俺の魔法科学園生活

お湯

第2章:中間試験【3】

あれから少しして、ルーニェは目を覚まし今は俺が勉強を教えているところだ
教えているところなのだが

「なあ、ルーニェなんでそんなに賢いんだ?」

そう、ルーニェが思っていたより賢いのだ

「そりゃ筆記試験3位だからね」

なんだよそれは!

「じゃあなんでお母さんに怒られる〜なんて言ってたんだよ」
「そりゃあもちろん実技だよ、私魔法とか苦手でさあ…どう練習すればうまくなるのかがわからないんだよ。学園の授業とか聞いててもさっぱりでさあ…」

なるほど、筆記はできて実技が駄目なのか

「じゃあ魔法の練習するか」

そう言って俺は教科書などを片付ける

「いいの?」

「そりゃあいいも何も、苦手なものから勉強するのが普通だろ?」
「そうだけど」
「まあいこうぜ」

教科書を片付け終えた俺は立ち上がってルーニェに手を伸ばす

「いくってどこに?」
「行ってからのお楽しみだ」

ルーニェが俺の手を取った

「さあ、行くぞ」
「う、うん?」

そのあと俺はルーニェと一緒にルーニェの家を出て(もちろんルーニェの母に挨拶はした)とある場所へと向かった

「ね、ねえアーグ君…」

歩いている途中ルーニェが俺の服の裾をつまみながら恐る恐るといった感じで呼んでくる

「なんだ?」

「もしかして…行き先って王宮とかじゃないよ…ね?」

なんだそんなことか

「王宮であってるぞ」
「ええええええええええええ?!」

ルーニェはどうしたんだ、とりあえず注目浴びてるから静かにしてほしい

「あ、アーグ君!や、やっぱりやめよ?!やっぱり家で筆記の勉強してようよ!」
「いや、実技が苦手なら実技の勉強をするべきだ」

あと襟を引っ張らないでくれ

「じ、実技をするだけなら別に学園でも!」
「ごちゃごちゃ言ってないで早く行くぞ」

俺はルーニェの膝裏辺りに右手を回し、左手を背中に回してルーニェを持ち上げた
所謂、お姫様抱っこ。というやつだ

「ふぇっ?!」

そして俺はルーニェを持ったまま、風のように走り出した


走り続けること数分

「っ…おぇ…っぐ…」

王宮の門の前に着いたはいいがルーニェが吐きそうらしい
門の近くでうずくまっている

何故だ

「まあ落ち着いたら言えよ」

「う…んぐっ…ぉえ…」

まだ吐いてないからギリギリセーフだ

何が?

「おいそこの二人、何をしている」

そこへ全身鎧の声からして男の人がやってきた
多分門番とかそんな辺りだろう

「ああ、こいつが吐きそうなんだ。通してくれ」

いつもならすんなり通してくれるのだが

「ハッ、お前達みたいなガキンチョを王宮に通したら俺の首が飛ぶぜ」

なんだこいつ新人か?
門番のほとんどとは顔見知りで俺の正体を知っているはずなんだが…
とりあえず聞いてみよう

「あんた新人か?」
「ああそうだ、俺はこの間王宮の門番に任命されたんだよ。すごいだろ?ははっ、わかったらとっとと消えな。ここはお前らみたいなガキンチョが来る場所じゃねえ」

鎧のせいで顔は見えないがバカにしているのはわかる

「新人だと話にならないな。マルコを呼べ」

マルコとは俺が初めてここに通った時の門番で、かなり仲良くしてくれている。ちなみに彼はSSランクなんだそうだ(俺のファンとかなんとかで最初は握手を迫られて大変だった)

「なんでお前がマルコさんを知っている?」
「呼べ」
「ったくこれだからガキは。」
「そういえば門番は通常二人だったはずだが?」

ここにはこの全身鎧しかいない

「それはな、俺が優秀だからひとりでじゅうぶんだってこったな!はははっ!」

嘘だな、マルコさんでさえ、二人がかりの門番だ

「おい、グーラス。何をしているんだい」

そこへまたひとり、鎧の男の後から声がした
確かこの声は…

「いや、マルコさん。このクソガキがここを通せって言ってましてね?しかも最後にはマルコさんに会わせろだなんて言ってまして、平民風情が王宮の中に入るだけでも不敬というのに…このクソガキは何を考えているのでしょうかねえ…?」

やっぱりマルコさんだ
男にしては長い金髪の髪に青い瞳、そして全身シルバーの鎧、腰には白く光る長剣
全身鎧の鎧は緑っぽくてあまり綺麗だとは言えない色合いだ。だがマルコさんの鎧はシルバーに光り、どこか神聖さを感じる

マルコさんはグーラスと呼ばれた男の説明を聞き、俺の方へ顔を向ける
そしてマルコさんは驚いた顔をして少し笑った

「グーラス、言ったはずだよね」

だがすぐに怒ったような顔を作り、グーラスに叱るような声をかける

「な、何をでしょう」

グーラスは鎧の外からでもわかるような焦りを見せる

「群青の髪に竜のような黄色い瞳、そして第一魔法科学園の制服を着た子供が来た時は通せと」

ほう、言ってくれていたのか
それにしても竜のような瞳か、言われたことなかったな

「は、はい。それについては聞き及んでいたのですが、何故このようなクソガキを通さなければならないのでしょうか」

はあ…まだわからないのか

「はあ…まだわからないのか」

おっと、口に出してしまった
いや、わざとじゃないんだからグーラスよ、そんなに睨まないでくれ?

