RISING
目指すは戦場”レアドキルナ”
「アンタら....」
ロードが呆気に取られている横で、リゼアとソフィアも顔を見合わせ、呆れたようにその場を去って行く。
そして、レイドが懐からあるメモを取り出し、ロードへその内容を伝える。
「しゃらくせぇ。なら儂は先に雷の街ヴォルテークへ向かう。お前は鋼の街レアメタリクスで野暮用済ませたら....雷の街、”ニューステイト地区のキッドスクエア”にある”MSシステムズ”の本社横のビル..”トップオブ・ザ・フェロー”の最上階の部屋へ来い」
レイドが要件を伝えると、ロードは終始腕組をしたまま微動だにせず、ふと息を吐く。
「オッサン....覚えられるヤツ....皆無だろッ!!アンタも途中から棒読みだったじゃ無ェかァ!!」
人差し指をビシッと突き刺し、ロードは声を荒げると、レイドが目を細める。
「ならお前にこのメモを渡す。だが儂はどうやって其処に行ったらいい?」
「真顔でボケんなッ!アンタ強いんだからそう言うのやめてくれッ!」
「冗談だ。一度行ったことがある。じゃあほらよ。必ず来いよ」
レイドにおちょくられたロードは声の出しすぎで、息を切らせていたが、差し出された紙を片手で受け取る。
「しゃらくせぇがコイツの事頼む」
レイドはディルに一声掛けると、笠を被り直し、ゆっくりと逆方向へと歩き出す。
「オッサン....必ず行くからランスに腹括って待ってろ....って伝えてくれ!」
ロードの言葉に、レイドは背を向けたままゆっくりと片手を上げる。
「フフフフ....なら私たちは鋼の街へ行くか....」
「ディル....アンタにも世話になる....頼むぜ」
「ええ、私はお前の命さえ護れれば大丈夫。必要以上には首は突っ込むことは無い....お前の覚悟と想い、ぶつけてやるんだな....」
「ああ....!」
ロードとディルという不思議なコンビが見据えるは、活火山エトナルルンガ山の先、鋼の街レアメタリクスの鉄鉱区域”レアドキルナ”。
火の街メルフレアを舞台に巻き起こったレイドとの出会い、そして13年間を過ごした故郷とも言える場所で思い返されたロードの過去。
そしてレイドを狙った死蜘蛛狂天と幻魔団との戦いの中で知ったディルの思惑。
更に団長グレイとの戦いの中で遂に芽生えた覚醒の力。
国の護り神”鳳凰”を模した”紅蓮炎鳳”の力を携え、ロードはディルと共に、”レアドキルナ”を目指して行った。
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