やがて枯れる花たちへ

こむぎ子

あぶく

その声で私を呼んで。
その手で私に触れて。
その目で私を捉えて。
その口で私と笑って。
もう、動くことも出来ないというのに。
彼女の記憶は涙のようだ。一滴一滴が海となり、やがて記憶が曖昧になる。だから彼女は求めたの。硬直しちゃったあの人に。

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