「マルコさん、早くしてくれ。俺の友達がしんどいらしくてな。休めるような部屋を用意してやってくれ」

俺はだるそうにそう言う
その態度がグーラスには気に入らなかったらしく

「おいクソガキ!マルコさんになんて口の利き方だ!ガキだからなんでも許されると思うなよ?!」

そんな怒鳴るなよ

「お前の方こそ、王宮の門番になった程度で調子に乗るなよ?Sランクのくせに、ここの門番はほとんどSSランクだぜ?マルコさんなんて、もう少しでSSSランクになれるんじゃないかと噂されているほどだ。しかも声で判断してみるにあんた、30歳くらいだろ?24歳のマルコさんに劣ってるくせによくそんな態度取れるよな。マルコさん、門番は国のイメージが表されるから慎重に選んだ方がいいと国王に言っといてくれ」

さすがに苛立っていたので論破してしまった

「ははは、君は相変わらずだね。それと僕がSSSランクになれるなんて本当にただの噂だよ。それに君のほうがすごいんだから君に言われても嬉しくないなあ」

そんなにこにこしながら言われてもなあ…

「ま、マルコさん…このクソガキがマルコさんよりすごいってどういうことですか?」

まだそこかよ…

「まだ気づかないかい?彼はこの国の英雄。いや、全人類の英雄」

英雄ねえ…英雄を名乗ったことはルーニェを安心させる時と、アイツ・・・に会った時だけなんだがなあ…

「アグナ・ティリスファ様だよ」

「なっ?!」

いや、そこ驚くところか?さすがに予想くらいはしとけよ

「こんなクソガキが英雄?はっ、マルコさんでもそんなご冗談は許されませんよ」
「冗談なんかじゃないよ。彼は正真正銘、SSSランクを持つ者だ」
「なあ、そろそろルーニェがやばそうなんだが」

後ろで「うえっ…おぁ…ぇっ…」とかいうやばそうな声が聞こえる

「あ、ああ、ごめんね。アグナ君のお友達だったかな?いま部屋を用意しよう」
「助かる」

そういえば、いまはアグナ君って呼ばれてるけど最初はアグナ様。だったな…
とか考えながら俺は門を通る(もちろんルーニェに肩を貸しながら)

「ちょ、ちょっと待て!」

グーラスから声が掛かる

「なんだ?」
「お前みたいなやつがSSSランクだと?そんなわけがない!マルコさんも!騙されてるんだ!」

何言ってんだよこいつやばすぎ、確かに俺の強さに嫉妬するやつはいたよ?でもここまでとか…病気だな
ちなみに俺の強さに嫉妬されても、人類は魔族とは違い努力が全て。だから嫉妬してる暇があったら努力しろと言いたい

「いや、僕も彼と戦ったことはあるけど、惨敗だ。手も足も出なかったよ」

そう言ってマルコさんはわざとらしく肩をすくめる
嘘をつけ、俺の右脚を潰してくれやがって。治すのに1ヶ月もかかったんだぞ

「そんな…いや、そんなの嘘だ!おいクソガキ!俺と勝負しろ!」

なんでこんな馬鹿なの?本当に門番は人を選んだ方がいい

「いや、そんな暇は「ぉえええええええええっ」
ああぁああああああああ!!ルーニェ!俺の肩が!俺の肩が!」

俺の肩にルーニェの嘔吐物が乗っている
俺の制服ぅ…
ルーニェは確かに美少女だが、それでも俺にはこれで興奮するような趣味はない

「ご、ごめ…んっ」
「しゃ、喋るな?今から部屋に運んでやるからな?」

俺が必死になだめていると

「おい!俺を無視するな!勝負するぞ!」
「待てよ!後でしてやるから少しくらい待てねえのかよ?!」
「ちょ、アグナ君、ルーニェ君を早く運ぶべきでは」
「ああ!そうしてんだよ!」


結論から言おう。
俺は確かにルーニェを部屋に運んだ
いまはメイドさんがルーニェの様子を見てくれている
だが俺の右肩には嘔吐物が乗っている
血のついた服などはよく着ていたが、嘔吐物のついた服なんてレアだ

「はあ…【ウォーター】…」

俺は初級魔法を唱え、頭上から出てきた水で嘔吐物を洗い流す
ちなみにここは王宮の庭なので汚れるとかの心配はない

「あ!おい!ガキ!勝負しろ!」

見つかってしまったか

「はいはい、さっきするって言っちまったしな」

「ふはは、どんな卑怯な手を使っているのかは知らねえが、俺がお前を倒して国王様に突き出してやる」

どこからそんな自信が出てくるんだよ

「さあ行くぞ…」

グーラスは腰につけていた剣を抜剣し──ってあれ本物じゃん!
殺す気満々じゃん!
まあいいんだけど

にしても構え方がなってねえな。あんなんで本当にSランクか?

「棒立ちしてねえで早くお前もなにか武器を用意しろ」

何も持ってないの知ってんだろ?

「いらねえよ」
「ははっ!そうか!諦めたか?じゃあ行かせてもらう───はっ!」

そうして俺とグーラスの戦いは切って落とされた
俺の足元には嘔吐物が残ったままの状態で





更新遅くなりましたすみません

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