RISING

鳳 鷹弥

反乱軍七武衆 ガルダ・ステンローザ

「お?なんだあの野郎?俺様について来てやがる…上等。俺様と峠を攻めようってのかァ!?」


何故だか燃えあがるガルダの走魂が、更にガルダを加速させて行く。

もう既にロード以外は、見えなくなっていた。

砂塵を巻き上げるガルダに対して、ロードが声を張り上げる。


「峠ってお前…普通に走って攻める奴がどこにいんだよッ!?」


「あァ!?…それもそうだ。んだよ俺様ハクくねぇじゃねぇか」


全速力から一歩で完全に両足を揃えて停止したガルダ。


「…ぅおっ…だぁぁぁ…っぷっ…」


そのガルダを勢い良く通り越してしまったロードは思い切り砂漠に顔面から突っ込んでしまう。

砂煙を上げて、顔面を振り砂を落とすと立ち上がりガルダに向けて指を指して口を開く。


「テメェ…急に止まんな!コントみたいになってんだろうがッ!」


「あァ?なに俺様にメンチ切ってんだァ?やんのか?テメェこらッ!」


2人は顔面を突き合わせてお互いに睨み付ける。

数秒間の睨み付けの後、ロードが息切れを起こして砂漠に座り込む。


「ハァハァ…てかお前…部下全員置いて来ちまったけどいいのか?」


「ハァ!?……マジだ」


勢いよくメンチを切って来たガルダだったが振り返ってみると誰もいない荒野に仰天した。


「気合いがたんねぇな。アイツら…。まあ俺様が仏恥義理ぶっちぎり過ぎてハクいって事ってかァ?」


驚いたのも束の間、何故か頭をポリポリ掻いて、満面の笑みを浮かべていたガルダを見て、ロードが苦笑いする。


ホントにコイツ…


疲れる…


ロードは、とりあえず進み出したガルダに付いて行くと、今回の目的地、南西の廃墟が見えて来た。


「見えて来たァ!ポリ公に見つかんねぇ内に、任務達成、俺様ハクくてマブい証明大作戦行くぜェ!」


見つかんねぇ内にって…


ならそんな大声張り上げんなよ…


隠密に行動しようとは思ってるみてぇだが…


行動と言葉がグチャグチャだ…


ロードは呆れ果てて、肩を落としていたがエルヴィスの言葉をふと思い出す。


「そういや、アンタの言ってるポリ公って帝国軍だろ?手ェ出せねぇみたいなこと言ってたけど…大物を追ってる奴等って何者なんだよ?」


「あァ?そんなバリむずいこと俺様がわかるかァ!」


完全にガルダとの会話は、無理だと悟ったロードは更に深く肩を落とした。

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