり、実際のプレイを見たりして……そんか感じなので活躍した人は1人でも2人でも、最高5人までで発表したいと思います! これで説明終わりです」
そ。
これが奴らがやる気を出した原因の褒美だ。
自分達が目立てばMVPとして全校生徒に名前を覚えてもらえる。
それを狙っているのだ。
プラス、実行委員で頑張ってましたね賞としてのMVPもあり得るのでは、という打算も働かせた結果だ。
あんな見え透いた目論見などとっくに看破している。
完璧じゃあないか、わが軍は!
うおっほん。
さてここで一つ解説。
この学校は分かりやすく赤白の二色対抗となっている。
俺と吹寄は白、龍生は赤だ。
ついでに言っておくと階樽は赤で晴尉は白だ。
赤白両方でMVPなれたらいいねえ。
あいつらはどうせキャピキャピするのだろうが、俺は体育祭ガチ勢となった!
今から。
何故なら!
龍生と組みが違う!?
そう!
俺が目立てるチャンス!
晴尉階樽などというモブモブしい女子に活躍の場は譲らん!
異常じゃない程度の運動能力を見せつけて、“勝鬨ハーレム”結成の足がかりにしてやる!

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