RISING
想いを繋げる赤いリボン
氷の街での戦闘から一夜、月が落ち、陽が昇り、この街のシンボルとも言える、氷と雪が日差しを浴び、青と白の幻想的な光を映し出す。
ロードは一人、昨夜、反乱軍参謀アドリーと約束した公園へ向かっていた。
そしてアドリーの指先に見えていた大木を前に右手に握っていた赤いリボンを更に握りしめる。
ゆっくりと大木に近づくと、幹を足場に飛び上がり、太い枝の先にリボンを巻き付ける。
風になど飛ばされぬよう、雪になど負けぬよう、しっかりと強く結ぶ。
枝を蹴り、地面へと着地すると、その赤いリボンを見上げ、冷たき風に吹かれ想う。
同じ”人”だろ..
弱い俺の言葉だってウィルフィンに届いた....
シェリーの強い想いならもっと、届く....
森の街で聞いた....孤児院時代の過去....
思い出したバルモアの人間への恨み....
エルヴィスはどんな”痛み”を抱えんてんのか
解らないけどよ....
お互い同じ方向向いて無くても..
お互い、本気なら、それだけは通じるはずだ。
視線を落とし、踵を返すと、ロードはその公園を後にする。
シェリーと二人、目指した氷の街ケベルアイス。
ランスと共に秘密裏に指名手配されていたガスタ・レイノルズとの接触を望み、辿り着いたこの街で出会ったガスタの反応は意外なもの。
15年前、ロードが5歳頃に一度は、会っている。
そして、そこはランスが表舞台を去り、当時5歳だったロードの元へ、来た時期と重なる。
二人は、”ある方”を守るために秘密裏に組織を結成。
”ある方”の存在はまだロードには知らされる事が無かった。
死蜘蛛狂天の幹部ディルの謎、そしてランス、ガスタの幻魔団幹部との繋がりは新たな渦を巻いて、深く突き刺さる。
そして、反乱軍の新たな意思。
それを実現させるためのバルモア王家ノスタルジア家の次期王女との会談を提案し、姫君はそれを呑んだ。
ロードらは、ケベルアイスのバナキャピーク駅から時の街へと向かう。
反乱軍総長エルヴィス・ハワード、そして副長ウィルフィン・フィンドールという大幹部が待つ、時の街でバルモアの次期王女、そして護国師団を名乗る軍の総長の強き二人の想いは交わるのか。
列車に揺られ、雪を避けるトンネルを潜り、地下鉄路線へと車輪を乗せた列車は到達する。
時の街 ジュードオークス 地下鉄駅
ノスト・ビル・ゲート駅へとー。
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