RISING
火山を越えた先で起こる戦
「オイ....どうした?」
ロードが三人の反応に口を噤んではおられず、問い質す。
「赤髪....お前。革命軍と反乱軍、両軍ともに関係があると見ても良いのか?」
「....は?んー....まあ戦場でそこそこ会ってるぜ?」
「フフフフ....ならばお前も驚く事だろう」
「焦らすなよ....」
ディルはゆっくりと、ロードの方へと向き直り、表情を珍しく曇らせながら告げる。
「革命軍と反乱軍。両軍幹部が列を成し、戦争が巻き起こる....」
その言葉を聞いたロードが息を呑む。
「両軍幹部が首を揃え、面を突き合わし、決着を求めるかのように陣取ったらしいな....」
「エルヴィス....ノア....お前ら....」
ロードの脳裏にエルヴィスとノア、二人の総長の顔が浮かぶ。
「アイツら親友同士だぞ....こんな戦は誰も幸せにしねェだろ....」
喉を掻っ切るかの如く悲痛の声を上げたロードは、歯を食いしばり、拳を強く固める。
「どこで....どこで戦があんだ...?」
「フフフ....これも因果と言うべきか。この活火山エトナルルンガ山を西に越えたすぐ先、鋼の街レアメタリクスの鉄鉱区域”レアドキルナ”」
「ここ越えりゃ直ぐ....」
ロードは、活火山エトナルルンガを見上げ、眉間に皺を寄せる。
「しゃらくせぇな。お前、さっさと雷の街で真実を知るのを優先すんだろ?」
レイドに傾けられた言葉にロードは俯いて、拳を更に強く固める。
「オッサン。悪ィ....先に....先に行っててくれ....」
「ロード....」
「俺は馬鹿で後先考えられねェガキだから。アイツらの覚悟は本物だとか周りから言われて納得しようとしてもよ....やっぱこんな戦に意味があるなんて思えねェ....」
その言葉を聞いていたディルが振り返り、リゼアとソフィアに向けて合図をする。
そんな事にも気付かずロードは言葉を続ける。
「直ぐ先にアイツらがいるんなら俺は行く。自分の真実より、先ずはアイツらを止めるのが絶対、先だ!」
その覚悟を持って言葉を発したロードを見て、レイドは笑みを浮かべてため息を吐く。
「しゃらくせぇな。なら行ってこい....その代わり、死ぬなよ?」
「フフフフ....殺させはしませんよ。この任務は骨が折れる。自ら死地に殴り込む馬鹿が対象ですからね....」
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