やがて枯れる花たちへ

こむぎ子

言霊

「二十歳の誕生日に自分は死ぬと言い聞かせたの。」
彼女は曇った夜空を見上げながら呟いた。
「祝い日に呪いをかけるなんて不誠実だな。」
僕は射さない月光に呆れながら答えた。
「嫌いになった?」
「いいや。生と愛の認識が人間の特権だよ。」

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