RISING

鳳 鷹弥

帝国軍少将 ニッキー・ドーマン

「たくっ…なんでこんなことに…」


ぶつくさ文句を言いながら裏町を走り去っていくロードに、近づく影が1つ。

その男は、ロードに接近すると、近くにあった桐箱を踏み台に壁を蹴り上げ、跳躍すると、ロードの目の前に着地する。


「なっ…」


ロードはその男を視界に入れると、足裏に力を込め、地面を滑る様に、急停止する。


「その軍服…お前は…」


「拙者、国王直下帝国軍少将ニッキー・ドーマンと申す者。貴公にいくつか聞きたいことがあって参った」


国王直下帝国軍 少将
ニッキー・ドーマン

31歳 182cm 75kg


軍服のボタンを上まで留め、その下には白のワイシャツに、黒いネクタイ。

腰には刀身の長い長刀を携えており、右目から頬に掛けて黒い直線のペイントが施されている。

短髪の黒髪を、迷彩のバンダナでオールバックに挙げている。


「帝国軍少将…U・Jと同じか…」


「ブラッド少将の事を知っているようだな」


「つい昨日会ったばかりだ。俺は始まりの街からここに来たばっかりなんでな」


「成る程、だから昨晩は例の辻斬りが事件を起こさなかった訳か。外見的特徴も一致する。やはり貴公が赤髪の辻斬り事件の真犯人であるわけだ」


ドーマンはゆっくりとロードに近づきながらそうゆるりと語っていく。


「違うっつーの!俺は昨日まで始まりの街にいたんだ!出来るわけがねぇ…」


「その話は、本部でゆるりと聞こう。抵抗はするな。罪を重ねるだけだ」


ドーマンは右手を差し出し、ロードに手を伸ばそうとすると、ロードは唇を噛み、地面を蹴る。


ドーマンの上を跳躍で越えようとすると、伸ばした手を戻し腰の長刀を抜刀する。


「そうはいかぬ…!」


「チッ…」


勢いよく、伸びてくる長刀を弾くように、ロードも背中の刀を抜刀し、応戦する。


軽く体制を崩すも、何とか着地し、ドーマンを背に勢い良く走り出す。


「テメェと戦う理由はねぇんだよ…」


「成る程、拙者も貴公とやり合う理由はない。捕縛させて頂ければな。だがそうは問屋が卸さないのであれば、戦うも已むなし」


ドーマンは、そう呟くとロードは一気に追っていく。

事態はチェイスバトルの様な展開になっていく。


長刀をフェンシングの様に突きで、攻撃してくるドーマンの剣劇を、背中に構えた刀で弾く様に、防御しながら逃げて行く。


だが、ドーマンはピッタリと離れず、ロードを追ってくる。


「チッ…ラチがあかねぇな…」

コメント

  • 鳳 鷹弥

    ありがとうございます。
    神作だなんて…恐れ多い。
    少しでもそうなれる様に頑張ります。

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  • 姉川京

    凄い読みやすい……

    もう神作決定じゃん

    1
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