俺の魔法科学園生活

お湯

第1章:転入生【2】

俺は国王から混乱を塞ぐため、偽名を使ってくれと頼まれた
そこまで隠す必要は無いがバラす必要もないため、偽名を使うことにした
まあそのまま名前使ってたら教室中大混乱間違いなしだ
面倒ごとは避けられたのかなと思いながら配布された教科書を開いた
この教科書に載っていることほとんどが既に知っている事だ
この世界には魔法というものが存在し、練習すれば誰でも使える
この世には才能というものが全くと言っていいほどない
逆に努力の成果は目に見えるようにわかる
じゃあ俺はどれだけ努力をすればこの歳でSSSランクになるのか
それも戦闘能力だけで
それは実に簡単なことだ
幼い時から魔物を狩っていた
それだけ。
10歳を超えたあたりから魔族とも戦うようになり、12の時にはSSランクだった
SSSランクになった時は15になってすぐだったが、俺は魔物を食って生きている
幼い頃からそうしているのでなんとも思わないが周りの人間からするとそんな恐ろしいもの食べられないのだそうだ
魔物を食べると自身の魔力も上がるのになあ…と思いながらクラスメイトを見渡す
俺は自分より弱ければ相手の強さがある程度わかるので暇潰し程度にクラスメイトの戦闘能力評価を見ていた

「おっ?」

俺は少し驚いた
顔は冴えない感じだがこのクラスの中でも圧倒的に強い。Sランクの下の方くらいの強さはあるだろうか
よく見てみれば授業もまともに聞いてない
なるほど、そういうタイプか…
強いのにもったいない…
そんなことを思った
俺には関係ないのだが
ちなみにこのクラスの平均はAランク、2,3人Bランクがいるようだが、それでももう少しでAランクになるだろう

「おい、アーグ。何ぼーっとしている。転入早々で色々気にはなるだろうが授業に集中しろ」
「ああ、悪いな。ちゃんと聞いてる」
「じゃあここの問題解いてみろ」

どこだよ!
俺は内心思いながらどうしたものかと悩んでいると

《教科書38ページの魔族についてのところ》

と書かれたノートを前に座る少女が見せてきた
俺はすぐ38ページを開き問題を理解した

「魔族とは人類を脅かす生き物であり、人類と違うところは才能がすべてというところである。見た目は基本的に似ているが、角が生えていたり尻尾が生えていたりする。ああそういえば、顔が獣みたいなやつもいたな。そして、魔族には戦闘狂が多く人間を見るや否や襲ってくる。だが中には話が通じる魔族もおり、自分が負けると判断すれば逃げていく魔族もいる。ただ大半は勝っても負けてもどちらかが死ぬまで戦う魔族が多いので人間にはそのイメージが強い。特に魔王などは頭が良く、話し合いをしてから戦いになるケースが多い。なお、魔王がいなくなった魔国は混乱に陥り人間国に攻めてくる可能性があるので注意をしなければならない。それと、魔族と魔物は───」
「ちょ、ちょっと待て!もういい、そこまででいい」
「お、そうか」

