RISING

鳳 鷹弥

反乱軍七武衆 ギルド・ラーケイド

「背中の物って…この刀の事か?」


訝しげにロードは、その男に目を向ける。


「ああ。それは最上大業物七振りの内の一振り。鳳炎だろう?」


「まあな…俺の相棒さ」


それが目当ての物だと確信したと同時に、その男はまた不敵な笑みを浮かべる。


「そいつは置いてってくれ。ツイてる俺が貰ってやるよ」


「いきなり何だってんだ…反乱軍として俺に喧嘩売ってる訳じゃないらしい…」


「俺は確かに、護国師団反乱軍七武衆の一人…最もツイてる男、ギルド・ラーケイドだが、何故その俺が反乱軍としてお前なんぞに喧嘩を売らにゃあならんのだ?」


護国師団反乱軍 七武衆
ギルド・ラーケイド
46歳 196cm 95kg

反乱軍の軍服の上に桃色と黄色が混在した派手な桜吹雪の羽織を肩に羽織っている。

黒い長髪をオールバックに上げており、額の右目側に大きな十字傷、左眼には左頬に掛けて垂直に刀傷がある。

浅黒い肌で軍服を大きく開けた首元、胸元にも無数の傷があり、がっしりとした体格をしている。


コイツ…


俺が何者かも知らねぇで


ただ、この刀目当てで喧嘩売ってきたのか…


刀狩りってか?コノヤロウ…



「悪いが、これはやれねぇよ。あんたもそこに良い太刀持ってんじゃねぇか」


ギルドが腰掛けていた岩に置かれた太刀を見つめながら口を開く。


「まあな。これは大業物二十一工の一振り。太爻昼魏たいこうちゅうぎだが、お前の其れには負ける」


「やっぱり刀狩りかよ。アンタ…」


「その言い方は棘があるぞ?コレクターだ、俺は」


「言い方柔らかくしてるだけだろ。それは…」


問答の最中、ギルドは不敵な笑みのまま太刀に手を伸ばし鞘から刃を引き抜く。


ロードも、背中の鞘から同じように抜刀する。


「やっぱり最上大業物は、刀身の煌びやかさが違うな。最高にツイてるぜェ…!」


ギルドが叫びと共に、地面を蹴りロードに向かって走り込み、太刀を中段に構える。


あの長身…


あのリーチ…


もう奴の射程圏内か…


ロードは、身を低く屈ませギルドの懐に入り込む。


「疾ェな…」


ギルドは中段に構えていた刀を脇に仕舞うようにしてガードの体勢を取る。


それを御構い無しにロードが下段から刀を振り上げると、ギルドの太刀とぶつかり高い金属音を奏でる。


ロードは、逆方向に地面を蹴ってギルドとの距離を取る。


「アイツは、斧だったけどよ。長身でリーチの長い武器との戦いはこないだしたばっかりさ。アンタの同僚とな」


ロードは始まりの街で交戦した、アドラスを思い出していた。

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