深淵の罪人と守り人の指輪

ノベルバユーザー133926

6話 少女の正体

後ろに飛ばされた拍子にぶつけた腰を、手で押さえながら起き上がった時隣から足音を立てながらシルヴィーが近づいてきた。
「マスター!! 怒りますよ!! この大陸を崩壊させるつもりですか??」
「い、いやまさかあんな威力が出るとは思わなくて...」
目を逸らしながら答えた。
「調整してから打ってください。」
「わかった。わかった。でも俺そもそも今はじめて...」
と言葉を続けようとした時、俺は言葉を止めた。
シルヴィーがこっちに笑顔を向けているのが
【それ以上、言い訳したら怒りますよ】と言いそうな形相で顔向けていたのである
シルヴィーさん。 こ、怖いよその顔...
「すみません。俺が悪かったです。」
「全く、マスター気をつけてくださいね。」
シルヴィーからの説教を聞いた後、男たちに向き直り
「一応いまみたいな。威力出さないですけどまだやりますか?」
と脅迫まがいなことを言った、すると
「いや、ここは一旦退かせてもらうよ。」
男たちの一人が話してきた。
「ただし、そこの少女といると君は不幸になる。それだけは忘れないでいたほうがいい」
そういうと周りにいた、男たちが次々と消えていく。
「君とは、また会うかもしれない。その時はに楯突いたことを後悔するがいい。」
その言葉を言い残すと、俺の前にいた男たちは全員いなくなっていた。

俺は、初めての戦闘と激しい魔力の消費のせいで動けない状態だった。
「マスター、大丈夫ですか?」
シルヴィーは気に掛けるように話しかけてきた。
「あぁ、大丈夫だよ。心配かけて悪い。」
「悪いと思っているんでしたら、無理しないでください。」
「悪かったって、まぁそのことは置いといてあの子大丈夫かな?」
俺は怯えている少女の方に目を向けた。
「多分、大丈夫だと思われます。しかしあの少女、妙ですね。」
「何が妙なんだ?」
聞き返すと
「あの子と私が同じ存在に思えます...」
というとシルヴィーは少女の方に歩き
「あなたは何者ですか?」
「シルヴィー、この子もまだ落ち着いていないようだしもうすこし後でも...」
シルヴィーを止めるように言うと
「マスター、私はマスターを守るためにそばにいます、あんな武装集団に追われていた少女が何者かということを知る義務があります。」
真剣な顔でシルヴィーは返した。
確かにこんな少女があんな武装した、大人たちに追われているのはおかしい。
するといままで怯えていた、少女が口を開いた。
「す、すみません。助けていただいたことには感謝します。で、でも追われていた理由はお答えできないです。」
と少女が答え、少女の容姿が月に照らされ鮮明に現れた。
黒髪にボブカットくらいの髪の長さをしており、幼さの残る顔立ちに翡翠色の瞳をした少女がいた。
服装はボロボロの布切れを羽織っていた。
これは...
俺は驚いた!!
む、胸がほんとに少女かと思うくらいの大きさだったからだ。
ガン見してると、後ろの方から殺気を感じた。
「マスター? 一体どこを見てるんですか?」
シルヴィーは、またあの怖い笑みを浮かべながらこっちを見ていた。
だから、その笑顔やめてくれ。本当に怖いって

俺はボロボロの布切れを羽織っている、少女に自分が着ていた上着を羽織らせ話をしていた。
「えっと...とりあえず君の名前を教えてくれないかな? 名前もダメかな?」
そう聞くと
「クロナと言います。」
「クロナちゃんっていうのか。」
「呼び捨てで大丈夫です。あの一ついいですか?」
「自分のことは喋れないのに、質問してくるなんて何様なんだか。」
シルヴィーが皮肉そうにつぶやいていた。それにクロナが申し訳なさそうにしているので、シルヴィーに一言注意してから話を続けた。
「あ、あのあなたは、あんなに魔力を使ったのに廃人とならないんですか?」
不思議そうに答えてきたので俺は、返答に困った。
どうしよ、深淵の罪人って言われるほどなんだから『俺って魔力が底なしなんだよね』なんて言ったらバレるんじゃあないか。
と俺が悩んでいると
シルヴィーが口を開き
「それはマスターが深淵の罪人だからですよ」
......えっ
俺とクロナは二人でポカーンとし
「ちょ、ちょっとシルヴィーそれってバラしていいのか?」
俺は慌てながらシルヴィーにいうと
「別に、バラしてはいけないなんて言ってませんよ。」
俺の心配はなんだったんだとうな垂れている。
「やっと見つけた。私の主人。」
と小言でつぶやき俺の前にすごい勢いで俺の手を両手で握り
「この日を私は来るのずっと待ってました。」
クロナは、俺を押し倒す勢いで迫ってきた。
近い、近いてか胸が当たってる、当たってるよ
混乱している俺を無視してシルヴィーがクロナに聞いた。
「どういうことですか? 主人というのは?」
するとクロナは俺から離れ答えた。
「あなた方が、関係のない存在ではないので自己紹介させていただきます。私はミルタリア大陸のNo.7の魔具オーパーツクロナと申します。」
魔具? なんだそりゃ
「それで、なんでマスターが主人なんですか?」
シルヴィーが俺の代わりに聞くと、クロナは笑顔になり答えた。
「お告げが、あったのですよ。深淵の罪人と恐れられている、地味な少年と契約を結ぶと」
おい、誰だそんなお告げしたやつ。
「そして、その少年と契約するときも私が追われているときと」
クロナは少し頬を赤くしながら答えた。
「私のご主人様、私と契約してこの大陸を守ってください。」
大陸を守る? 俺がなんでだよ。
と思いながらクロナとあったことを後悔するのだった。


コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品