天空の妖界
均衡と雪女
「そうと分かったら、これ以上は、話している暇はないんだ、ごめんね? 真君」
「と、いうと?」
「今は、どうやってあの子から逃げるか、それを考えたほうがいいの」
「わ、分かった」
「おい、今の、どういう意味だよ」
慧人が怒りの表情でこっちをむいた。
「何ごちゃごちゃ言ってるのかはしらねぇけど、逃げるってなんだよ?」
「あ、やば……」
慧人がキレている。ま~当然か……。
「やば?」
「慧人、メグの彼氏……で分かるかい?」
「あぁ……なるほど……」
慧人はこっちに詰め寄った。ものすごく怒っている。
「もう一度聞くぞ。逃げるってなんだ」
「雪撫、ごまかして!」
「いやです。私は、負けず嫌いですから。慧人さん、いいですか? ゾンビS級って能力は、不死身の能力です。いかなる方法でも倒すことはできないんです」
「は?」
「そもそも、ゾンビっていうのはですよ? 死者が生き返ってなるものです。おそらく、死ぬことはないでしょうから、彼女は多分、『死んだまま生き続ける』のではなく、『生きているまま』になるんだと思います」
成る程、ゾンビのままで説得するんだね。
「なに言ってんだ? だって、不死身っていっても戦闘不能にはできるだろ?」
「いえ、死んだまま残るって言う事は、外部からの攻撃は受けますが、死んだままなので動けます。その場合は足を切れば終わりなんですが、生きたままになるってことは、一瞬でも致命傷を受けてはならないと言う事です」
「おい……ってことは!!」
ようやく雪撫の言おうとしていることを理解した慧人は驚いた顔をする。
「はい、致命傷といわず、全ての外部からの攻撃を受け付けないと、そういう事になります」
「……」
「だから、今回は仕方ないんです。確かにやったことはむごいかも知れませんが、メグさんの腕はもう治っているんです! 今は冷静になってください!」
と、雪撫は必死で訴える。
「……」
「お願いですから!」
「真、俺をなぐれ」
「え!?」
「いいからなぐれ!」
「は、はい……!」
すると雪撫は、手を握り、思いっきりなぐった。それはいい、いいのだが、なんでメリケンサックを作って本気でなぐったの? 正気はそこまでしないでも戻るよ?
思いっきりなぐられた慧人は3mほど飛ばされた。
「さ、サンキュー……」
想像以上の強さに、慧人もひるんでいる。めっちゃ痛そう。
「あ、すいません、思わず強く殴ってしまいました……」
本当に思わずだよね?  なんの怒りも無いよね? 例えばライオンの扱いとか。
「い、いや、いいんだよ。真、バトルには制限時間があるって知っていたか?」
「え!?」
「やっぱりな、お前バトルしないもんな。いいか? 腕に時計がついてるだろ?」
「あ、本当だ・・・・・・」
いわれて袖をめくると、そこには大きな時計がついていた。
「そこに、残り5分と書いてあるだろ?」
「はい」
「それが0になったら、強制的にバトルが終了。今は数が勝っているから、逃げれば勝てる。が、さっきからひとつ変だ」
私も、ひとつの違和感があった。
「なんであいつ、さっきから攻撃をしてこないんだ?」
「それ、私も気になっていました」
「だよな。何であいつは攻撃しないんだ?」
当の本人は、笑いながら首をかしげている。
「このまま……ってのは無理そうだな……」
「そうですね、さっきはどこか見ていた目が今はこっちを見ていますし……」
「話は終わったの~? せっつなちゃ~ん??」
「!?」
「せつな? 誰だそいつは……」
「せ、雪撫……」
そこにいないはずの私も、手に汗を握った。
「あれ~? 雪撫ちゃんだよね~?」
「わ、私は……」
「と、いうと?」
「今は、どうやってあの子から逃げるか、それを考えたほうがいいの」
「わ、分かった」
「おい、今の、どういう意味だよ」
慧人が怒りの表情でこっちをむいた。
「何ごちゃごちゃ言ってるのかはしらねぇけど、逃げるってなんだよ?」
「あ、やば……」
慧人がキレている。ま~当然か……。
「やば?」
「慧人、メグの彼氏……で分かるかい?」
「あぁ……なるほど……」
慧人はこっちに詰め寄った。ものすごく怒っている。
「もう一度聞くぞ。逃げるってなんだ」
「雪撫、ごまかして!」
「いやです。私は、負けず嫌いですから。慧人さん、いいですか? ゾンビS級って能力は、不死身の能力です。いかなる方法でも倒すことはできないんです」
「は?」
「そもそも、ゾンビっていうのはですよ? 死者が生き返ってなるものです。おそらく、死ぬことはないでしょうから、彼女は多分、『死んだまま生き続ける』のではなく、『生きているまま』になるんだと思います」
成る程、ゾンビのままで説得するんだね。
「なに言ってんだ? だって、不死身っていっても戦闘不能にはできるだろ?」
「いえ、死んだまま残るって言う事は、外部からの攻撃は受けますが、死んだままなので動けます。その場合は足を切れば終わりなんですが、生きたままになるってことは、一瞬でも致命傷を受けてはならないと言う事です」
「おい……ってことは!!」
ようやく雪撫の言おうとしていることを理解した慧人は驚いた顔をする。
「はい、致命傷といわず、全ての外部からの攻撃を受け付けないと、そういう事になります」
「……」
「だから、今回は仕方ないんです。確かにやったことはむごいかも知れませんが、メグさんの腕はもう治っているんです! 今は冷静になってください!」
と、雪撫は必死で訴える。
「……」
「お願いですから!」
「真、俺をなぐれ」
「え!?」
「いいからなぐれ!」
「は、はい……!」
すると雪撫は、手を握り、思いっきりなぐった。それはいい、いいのだが、なんでメリケンサックを作って本気でなぐったの? 正気はそこまでしないでも戻るよ?
思いっきりなぐられた慧人は3mほど飛ばされた。
「さ、サンキュー……」
想像以上の強さに、慧人もひるんでいる。めっちゃ痛そう。
「あ、すいません、思わず強く殴ってしまいました……」
本当に思わずだよね?  なんの怒りも無いよね? 例えばライオンの扱いとか。
「い、いや、いいんだよ。真、バトルには制限時間があるって知っていたか?」
「え!?」
「やっぱりな、お前バトルしないもんな。いいか? 腕に時計がついてるだろ?」
「あ、本当だ・・・・・・」
いわれて袖をめくると、そこには大きな時計がついていた。
「そこに、残り5分と書いてあるだろ?」
「はい」
「それが0になったら、強制的にバトルが終了。今は数が勝っているから、逃げれば勝てる。が、さっきからひとつ変だ」
私も、ひとつの違和感があった。
「なんであいつ、さっきから攻撃をしてこないんだ?」
「それ、私も気になっていました」
「だよな。何であいつは攻撃しないんだ?」
当の本人は、笑いながら首をかしげている。
「このまま……ってのは無理そうだな……」
「そうですね、さっきはどこか見ていた目が今はこっちを見ていますし……」
「話は終わったの~? せっつなちゃ~ん??」
「!?」
「せつな? 誰だそいつは……」
「せ、雪撫……」
そこにいないはずの私も、手に汗を握った。
「あれ~? 雪撫ちゃんだよね~?」
「わ、私は……」
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