RISING
生存の吉報
「恐らくお前の頭の中にある名前と儂の名前は、しゃらくせぇが同一人物の物だろう」
ロードは、会話の中でのみ聞いていた名前を思い出す。
政府が秘密裏に行方を追っている三人の男の名前、ランス・ガスタ・レイド、その三人目の男が目の前に居ることに驚く。
「オッサンも、ランスやガスタと同じ理由で追われてるのか....?」
「まあな」
「頼む..ランスは何故追われてるのか..教えてくれ」
ロードは痛む身体を捩じり、身体ごとレイドに向けて訊く。
「それは、儂の口から答えられる質問では無い。気になるのならランスに訊くんだな」
「...教えてくれなかったから..こうやって聞いてるんじゃねェか....」
地面に拳を着いて、吐き出すように言葉を振り絞る、ロードの姿を見て、レイドは口を開く。
「しゃらくせぇ奴だ。それなら寝て身体を休めろ」
「いや..俺は..どれくらい寝てたかもわかんねェ。早く時の街に戻って..アイツらと合流しねェと..」
何とか身体を起こそうとしながら放ったロードの言葉は、何か続くはずだったレイドの言葉を遮って発せられた。
「本当にしゃらくせぇ奴だ。お前の言うアイツらとは、シェリーとレザノフの事だろう?」
ロードはそれを聞いて、痛みに耐えながら起こそうとしていた身体を止める。
「何で..そんなのまで..知ってんだ?」
「元々、儂らの協力者がお前ら三人を時の街で拾う筈だった。..が、そこにはお前の姿は無く、それを必死で探す、残り二人の姿だったそうだ」
「無事..なのか..?」
不安そうな表情で、訊ねるロードの言葉に、レイドは頷く。
「..ああ。運よくお前を儂が拾ったと連絡したら、二人も安心して儂らの協力者と行動を共にしてくれたそうだ」
「その協力者ってのは..ガスタの言ってた”あの方”を守るためのって協力者と同じなのか..?」
「ああ、そうだ」
「”あの方”って..?」
当然の様に、ぶつけられた質問にレイドは目を背ける。
「それも纏めてランスから話す。その為にお前らを時の街へ迎えに行ったんだ。雷の街へ、連れて来させる為にな」
レイドは、はぐらかしたものの、ロード自身が何となく”あの方”に察しが付いている事を察して、沈黙を浮かべる。
「じゃあ、オッサン達と一緒に雷の街へ、行けば取りあえず、ランスと会えるんだな..?」
その言葉に、レイドはゆっくりと沈黙を破る。
「ああ..だから今は寝ろ。身体を休めて、明朝動き出す」
その言葉に頷いたロードは、横になる。
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