異世界召喚の予定が転生になりました…?
本当の始まり2
あれから一年が経った。
食事とか排泄とか色々と黒歴史だから、記憶の領域から消すことにした。
しかし、その一年で得たものは有った。
家族に関することだが、家族が恐ろしい一家であった事。
母親が魔法の最高ランクの使い手であり、父親が武術で世界的に名を馳せてる人らしい。
そんな一家の書庫には膨大な数の魔法書、武術書が有ったのである。
何とかメイドさんに、寝るときの読み聞かせの本を魔法書や武術書にするように涙ながらにお願いし、ずっと聞いていた。
具体的には魔法書や武術書に関する本以外を読まれたときは大泣きする。と言う抵抗だったのだが、驚きながらも理解してくれたようで、最近は魔法書の基礎ばかり読んでもらっている。
魔法の基礎として体内の魔力の操作を出来るように、魔力の循環や一点集中など、寝転びながら出来る訓練はずっと続けてきた。
すると一年経った今では、指先から魔力の放出、魔力の体内循環の効率上昇、魔力による身体強化が出来るようになった。
武術書に関しては実践有るのみ!というような本ばかりで、今の俺には武器の種類を把握する程度に止まっていた。
しかしながら恐らく使う武器は剣か刀になると思われる。
生まれて半年で這い出し、一年で立とうとしてベッドルームから抜け出してる俺を見かねて
サネアさんがスィヴィアさんに許可を取り、家の内部を案内してくれた事があった。
そのときに見せてもらった武器庫には、多種多様な武器が並んでおり、母親のものであろう威圧感の凄い木の杖も幾つか有ったが、それを越えるほど多くの剣や盾が保存されていた。
その他に、もうひとつ驚くことが有った。
先ほど名前の上がったスィヴィアさんだが、メイドの筈なのに凄い強い。
どれ程強いのかと言うと、母親と父親の二人が行っている鍛練をメイド服で傷一つ無く近づいていき、飯だということだけを伝え、何事もなかったかのように帰ってくるほど強い。
母親が放った魔法を父親の剣戟が相殺している所に近づこうとした事があったが、相殺による爆風でかなり距離のある俺が吹き飛ばされた
そのような場所に、メイド服で無傷で生還する人…
確実にただ者ではないだろう。
姉は四歳になり、その過程で、俺の面倒をよく見てくれていたが、余りに泣くことが無く見るというより構いに来てるような感覚で
頬を触り、頭を撫で、一頻り弄び、満足したら出ていく、と言うことを繰り返していた。
そんな環境の中、すくすくと育っていた俺は現在立ち上がり歩いて転けてを繰り返していた。
赤ちゃんが転けるのは歩き方を知らないからだと思っていたが、いざ経験してみると頭の重さが凄いのだ。
頭が傾くだけで筋力で支えきれず転んでしまう。
腰の筋力も不足しているので頭の位置固定が出来ないのだ。
歩くことの難しさを痛感している精神年齢高校生である。
滑稽すぎる…
しかし人が居なくなってからは、先程述べたように魔力による身体強化を応用して、歩くどころか走ることまで出来るので、机の上の本を手に取り地面に持っていって読んみ、サネアさんが来たときには、取れたけど戻せないと言う演技をして好きな本を読んでいた。
その他にも、自分のステータスも確認することが出来た。
内容がこちら
名前
ウォルク=リーンハイム
性別
男
適正
火、雷、土、光、闇、無
スキル
火魔法Lv3、雷魔法Lv5、土魔法Lv2、光魔法Lv7、闇魔法Lv7、無属魔法Lv5
物理耐性Lv1、魔法耐性Lv1
マジカルバックパック、高速思考、リーフィルの手紙
称号
リーフィルの加護、苦痛に耐えし者、本の虫、お人好し、リーフィルの寵愛
魔法適正が増えたのは、恐らく母親が火と土魔法の使い手だからだと推測される。
無は親族に使える人が居た記憶はないが、神様のいうところの転生特典だろう。
それより称号とスキルにリーフィルの文字が並びすぎではなかろうか?
