俺の魔法科学園生活

お湯

第2章:中間試験【7】

「おお、アグナ君たち、やっときたか」

豪華な丸いテーブルを囲むのは全員が王族。
入口から見て奥の真ん中に座るのが国王
あ、今まで国王としか言ってなかったから名前教えてなかったや
国王の名前は、テレサス・ザン・エスファルト
そしてそのテレサスの右隣に座るのは第一王妃のアメリ・エスファルト
緋色の髪と目が特徴で、目は少し鋭く、髪は腰辺りまであり、超がつくほどの美人
性格はとても優しいのを知っている。
ちなみに国王のザンというのは国王しかつけることが許されないため、王妃につくことはない
そして国王の左隣にいるのがエレス・エスファルトだ
翠色の髪と、蒼い目が特徴で、翠色の髪は肩の辺りで軽い内巻きにされており、目はおっとりとした感じで少しルナさんに似ている。どちらかといえば美人というより美少女。少女というのは少し違うが、綺麗というよりかは可愛い感じだ

そしてそのルナさんといえば

「…………」

ガチガチに震えている
さっきから使用人や国王が俺のことをアグナと呼んでいるが、緊張のせいで聞こえていないようだ
よかった。

そしてまだ続く、アメリの国王とは反対隣にいるのがエミル・エスファルト
この子はまだ11歳で、母から受け継いだのか緋色の髪と目をしている
もちろん国王とアメリの娘だ
ちなみに母譲りでとても可愛い
これからの成長に大きな期待がかかっている。
本当に国王に似なくてよかったと思う…
そしてエレスの国王とは反対隣にいるのが、アリス・エスファルト
言うまでもなくエレスの娘、この子はエミルの1年後に産まれ、10歳だ。こちらも母から受け継いだのか翠色の髪に、蒼色の目、こちらも文句の付け所がないほどに可愛く、文句を言おうとすれば褒め言葉が出るほど

さっきから誰に解説してんだ俺は

「「アグナお兄ちゃんっ!」」

そう言って席を立ちこちらに向かっててとてとと全速力で走ってくるのは先程紹介したエミルとアリス

俺の腹ほどまでにしか身長がなく、俺の腰辺りに腕を巻き二人同時に抱きついてくる

「こら!エミル!アグナさんにご迷惑をかけないで!」
「そうよ、アリス。あまり迷惑をかけないの」

後からついてくるように言うのはアメリとエレス
二人とも呆れたような顔で言ってくるのは、俺がこの二人と会うといつもこうだからだ

俺は何故か国王にお守りを頼まれることが多く、ちょくちょくこの国に来ては、二人の面倒を見てやっていたため、いつしかお兄ちゃん扱いされているのだ

うん。ここにいたよ家族…

そんなことを思いながら、母親の注意を聞かず首を傾げて、「お兄ちゃんどこに行ってたのー?」
といつもの質問をしてくる二人を軽く抱きしめながら旅に行ってたんだよと言った
するとふたりはいつものように「旅の話を聞かせて!」
と満面の笑みで言ってくるので俺は少し微笑んでからいいよ、でもいまはご飯の時間だから、食べようか
と言って席に座るよう促す
すると何故か母親の注意は聞かなかったのに、俺の言うことは聞く二人は素直にまたとてとてと走っていき、座っていた席についた

「アグナくんの異常さを再確認したよ…」
「えぇ?王族…あれぇ…?」

脳がパンク寸前の二人に振り返り、そろそろいいかと思って俺は落ち着かせるために王族たちを紹介する
紹介するために国王たちが挨拶してくれるため、二人の緊張も和らいでいき、なんとか会話できるほどにはなった
そして二人と俺も席につき、全員が席についたところで

「それじゃあ、食べようか」

国王のその一言で、皆が食べ始める
とある国では食事をする前に、「いただきます」というらしいが、この国ではそんなことはしない
国王はただ、めんどくさいから。と言っている
その気持ちはわかる

見るとルーニェとルナさんだけが食事に手をつけていなかったので俺は苦笑いしながら二人に話しかける

「ふたりとも、ナイフはこうやって持って、フォークはこうで、こう切るんだ」

「こう?」
「そうそう」

二人は飲み込みが早く、人前でも普通に食べられるようになった
本来そこまですぐできる技ではないのだが、これが火事場の馬鹿力だろうか…
ちょっと違う気もするがそんな感じだろう

そして王族の、特に王妃たちが飲み込みの早い二人に驚き、二人になぜそんなに早く出来るのかを聞くと、二人はカチカチに固まりながらなんとか答える

「し、失礼のないように、なるべく上手に食べようと…」

他の者が言えばまるで国王に気に入られようとしている者の言う言葉に聞こえるが、二人の様子からはただ王族に嘘はついてはいけないという雰囲気が出ており、その様子が面白かったのか、王族全員が笑う。
エミルとアリスは黙々と食べているが…

そしてなにか失礼をしたかと焦る二人
なかなかに色々混ざっている状況の中、王族は既に二人に興味を持ったらしく、次々に質問していく
ちなみに国王は俺におかわりするか?と酒を飲みながら言ってくる

国王の威厳なくなるぞ…

と言いたくなる様子ではあるが、威厳がないのは元からなのでとりあえずスルーだ

王妃たちに質問攻めされている二人はとてつもなく緊張しながらも、どこに住んでいるのか、いつもは何をしているのか、総合評価はいくつか、などと聞いていた

ちなみに王族は戦闘能力やその他の能力を無視して、王族という“権力の高さ”が評価され、総合評価SSランクになっている

ずるいと思うかもしれないが、これが普通なのだ

そんなことを考えていると二人もいつの間にか緊張が解れており、普通に受け答えしている
いつしか質問を返すようになっていた

ただまあ…全く食事を口にしていないが

「二人とも、せっかくの王宮の食事が冷めるぞ」

俺がそういうと、今思い出した。というような顔で、食事を始める

ちなみに今日は何故かいつもより豪華なステーキだ

王族が食べる料理が美味しくないわけがない
食べた二人は幸せそうな顔になり、また一口、また一口と食べる
さっきは緊張しすぎて味を感じていなかったようだ
その様子を見て俺と王妃たちは微笑む
国王は酒を飲みすぎて先程使用人に連れていかれた
本当に威厳も何も無い国王だが、あれでも優秀なのだから仕方が無い
エミルとアリスはいつの間にかお代わりをしており、口元にステーキのソースをつけながら黙々と食べている

最後のデザート、ケーキというらしい食べ物を食べ終えた後、ルナさんは王妃たちは何やら話し込んでおり、最初の緊張は見られない

なんと、ルナさんは王妃と仲良くなったらしいな…

これはちょっとした権力だ…

そして俺とルーニェはというと、寄ってきたエミルとアリスの口元を拭いてから、小さい魔法を見せてやったり、頭を撫でたりして遊んでやっている
いつの間にかルーニェのことを「ルーニェお姉ちゃん」と呼んでおり、アリスが一度、「ルーニェお姉ちゃんはアグナお兄ちゃんのおよめさんなのー?」と満面の笑みで聞いてきたが、聞かれたルーニェは顔を真っ赤にして否定していた。ちょっと辛い
そして俺とルーニェでふたりの頭を撫でているといつの間にか寝てしまったらしく、俺の腹辺りから小さな寝息が聞こえてきた

それを見た俺は微笑んで「おやすみ」と言って頭を撫で続けた

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