RISING

鳳 鷹弥

氷の街に集う手練れ






一方、フォスコール地区へと踏み入れたロードとシェリーは、細い円柱の形をした柱がヴェールの様に、形作られたハドナグリム教会への前へと辿りついていた。


中心の高くに設置されていた時計の針が時を刻むのに、奥に聳える一帯の銀世界の景色を含め、目を奪われていた二人の背後に、フード付きのマントを羽織った男が立っていた。


「お待ちしていた....」


突如、声を掛けたその男に二人は驚き、振り返る。


「う...うおおお..うぷっ!」


「き...きゃああ...うっ!」


驚きの余り、大声を挙げそうになった二人の口を咄嗟に塞ぐと、その男は、淡々と話す。


「ノア様から....聞いている。こちらだ....」


その男は、口を塞いでいた手を放すと、踵を返し、足音すら立てず、ゆるりととある飲食店の一室へと入っていく。

何やら入口で店員と話したマントの男と2人は奥の個室へと案内されていった。

木目調の一室のテーブルの前に置かれたこちらも木製の椅子へと腰掛ける。

そして、フードを取り、二人に顔を明かすと、声を挙げる。


「挨拶遅れ申した。革命軍七星剣が一振り。シルヴァと申すもの。以後、お見知りおきを」



独立師団革命軍
シルヴァ・ホーリーセンス
26歳 176cm  55kg

髪色は銀と黒が折り重なったツートンカラーで、長髪を後ろでサイドアップに纏めている。前髪は降りていて、左目側に流している。

紺色の布を口と首が掛かるように巻き、同色の上衣に、袴を身に着け足元は、足袋に草鞋を履いていて、手には手甲を填め、その上から革命軍の羽織を着用している。

眼は、銀色と黒のオッドアイズで腰にはポーチを携え、忍びを思わせる出で立ちをしている。



「ノア様からの命により、私がこの街でのお二人の動向を御支援致す」



静かに、そして淡々と声を挙げたシルヴァに向けて、シェリーがお辞儀をする。


「はい、シルヴァ様。宜しくお願い致します!」


「お、よろしくな。シルヴァ」


シェリーにつられるように声を発したロードとシェリーに目を向けながらシルヴァは更に言葉を続ける。


「お二人のこの街での要件は、ノア様から伺っています。ガスタとの接触。しかし、接触を図っている組織は、お二人が把握されている幻魔団のみに留まらず....反乱軍に、あの隠密傭兵、死蜘蛛狂天までもがこの街で確認されています」

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品