俺は先生に止められて席についた
何故かクラスメイトに見られているのだが…

「ねえ、アーグ君。」

俺が自然に気を取られていると小声で声をかけられた

「どうしたルーニェ」
「いきなり呼び捨て?まあいいよ、それよりどうして魔族についてそんなに詳しいの?まるで見てきたように話してたじゃない」

ああ、さっきからの視線はそれのせいか
どうはぐらかそうかと悩む

「それはだなぁ…」
「そこ、うるさいぞ。授業に集中しろ」

っと怒られてしまった

「後でな」
「後で絶対聞き出してあげるからね」

なんだよ、聞き出すとか物騒な事言わなくても…
まあ言わないんだけど
偽名も別に一時的なものだしそこまで徹底して隠す必要も無いんだが一応隠しておきたい

それから1時間目が終わり

「ねえアーグ君、さっきの話なんだけど──」

ルーニェが俺に話しかけてきた。のだが

「アーグ君だっけ?どこから来たの?」
「なあお前総合評価何点なんだ?」
「Sクラスに転入なんて珍しいよねー」

俺は質問攻めにあっていた
総合評価などは適当にはぐらかし、どこから来たのかという質問も適当な嘘をついて誤魔化した

その他も色々聞かれひとつずつ答えていた結果休み時間が終わり
その次の休み時間も質問攻めで終わり
その次もその次も質問攻めで終わっていた
さすがに昼ご飯くらいは静かに食べさせてほしいのだが…
やけに女子が多い気がする
Sランクの男子は面白くなさそうにこちらを見ていたが…嫉妬だろうか。嫉妬だろうな。
そんなことを思いながら質問攻めにあっているうちにいつの間か放課後になった
放課後になっても質問攻めは終わらず帰るのは空がかなり暗くなってからだった

「さすがにルーニェ帰ったよな」

俺は安堵のため息をついた
あの時は「後でな」などと言ってしまったがルーニェが帰ったのなら仕方が無い。ああ仕方が無いったら仕方が無いとも
俺は荷物を持って帰るのが面倒だったため周りの生徒が言う置き勉をしている
置き勉という存在を知らなければ今頃俺は苦労していただろう
ありがとう。クラスメイト達。
そんなことを思いながらとぼとぼ廊下を歩いていると

「────っ!──だろ?!」

どこからか声が聞こえる
何か叫んでいるようだが。いつもなら気にならないが俺の勘が行けと言っているようなので行ってみる
俺は俺の勘を信用している
過去に色々あったのだ…
そんなことを思っていると声がしたであろう教室についた

「ぐふふ、綺麗だね。かわいいよぉ」
「ぐすっ、うぅ…ぐすっ…」

中からそんな声が聞こえてきた
いやいやいや、どういう状況だよ
俺は《千里眼》を使い部屋の中を覗いた
そして俺が見たものは

「ねえルーニェちゃん。今までは僕君を遠目で見ているだけで満足だったんだ」
「ぐすっ…うぅ…」
「でもね。今日君があの転入生と話しているのを見て我慢出来なくなったんだ!ハァハァ…君は僕のものだ。僕だけを見ていればいい…」
「いやぁ…やめて…」

はぁ、ったく。
一応解説しておこう
俺の目の前の教室の中ではSランク少年がルーニェを押し倒しており、ルーニェは泣きながらそれを拒否している
だがルーニェがSランクの人間に叶うはずもなくなされるがままだ
Sランク少年の手がルーニェの胸元のボタンへと伸びる
このままだとルーニェは絶望に浸ってしまうな
なんというか、見てしまった分には止めなければいけない。気がする…
めんどくせえなあと思いながら俺は教室の扉を開けた

ガラララっ

「だ、誰だっ?!」

Sランク少年は慌ててこちらを振り向いた

「俺だよ。Sランク少年」
「君はっ?!」

Sランク少年は驚いたようにこちらを見るがゴホンという咳払いをして落ち着きを取り戻させた

「君は確か僕のルーニェと馴れ馴れしく話してた転入生だよね、それと確かに僕はSランクだけど名前はヤバオだ!」

ほんと名前の通りヤバ男だな

「いやいや、別に馴れ馴れしくしてたとかじゃなくてそっちが話しかけてきたんだ。そうだよな?ルーニェ」

俺はヤバオの後ろで倒れているルーニェに問いかける
俺がそういうとルーニェは

「うぅ…ぐすっ…私がっ…魔族について聞こうと…っうぅ…してっ、ただけで…ぐすっ…」
「と、言うわけだ。ルーニェは俺に魔族について教えられる約束があるんだ。お前みたいな雑魚相手に時間を食ってる暇はねえんだよ」
「ぼっ!僕を雑魚だと?!僕はSランクだぞ?!」

