RISING
限定的な守護任務
「....は?」
ポカンとした表情を浮かべては見るものの、ディルからそれ以上の言葉は飛んで来ない。
ロードは、息を呑むと口を開く。
「ちょっと待ってくれ..想像以上に訳がわかんねぇ..」
ロードの反応にディルはニヤリと笑うのみ。
ロードは思考が纏まらないまま、再度口を開く。
「つか、アンタら、隠密傭兵の仕事は暗殺とかそういう系じゃ無ェのか?」
「フフフ..それは強ち間違ってはいないが、私達は、依頼者の望む内容を仕事としてこなす。そして、報酬が支払われるだけだが、暗殺などの闇仕事の評判だけが残り、私達の存在を知る、戦争に加担する者、裏の豪族にはその様に認識されているだけだ..」
「じゃあ、俺の守護ってのは誰から..?」
「フフフ....どんな仕事であろうと依頼者の個人情報を明かす事は無い..」
ロードは、取りつく島の無い質問に口を紡ぎ、言葉を失う。
「フフフ..だが、この守護内容は至って限定的な物、ずっと後を付けていた訳では無いのだ..」
「じゃあ、何時から..?」
「二年前ぐらいだな..フフフ...」
ロードは、その言葉にある矛盾点を見つけ、其処を突くように口を開く。
「おかしいだろそりゃ。光の街で会った時に、狙いはシェリーだったとはいえ..襲って来たじゃ無ェか..」
「だから、止めに入ったであろう..フフフ..あの形が一番骨が折れる。部下には赤髪を殺せと伝えながら、私は護りに行かなければならぬ..」
ロードは、何だか雲を衝くような真実に、未だ納得が行っていない様子を見せていると、リゼアが口を開く。
「某には解らぬ。限定的..とは何なのであるか?」
「フフフ..簡単さ..隠密傭兵死蜘蛛狂天が絡む場合のみ..この任が適用される..」
ディルの話は淡々と進んでいくものの、ロードらには未だ納得のいく内容にはなっていない。
「ディルが向かった光の街の襲撃、そしてソフィアと共に向かった氷の街の一件はまだ納得が行くが、某が向かった森の街での公使襲撃は、どうなのであるか?..間違って没す可能性もあったぞ..」
リゼアの言葉に、ディルが改めて笑みを浮かべる。
「フフフ..あの日の私は非番..後を付けていたのは気がつかなかったか..?」
リゼアは、その言葉に口を閉じる。
これ以上の詮索は無用、そしてその必要も無いと判断したのだろう。
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