RISING

鳳 鷹弥

革命家のもう1つの意思

ノアが語る通り、革命軍の中心メンバーの大半は、第12代ケーニッヒ国王時代に締結された鎖国法案によって安寧の運命を捻じ曲げられた者達。


そして、ノア本人が革命の思想は今は亡き両親の想いを継いだと話していることから、ノアもその1人なのだろう。


「鎖国によって運命を捻じ曲げられた…?」


「ああ…こんな筈では無かった。だが、その運命を座して呪うくらいならば戦う道を選んだという事だ」


「だとしたら…俺もまあアンタの言う運命を捻じ曲げられた・・・・・・・・・・者の1人なのかもな」


ロードの言葉にノアが沈黙し、視線を感じると、ロードはしまったとあたふたして話し出す。


「いやいや…まあ気にしないでくれ。今のは無しだ…」


不思議そうに視線を送っていたノアは、軽く笑みを浮かべ、ノアは話し出す。


「話したくないのなら話さなくていい。誰しもそんな過去はある。だが、もう君がそうだとしても君は革命に拘ってはいないようだ」


「拘るか…。わからないんだ。正直俺には」


俯きながらロードは、ノアに打ち明ける。


「反乱軍の副長…ウィルフィンに言われた…」


『知らぬからだ』


『知らぬ者が、簡単に等と、言葉を紡ぎ正義を語って満足か?お前の言葉を借りれば、知らぬ者が我等を人殺し集団などと語る資格は無い…』


「成る程な。シェリー様から聞いたよ。お前が今、3つの組織のトップと話をする為に旅をしていると」


「ああ、だからノア、アンタに会えると聞いて此処に来た。俺も座って待ちたくなんてねぇんだ。自分の運命が何処に向かっていようとな…」


ノアは、笑みを浮かべロードの言葉をしっかりと受け止めていた。


「ならば此れだけは伝えて置こう。革命軍としてでは無く、俺個人の意思として…引くに引けなくなった。俺にとって人生で唯一人、親友・・と呼ぶべき男を救い、そして決着をつける為に俺は戦っている」


ノアの視線が遠くを見据えるように語り出したノアの言葉にロードが聞き入る。


「その親友が、率いる組織は俺達とは真逆。異国の者によって人生を捻じ曲げられた者の集まりだ」


「もしかしてそれって…?」


「ああ…護国師団反乱軍さ…」


ロードは呆気に取られる。

ノアの言葉通りならその親友は反乱軍にいると言う事だからだ。


「その親友って…?」


「護国師団反乱軍総長…エルヴィス・ハワードだ」



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