惨めな無能は異世界で願いを夢見る

ノベルバユーザー148366

02:異世界に召喚される

眩い光が収まると目の前には電気は切れているが何も変わらない教室の姿があった。

どうやら他のクラスメートも無事?に教室にいるようだ。
しかし、どういう訳か目を見開いて何も口に出す様子がない。

一体どうすりゃいいの…。

「皆。」

さっき教室を出ろと叫んでいたクラスメートが言葉を発し注目を集める。

「皆も神様に会ったよね?僕も会った。それで神様からの頼みを受けようと思う。」

えぇ…と。神様に会ったの?だれそれ、俺会ってないんだけど。

他のクラスメートを見ると頷いたり怯えたような顔をしている。

「当然戦争だから死ぬ可能性もあるだろう。でも俺たちには神様から加護を頂いた。皆で強くなって絶対に全員で元の世界に帰ろう!」

「応よ!やってやろうぜ!」
「元の世界に帰るんだ!」
「戦うのは嫌だけど頑張るよ!」

各々同意を示している。

どゆこと?何故に皆乗り気なんだ?普通怖くて戦えないような人は1人くらいいるもんじゃないの?

全く話についていけない状態にあった。

「それじゃあまず教室をでて王様に会おう。神様が言うには王様に協力してもらえるよう手回しはしてあるらしいからね。」

そう言って教室の扉を開けて外に出る。
他のクラスメートもそれに続いて外に出て行く。

全く話が掴めないが置いてかれるのも嫌なので最後尾に着いて行く。
外に出るとそこは薄暗いが石造りの建物で様々な色で彩られたステンドガラスから光が差し込んでいる。

ステンドガラスは人が獣と悪魔に対峙している?様な絵だ。
これはこの世界でも表しているのだろうか?

「ようこそ、異世界の皆様方。」

周りを見渡していると今自分達がいるところは祭壇の様な所で階段の下に白い髭を蓄えた老人が立っていた。

「私は女神アリュステリア様に仕えるアリュス教の長エストレイエと申します。以後、お見知り置きを。」

「お名前をお教えいただき有難うございます。自分は皆内みなうち しんと申します。早速ですが神様から事情はお聞きしているのでこの国の王様の元へご案内いただけますか?」

「おお!それではご協力下さるのですね?ありがとうございます。では私がご案内させていただきます。」

なんか知らんが話が進んで行くぞ?
とりま、あの纏め役っぽいのは皆内 慎って名前なのか。
で、あの偉そうな爺さんがエストレイエか。
覚えるぞ、覚えるぞ…  多分覚えれないや。
だから友達が出来ないんだよなぁ…。

俺たちはエストレイエの後に着いて行き神殿っぽいところから出るとそこにら大きな噴水と並ぶ建物があり、沢山の人が此方に注目して手を大きく振りながら叫んでいた。

「うおぉぉぉぉぉぉ!!勇者様ぁぁぁぁあ!!」
「俺たちの希望だぁぁぁぁ!!」
「頑張って下さい!!勇者様ぁぁぁあ!!」

凄いテンションの高い言葉が俺たちを襲う!!
…俺はこういうの慣れてないからどう反応したらいいか分からんなぁ。

「ありがとう皆!!俺たちが戦争を終わらせてみせる!!」

おおぅ、皆内が声あげて手を振り返してる。
それに乗って他のクラスメートも言葉を返したりしてるなぁ、俺も手は振っておこう。

適当に手を周りの人に振りつつエストレイエの後に続いて王宮の方へ進んで行くのであった。

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