RISING

鳳 鷹弥

反乱軍七武衆 アドラス・ホーキンス

「ほんならお先にエンジン掛けさせて貰うで?ウォッカ…」

アドラスは、ギフトを解放し斧を振り上げる。

アドラスは大地のギフトで、斧の重さを操り、ウォッカへと、攻めかかる。

ウォッカは鎖で斧を防ぐも重力の力で、押し込まれる。


「うぉ…おお…」


「温存しとるとあっちゅう間にあの世やぞ…!」


ニヤリと笑ったアドラスの言葉にウォッカも、ニヤリと笑うとギフトを解放する。

鎖鉄球を軸に、紫色の炎が噴出し、アドラスの斧を押し返す。

ウォッカは業火のギフトで、奇しくもロードvsギルド戦と同じギフトのぶつかり合いとなった。


「ふん…!」


押し返されたアドラスだったが、右足にギフトを込めて反撃の勢いを断ち、斧を真横に薙ぎ払う。

勢いに負けた鉄製の床にヒビが大きく入る。

鎖鉄球でそれをガードすると、紫炎を纏った鎖鉄球が炎の勢いで回転し、斧を押し返す。


「ロックゥゥゥ!!」


鎖を軸に、鎖鉄球を片手で旋回させたウォッカは、雄叫びと共に、アドラス目掛けて放つ。

アドラスは両足にギフトを込め、防御態勢を取ると斧の側面で鎖鉄球を受け止めた。


「ふぐっ…おお…」


勢いは直ぐには収まらず、ウォッカは両足をついたまま、後ろへと地面を滑るように下がっていく。

壁ギリギリで止まると、鎖鉄球を腕で掴むと、地面に投げ捨て其れをギフトを込めた右足で踏み込んで抑え、鎖を引っ張りウォッカを此方へ呼び込む。


「潰したる…こっち来いやァ…!」


「甘いぞォ…アドラスゥ…」


ウォッカは鎖へと紫炎を流し込み、それがアドラスの元へと到着すると、アドラスは手に熱さを覚え、鎖を離してしまう。


「ぶ熱っちィ…テメェこのォ…」


仰け反ったアドラスの隙をついて、膝をついて着地すると、鎖を引き鎖鉄球を回収する。


「流石ロックな男だぜェ…衰え知らずの喧嘩魂…“猛牛もうぎゅう”呼ばれた元裏社会の強者だけはあるぜ…」


「ロックロック五月蝿いやっちゃ…意味がわからんと何度言ったら解るんじゃお主は…」


「まあそう言うなよォ…俺とお前は同じ穴のムジナ…南方を制したアドラスの牛鬼組と北方を制した俺の犀騒一家で良く面を合わせた仲じゃねぇか…」


2人は、お互いの組織加入前は極道としてプレジアの裏社会で死闘を繰り広げ、その最中で知り合った。

お互いに何かが合った訳ではないが其れを遥かに超越した物が20年の付き合いの中で2人には芽生えていた。



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