RISING

鳳 鷹弥

荒鷲 vs 酒呑

一方、廃墟手前で戦うガルダとオーズ戦は、両者ギフトを解放する展開となっていた。

ガルダは黄色の風を纏い、オーズは枯葉色の土を巻き上げ応戦していた。

ガルダは、二本の鉄パイプを振り回し、オーズを襲うが、オーズは酔拳の様に身体を捻らせ器用に避けて行く。


「あァ!?真面目にやれコラァ!!」


「真面目にやってるよォ…君こそどうだい?ヒック…当たってないよォ…?」


「舐めんじゃねぇよッ!俺様は“荒鷲あわらし”テメェなんざイチコロよッ!本気マジで!」


「荒鷲なんて…ヒック…カッコいいねぇ…あっしは“酒呑しゅてん”…酒豪のあっしには、お似合いだろォ?」


積極的に攻撃に行く、ガルダを嘲笑うかの様にオーズはその攻撃をヒラリヒラリと紙のように躱す。


「オラァ…遊びは終わりだァ。疾風のギフト、本気マジ覚醒!!奏嵐のギフト!“闘魂兵鷲バトルイーグル”飛ばして行くぜェ!!」


2本の翼に、鉤爪のように筋肉が増加した腕で爪が大幅に伸びる。

腕と身体、顔に血管が浮かび上がったような赤のタトゥーが追加されている。


「怖いねェ…ヒック…そうら…」


オーズは驚く事もなく、メイスから大地のギフトを飛ばし、ガルダの羽に砂を埋め込み、重さを追加して行く。


「ぅおっ……な…舐めんじゃねェ!!」


重さの追加された羽を力業ではためかせ、一気にオーズに突進して行く。


「おおっ…ヒック…筋肉バカとはやりたくないねぇ…」


オーズは砂塵を巻き上げ、ガルダの視界を塞ぐと、ガルダは翼で突風を巻き起こし、砂塵を消失させる。

だが、そこにオーズの姿は無かった。


「どこ行きやがったァ!真面目に戦えコラァ!!」


ガルダとは、遠く離れた場所にオーズの姿を発見したガルダはまた一気に翼をはためかせて突進する。


「あっしは今回、戦う理由は…ヒック…無いんでねェ…中も相当…激戦になってるみたいだし…こちらに無駄な面倒が…振りかかってくる前に…退かせてもらうよォ…」


またもメイスを振り回し、さっきよりも大きい砂塵を巻き起こしたオーズは、その砂塵の中に姿を消す。

それを追うようにガルダが、砂煙を翼の動きで振り払う。


「チッ…逃げやがったあの野郎ォ!」


ガルダは、オーズの姿を完全に見失うと、覚醒を納め、砂漠の砂を蹴り上げその場に座り込んだ。

そして、廃墟から響く大きな戦闘音に気づきそちらに目を向ける。

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