ヤバオは顔を真っ赤にしてこちらを睨む
だがそこに俺はいない

「悪いな。後ろだ」
「───っ?!」

俺はヤバオの驚いた顔を見ながらルーニェを抱き抱える

「安心しろ、もう大丈夫だ。こんなことをされたのは初めてだよな?」

俺がそう問うとルーニェは瞳に涙を溜めながらコクリと頷いた
初めてということは女の大事なものが奪われたとかはなさそうで安心した

「さて、ルーニェは俺の女というわけでもないが女の子がいじめられている姿を見て黙っていられるほど人間をやめたわけではない」
「貴様如きに僕を倒せるのか?!」

もっともな質問だ。何故なら彼はSランクなのだから

「アーグ…君…いいよ…ヤバオに…勝てるわけないから…」

もう涙は止まり先程よりいくらか落ち着きを取り戻したルーニェが俺の腕の中で心配そうな声を出す
さっきの移動で力の差を知ってほしかったのだが実戦経験がない人間には難しいだろう

「俺が負ける?Sランク如きに?ハッ、笑わせるな」

俺は鼻で笑ってやった

「いいか?確かにアーグ=ティリスは雑魚だ」
「ハハハッ!やっぱり僕に勝てっこないんだ!分かってるんならルーニェちゃんを渡せ!」
「お前みたいなやつがルーニェの名を呼ぶな」

俺は少し覇気を放ちながら言った

「なんだ…と?」

そして俺は俺の周囲に魔力を放ち、戦闘時の姿になった
その姿は見るものを恐怖させ並大抵の魔族では見るだけで逃げ出してしまう俺の外界の時の姿
アグナ=ティリスファの姿だ
だからと言って俺の正体を教えてやることもないが

「さて、さてさて。Sランク如きが俺に勝てるとでも?」
「ええい!何をしたのか知らんが所詮は雑魚だ!ぶっ殺してやる!」

おいおいこの場にはルーニェもいるのに殺しちゃダメだろ
この姿に耐えられるのは流石というべきか
ルーニェは俺の腕の中で震えている

「ったくこれだから実戦経験がないやつは…」
「実戦経験くらいあるぞ!」

ヤバオは自信満々に答える

「どうせ親同伴だろ?」
「ええいうるさい!殺す!」

だから殺しちゃダメだろ…
そうしているうちにヤバオはこちらに魔法を放ってきた

ブォォン!

炎の玉がこちらに向かってくる
さすがSランクというべきか、かなりでかい
だがそれは世間一般で考えてだ
俺にはこんな小規模な魔法食らってもダメージはない

バゴォン!

そしてそれは俺に当たった途端に爆発した

「ハハハッ!どうだ!僕の強さを思い知ったか?!僕はSランクなんだ!ハハハッ!君みたいなやつが勝てっこないのさ!」
「そうだな。お前みたいなやつが俺に勝てるわけがないんだよ」
「────っ?!」

爆発で起こった煙から俺は姿を現す
なんでこんなことをしたか?
かっこいいからだよ。

「Sランクの底辺でよくそこまで威張れるな。笑えるぜ。」
「な、なんだと?!」
「ここで魔法を使うと危ないから体術で行こうか」

そして次の瞬間俺は消えた・・・

「後ろだ」

バゴォ!

俺が殴ったヤバオの顔から鳴ってはいけない音が鳴った

ドスッ

ヤバオは気絶したらしくその場に倒れ込んだ
ったくかなり手加減したのによ

「大丈夫か?」
「…う、うん…」

まだ震えている?
ああ、俺の魔力のせいか。元に戻そう

「これで大丈夫だ。安心しろ」

俺は慣れない作り笑いを見せて出来るだけ優しい口調でそう言った
俺の作り笑いの頑張りが天に伝わったのか

「うん。ありがとうっ!」

そう言ってルーニェは俺に満面の笑みを見せてくる
ま、眩しいいい!!
これだけ可愛いならヤバオの行動も理解出来なくもない
だからといってする訳でもないが、しないぞ?本当に。

「じゃあ、行くか」

そうして俺とルーニェは教室を後にした
ヤバオ?勿論放置です

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