俺の魔法科学園生活

お湯

第2章:中間試験【13】

空を飛んでいると魔王が物凄い話しかけてくる

「いやー、あの時のそなたは凄かったのう。あんなに若かったのに我と互角に戦うなんての」

今話しているのは俺達が初めて会った時の話だ

あれはもう2年前


俺は魔人族、魔獣の殲滅をしていた時、大きな建物を見つけた
それはまるで城のような

「なんだよここ、魔人族の王様でもいるのか?」

魔王という存在を知らなかった俺は、軽々しくその門を開けた

その中にいたのは今まで戦ってきた魔人族と何ら変わりない弱いやつら

だが、ひとつ、今まで見た扉とは全く違う巨大な扉があった

「ここに王様がいるのかよ」

冗談交じりに言った言葉。
だが扉を開けると俺の顔つきは変わる。いや、変わらざるを得なかった

これまでとは全く違う圧倒的恐怖。そしてその方向を向くと今までとは格別の存在感を放つ魔人族がいた

「お前が王様かよ…」

少し声が震えた

「なんじゃそなた。迷い込んだのかの?」

少し馬鹿にした声だった
それに少しむかついた俺は言い返す

「お前の仲間は全員殺したぜ…?」

すると魔王は「おおー!」と大げさな声を上げる

「それはすごいの。……それで?」
「は?」
「それで?我に勝てるとでも?」

俺は失念していた
魔人族に仲間意識などないことを

「くそったれ」
「まあ、我の領域に侵入したからには生かしておけんの」

そこで俺は笑う

「……なんじゃ?」

「生かしておけない…?笑わせんなよ。俺を殺せるとでも?魔人族如きが?」

昔から悪い癖だ。少し相手を見下してしまう

「魔人族如き…じゃと…?」

相手も少し怒気を混じらせた声だった

「ああ、魔人族如きがどうやって俺に勝つんだよ?!」
「いい度胸じゃ人類如きが!!生きて帰れると思わんことでの!!」

そこからはただ戦った
2人ともそこだけがこの世界だと言わんばかりの集中力で、相手の挙動全てを見切って

何時間、何日続いたかもわからない戦いを終えた時、2人ともがボロボロだった

戦いが終えた理由は2人の体力切れ

そして、2人は腕も上がらなくなるまで戦い、僅か3メートルの距離に立ち、魔王は魔法を、俺は剣を使おうとしたが、2人ともが同時に地面へ倒れ込む
そして、2人の額が当たり、額に痛みが走る

「「っ!」」

意識が朦朧としながら地面へ転がり、数十秒間は勝てなかった悔しさが頭を回る

「ははははっ!」

隣で仰向けになって倒れている魔王が笑う

「くははっ!」

それにつられて俺も笑い出す
笑い出すと止まらない
腹を抱えて笑った
体力が切れたあとだというのに痛みなんて忘れて笑った

そして笑いがやんで俺はふと思う

「ああー、戦いがこんなに楽しいことは無かったな…」

そんなセリフが口からこぼれる

「我もじゃ…」

そんな声が隣から聞こえた

「そなた何者じゃ?」

隣から聞こえたそんな問いかけに、俺は悩む
何故か、こいつには、見栄を張った答えを言ってやりたくなった

「人類の英雄だ」

すると隣から笑い声が聞こえた

「笑うなよ」

後から考えるとすごく恥ずかしい

「いいの…英雄。じゃあ我はさしずめ魔人族の英雄ってところかの?」

それを聞いて次は俺が吹き出した

それから、疲れたのか、隣からは寝息が聞こえてきた
今少し頑張ればこいつを殺せる

だけど何故か、こいつを殺そうとはどうしても思えなかった

それから俺も釣られるようにして、意識を手放した






「いやー、人間の子供が迷い込んできたと思ったらあんな化け物だったとは驚いたの」

あの時の俺は14だったから子供に見えても仕方がないかもしれないな……

そこで魔王は「そういえば」と何かを思い出したような顔でこちらを向く

「どうした?」

「いや、フライの魔法はかなり難しいはずなんじゃが2年前から完全と言っていいほどに上手く使いこなせていたことを思い出すと不思議での…」

首を捻る魔王だがそれは俺も気になってはいるのだ

何故かというと俺がフライが使えるようになったのは物心ついた時からだ

人間は基本努力しないと何も出来ないようになっている
なのに使えたということは、俺が人間じゃないみたいな……いや、考えるのはよそう

「それにしてもどうやってそこまで強くなったのか気になるの…」
「そんなもん努力だ」

すると魔王は複雑な顔で

「それじゃと我が生まれながらにこの力を持っているのはずるをしたみたいなのじゃ…」

ほんとそうだよ…

「でも俺はお前が魔人族で良かったと思ってるよ。お前がいないと俺は魔人族に良い奴なんて一人もいないと思ってたから」

すると魔王は顔をニヤつかせる
何かおかしなこと言ったか?

「ほう…そなたは我を“良い奴”だと思っているのじゃな?」

ったくこいつは……


「それで、まだつかないのか?」

とりあえず今はエルナの親だ

「むう、話を逸らしたの?もう少しでつくから我慢するのじゃ」

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コメント

  • ラインハルト

    最近見たんですが面白かったので是非続きも書いてください。

    0
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