逆境の生産職。
1話 少年
私立黒鳥学校
その学校へ向けて走る人物が一人
「これ、まにあう、か?」
息がきれ、フラフラとなり始めているこの人物の名は
黒木 葉切
本人は普通だと思っているようだが、かなり珍しい名前だ。
その黒木は今、8時起床という大寝坊をしてしまいご覧のような状況となっている
そのまま学校へと駆け込み、自分のクラスである1-3に入る、しかし
「入学早々遅刻とはいい度胸だな、黒木」
と黒木の担任である本池 和之から声をかけられる
そう、この言葉の通り黒木はここ、私立黒鳥高等学校の新入生である。
今日は入学3日目であり、こんな日に遅刻をしたら叱られて当然である(遅刻の時点で当然だが)
しばらく本池の説教を聞いた後
もう始まっていた授業を再開した。
今日は遅刻をしたももの、また、今までのような生活が続く
………………はずだっ
気がつくと、黒木を含む1年3組、その全員が、光が無い、完全な闇の中へと飛ばされていた
「「「え??」」」
クラス全員が困惑し、固まっているなか、唐突に黒木達の前方の空間が輝きだした
黒木達がさらに困惑を深める中
段々と光は収まっていった、完全に光が収まると、そこには
小学生くらいの小さな少年が現れていた
そして一言
「君達には、とある世界へと行ってもらうよ。」
その一言を聞いた瞬間、それまで戸惑いこそしていたが静かだったクラスが急にざわめいた。
気にせず少年は続ける
「いきなりの事で驚いていると思う、でも時間がないんだ、許してくれ。
さて、早速本題に入ろう。
さっきも言った通り君達にはとある世界に行ってもらう、そこで召喚された勇者として
その世界を救ってもらいたいんだ。
勿論、僕にできるだけのサポートはする、目の前を見てごらん。」
黒木が言われた通りに目の前を見ると、半透明のボードのようなものが見える
「今、君達にはボードが見えているはずだ、そのボードで向こうの世界での能力
ゲーム的に言えばステータスとスキルの様なものを決めてもらうよ
そのボードには君達のいままでの人生での行動の善悪で500~1500の間でポイントが入っている
一度確認してみてね、
後はそのポイントで自由に、職業、スキル、ステータスを決め、決定をえらんでくれ
そうそう、もし最低の500だったとしても向こうでは十二分に強いから安心して選んでね
    制限時間は無し、一人で決めても複数人で決めても良いよ、
それじゃあ、スタート!」
少年のその声を合図に、クラス全員が喜びや悲しみの声をあげながら、ステータス決めをスタートした
すぐに黒木も自分のポイントを確認する。
そこには1234Pとあった
平均を知らない黒木は「多くて良かった」程度だが、これはクラストップである
そして周りが決め出したのを見た黒木も自身の能力を決め始めたのだった。
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