RISING
護衛隊長との合流
アドリーと別れたロードは、アドリーの情報を元に、護衛隊長レザノフ・スタールマンとの合流の為、フォスコール地区を歩いて行く。
そして、歩くこと数分、目当ての人物を発見すると手を挙げる。
「おーい!レザノフさん!」
その声に振り返ったレザノフは笑みと安堵の表情を浮かべて、ロードへと近づく。
「ロード様。良かった、ご無事でしたか」
「ああ、革命軍のヤツがシェリーの事も匿ってくれてる。行こうぜ」
その知らせもあってか、レザノフは安堵の表情を重ねる。
そして、二人は、今朝食事をした店の地下へと向かうため、足並みを揃える。
「怪我は大丈夫すか?」
「ええ。まだ包帯は取れてませんが。動けますよ。そちらは目的は達成出来ましたか?」
「ああ...それが....」
ロードは、ガスタの事、そして幻魔団や死蜘蛛狂天の事、そして、先ほど、伝えられたアドリーからの提案をゆっくりとレザノフに事をなぞるように伝えて行く。
「...そうですか。ガスタ殿は君の事を知り、そして幻魔団や死蜘蛛狂天とも何らかの繋がりがある様だった、と」
レザノフは聞き入った話を反復する様に、言葉にする。
「それに、反乱軍の総長からの誘い。命は獲らぬと言われても私には不安ですね....」
レザノフは正直な気持ちを吐露すると、ロードが口を開く。
「だから俺は、シェリーに決めて貰おうと思うんだ。シェリーが行かないっつーなら、それはそれだし。行くっつーなら、変わらず護る為に俺も行く。こんなんじゃ人任せ過ぎるかな?」
ロードの笑みを見て、レザノフも決心を固める。
「そうですね。遅かれ早かれその、対面は必要でした。ならば私も、姫様の判断に全神経を注ぎましょう。それが我がスタールマン家の命題でもありますから」
レザノフも笑みを浮かべると、ロードもホッとした表情を笑顔に織り重ねる。
「シェリーは幸せ者だな。こんな心強くて誠実な執事兼護衛隊長が付いてるなんてよ」
ロードが笑い飛ばしていると、レザノフは心の中で呟く。
こちら側の台詞ですよ。それは
君と出会って、姫様は姫様としてでなく
シェリー・ノスタルジアという一人の女性として
笑えるようになった。
昔からそうではありません。
それは君のおかげですよ。ロード様。
そして、二人は目的地へと到着し、入り口の前で一度、足を止めた。
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