夢と愛をくっつけて
自分
 真っ暗な画面に写ったのは霊媒師…ではなく、平和すぎる人生を送ってきた憐れな俺の姿だ。
 小、中、そして今、親も親戚も特別意地悪なわけではなく、特別優しいわけでもない、友達は多すぎず、少なすぎずで、平凡に生きていたはずだ。
 凡人、自分は普通で平凡な、なんの面白みもない人間なはずだった。
…ではなぜ、平凡な自分を憐れだと思うのか…。
目線をスっと仏壇の方へ向ける。
(やっぱり…俺だよな…)
仏壇には俺の大好物の紅芋タルト、ニンテンドーの最新ゲーム機、そして…
俺の笑っている写真がある。
感覚はないわけではない。
嗅覚、味覚、視力、人間が持っている基礎的な能力は失っていないはずだ。
喋る事も出来るし、テレビには自分の顔も写っている。
オマケに先程のようにリモコンなどに触れる事だって可能だ。
これで自分が幽霊だなんて思いたくはないし、ソファーから起きたらこうなっていたのだから、まだ自分は夢を見ていて、目が覚めていないだけとしか思えない。
「はぁ…」
小さなため息をついて、なるべく仏壇の方を見ないように、興味もない雑誌を手にとって読み始めた。
 小、中、そして今、親も親戚も特別意地悪なわけではなく、特別優しいわけでもない、友達は多すぎず、少なすぎずで、平凡に生きていたはずだ。
 凡人、自分は普通で平凡な、なんの面白みもない人間なはずだった。
…ではなぜ、平凡な自分を憐れだと思うのか…。
目線をスっと仏壇の方へ向ける。
(やっぱり…俺だよな…)
仏壇には俺の大好物の紅芋タルト、ニンテンドーの最新ゲーム機、そして…
俺の笑っている写真がある。
感覚はないわけではない。
嗅覚、味覚、視力、人間が持っている基礎的な能力は失っていないはずだ。
喋る事も出来るし、テレビには自分の顔も写っている。
オマケに先程のようにリモコンなどに触れる事だって可能だ。
これで自分が幽霊だなんて思いたくはないし、ソファーから起きたらこうなっていたのだから、まだ自分は夢を見ていて、目が覚めていないだけとしか思えない。
「はぁ…」
小さなため息をついて、なるべく仏壇の方を見ないように、興味もない雑誌を手にとって読み始めた。
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