RISING
蝶の様に舞い蜂の様に刺す
二人は武器を構えると、それぞれがギフトを開放していく。
エマは青柳色の雷を纏い、ライアは向日葵色の風を纏って口を開く。
「雷轟覚醒”雷瞬蜂針”ォ!!」
「奏嵐覚醒”舞踊蝶羽”」
両者が覚醒を起こし、武器を構えるとレイドが首を鳴らす。
そして、笠を取り。岩場へと放り投げると手を掛けていた柄を握り、一気に抜刀する。
「しゃらくせぇな。ちょっと退ってろ、ロード」
「でも、相手は二人いて..」
「しゃらくせぇ。少し指南してやる。見ておけ」
レイドの視線はロード側に向くことは無かったが、その剣幕の鋭さに言葉を失ったロードは、岩場を移動し、距離を取る。
「いくら其方と言えど、二対一で妾達と戦るのは愚策でおじゃるよ」
「いや..あの覇気..締めて掛からんと..」
エマの言葉でそれを改めて実感したライアは息を呑む。
そして、開戦とばかりにエマから地面を蹴って青柳色の雷を纏った鎗でレイドを正面から狙う。
レイドは一歩下がって、その攻撃を刀を使って受け流すと、空中へ舞い上がったライアを一瞥し、その鉄扇から放たれた向日葵色の竜巻を黝色の氷で凍結する。
「こっちからも行くぞ」
レイドは、その氷を足場に空中のライアに向けて駆けて行き、脇に構えた刀を薙ぎ払い、攻撃する。
「何や。ウチがまだ自由やで?」
鎗から放たれた奔る電撃が氷を伝ってレイドを襲うが、黝色の氷の盾を張って防ごうとしたレイドを見てエマがニヤリと笑う。
「何や。迅雷の特性忘れたんか?特性は貫通、そんな氷の盾意味あらへんわ」
電撃が、氷の盾を貫き、レイド側にまで奔る雷が襲う。
しかし、レイドの狙いは其処では無かった。
崩れ落ちて行く、氷の盾の向こうにあった光景は、身体が凍てつき、エマの雷から逃げ遅れたライアの姿だった。
雷の攻撃を肩口に受けたライアは傷口から血を流している。
「何やと..?」
「お前ら、あんまり仲良さそうに見えなかったからな。敢えて直線状に走って此れを狙わせて貰った」
動揺を隠せない、エマの背後に移動を澄ましていた、レイドの手刀がエマの首元に迫るが、身体を捻り、それを弾くが、刀の柄が懐にヒットする。
「..ぐっ..」
「済まんな。お嬢ちゃん達に怪我を負わすのは心許無いんだ。しゃらくせぇがよ」
レイドは、膝を着いて崩れ落ちたエマを一瞥すると、空中の氷が完全に砕け、ライアが自由になったのを視認していた。
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