RISING

鳳 鷹弥

絶技同士の激突


「誘導..ですか..」


リゼアの斧を鞭を伸ばし、大蛇の身体をも盾に使い、防御しようとするが、大地のギフトの特性、重力の力は凄まじく、そのまま大木の幹へと弾き飛ばされてしまう。


「..ぐあっ..」


幹は完全に折れ、リゼア側へと倒れ込むがその大木をリゼアは投げ飛ばした斧を拾い上げ真っ二つにする。

スネイクはお腹側から、砂利道へと落下し、身体を打ち付ける。



「詰まらぬ戦いとは言わぬ。だが終わりにしよう..スネイク」


リゼアは、斧を地面に向けて拡げ、突進の構えを取る。



「いやはや..これは..」



スネイクは痛む身体を必死に起こし、渓森のギフトを全開にして、樹木の盾を何重にも重ね、防御態勢を取る。

樹木のギフトの特性、増殖の力を生かした最大級の防御技だった。



「震脈絶技”竜震衝突角りゅうしん しょうとつかく”!!」



リゼアは地震を起こすが如く、勢いよく飛び出し、黄蘗色のオーラと共に、太古の恐竜、トリケラトプスの姿を引き起こし、その一撃がスネイクの盾を完全に消し飛ばし、爆発を起こす。


「ぐっ...くそおおお...!!」


呻き声を上げて爆風の中に消えたスネイクは、何とか鞭で爆風を掻き分けて、よろめきながら現れる。

だが、身体には無数の傷を負い、流血も引き起こしていた。



「某の一撃を受けて、致命傷を避けるとは。称賛に値するのである。スネイク・ドラーアッシュ」


「いやはや..舐められた物ですね....ですが、此処までされては、私もお見せしなければ失礼でしょうね..」


朽葉色のオーラを纏い、スネイクが蛇と鞭を上空へ這わせる様に動かす。



「渓森絶技”双蛇朽・毒牙そうじゃきゅう・どくきば”!!」



振り上げた、鞭が蛇の身体を模して変形し、双頭の大蛇が毒の鱗粉を撒き散らしながら、牙を光らせ、リゼア目掛けて突進する。

リゼアは砂塵を巻き起こし、毒の鱗粉は消し飛ばすが、双蛇は勢いを止めない。

ありったけの重力を掛けて、双蛇を堕とそうと試みるも、歯が立たず、圧倒的な勢いのまま、リゼアは直撃を食らってしまう。


「ぐ..うおおおおっ!!」


「いやはや終わりですよ..」


鮮血を散らしたリゼアは、そのダメージに覚醒が解け、前方に倒れ伏す。

そして、一撃を食らい、疲弊した上での絶技に身体が耐えられず、スネイクも覚醒が解けてしまう。


「いやはや..少し眠るのも..必要ですか..」


リゼアと同じく、スネイクも膝から崩れ落ち、その場へ伏して行った。







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