RISING
反乱軍参謀の提案
そして、一呼吸を置いたアドリーは一つの提案の為にロードに尋ねる。
「そう言えば、ガスタはこの街でまた行方をくらませたみたいだけど。貴方はこの後、どうするの?」
「え?マジかよ...。まだ何も聞いて無ェのに。...まあまた探せばいいか。つーわけで取りあえずシェリー達と合流して。その後は...わからん」
「姫様の居場所は私たち、知ってるわよ」
アドリーの言葉にロードが食いつく。
「マジか!でも、何で?」
ロードの疑問にため息をつきながらアドリーが答える。
「はあ....革命軍のシルヴァが付いているでしょう?だから密偵から連絡を受けたの。まあ、多分細心の注意を払ってるから、アジトとかには使われてない場所ね」
「そっかそっか....。取りあえずホッとしたぜ。...で、そこどこ?」
あっけらかんとした表情で質問してくるロードに、笑みを溢しながらアドリーが口を開く。
「多分、貴方たちが一度、出入りした飲食店の地下よ。密偵からの情報だから違う店かもしれないけど...。はあ...で、本題は此処から」
アドリーの本題という言葉に不思議な表情を見せたロードはアドリーを見つめる。
「貴方と姫様で明日の夕方に時の街に来てくれない?この地区から列車は出てるから。明日の朝に出てくれれば間に合うわ」
「...え?何で?」
「明日、時の街にエルヴィス、ウィルフィンが来るの。明後日の要件の為に一日だけ滞在するわ。勿論、命を狙っていた事は消えるもので無いから。信用してくれるならだけど」
「アイツに関しちゃ、信用できる。でも何で俺らを?」
アドリーは少し息を吐くと、続ける。
「エルヴィスは姫様と腹を割って話したがってる。向こうの意見と自分たちの意見をぶつけて、武力でなく話し合いで解決する道を探ってるの。だから....」
「シェリーが行くっていうなら、俺はついてく。でも、これは俺一人の判断じゃ出来ない。アイツの問題だと思うから」
アドリーは、何故だかロードのシェリーへの真っすぐな思いを悟ったかのように、ロードの目から何かを感じ取っていた。
「そしたら、聞いてみて。悪いけど、別件の時間は変更できないから。行くようなら明日の朝に、そこの大木に此れを巻いておいて。それが確認出来たら私から連絡入れておくわ。..それと、さっき姫様の護衛隊長さん着いたみたいよ?...はあ....それじゃあね..ロード..」
ロードは、アドリーから赤いリボンを受け取ると、それを握りしめ、アドリーの背中を見送った。
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