因みにスキルの説明だが、これも一年でかなり理解した。
マジカルバックパック
これは転移前にも有ったもので
未だに王様から貰った白金貨一枚が保存されている。
高速思考
こちらは転生特典か何かだろうが、読んで字の如くであろう。
リーフィルの手紙
これについては、スキルウィンドウの下部にリーフィルからの所謂メールが届く様子。
半年前に一度だけ届いたことがある。
調子は如何ですか?
ふふふ、驚いたでしょう!私の力をもってすれば、不干渉である神の制約の穴を使ってこんなことも出来ちゃうのです!
その代わり、返信は出来ないようにしてます。制約の穴をつく都合です。
とは言え、この機能も初挑戦なので、これはお試しの一通です。
とまぁそんなことは置いといて、新しい人生はどうですか?
視てる限り不幸ではなさそうでよかったです。
私から此処でお伝えすることは、勇者チームの状況です。
取り敢えず奏輝さんのお陰で一行は安全に退避できました。
そのかわり彼らは一人を失ったことで現実であることを痛感したのか、意気消沈状態ですね。
特に御猫さんは、生徒が死ぬところを安全なところから見ていることしか出来なかった。と、とても後悔してました。
しかしながら、郷夜さんと祥狐さんと優さんのチームメンバーは、下に滝がある、滝壺もあると言うことを確認した後、奏輝さんを助けると己の強化に励んでいました。
良き友を得ていましたね。
その代わり郷夜さんは立ち直る際に、会ったら絶対に殴ってやる!と意気込んでましたよ。
殴られてあげてくださいね。
もしも何か欲しい情報があれば、教会の内部何処でも良いので伝えていただければお答えしますよ。
では、良きセカンドライフを。
だそうだ。
正直、気になっていたことが解ると言うのは有り難いが
殴られてあげてくださいね。
に関しては、完全に余計なお世話である。
こんな感じで神様の暇潰し兼勇者に関する報告をしてもらえるそうだ。
スキルに関してだが、魔法の書物によると
火魔法、水魔法、雷魔法、土魔法、光魔法、闇魔法、無属魔法
の7つに別けられており、其々Lv10を最大として表記されるそうだ。
Lv表記がなくても使えるようになるそうだが、イメージとしては
0~1 超初級、生活で使う程度
2~3 初級、魔法の始まり 学生、Dランク程度
4~5 中級、戦闘可能 Cランク程度
6~7 上級、高等戦闘可能 Bランク程度
8~9 王級、マスター Aランク程度
10 神級 属性の頂き Sランク程度
と、認識されているそうだ。
因みに、ランクと言うのは冒険者としてのランクだそうで、E~Sがある。
E 採集や雑用
D 初級魔物討伐
C、B 中級魔物討伐
A 上級魔物討伐
S 超級魔物討伐
と、依頼内容は大きく分けてこんな感じらしい
両親は二人ともSランクだそうで、この国には珍しい戦える貴族夫妻ということを父親から自慢された。
一年経っても…と言うより、時を重ねる毎に親バカが増していく父親である。
両親は国絡みの大きな依頼を達成し、魔族戦の時に大きな功績を残したため、報酬として渋々爵位を受け取ったそうだ。
結婚する上で安定した収入と、冒険者としての収入を天秤にかけたところ、爵位を受ける事にしたらしい。
つまるところ、俺が爵位を絶対継がなければならないわけではなく、将来は自分で決めろと言うことだろう。
地球の頃も二世○○って良いイメージ少ないしな…
家族の事とか自信の環境が想像以上に壮大であるがゆえに
自分の中で一年間の出来事を整理しても時間がかかりすぎてしまう。
(なんというか、忙しそうな家だけどのんびりできるのか…?)
そんなことを思っていると、部屋の掃除のためにサネアさんが部屋に入ってきた。
「ウォル君起きてますかー?お部屋の掃除に来たので、リビングに遊びに行きましょう?
と言っても、ウォル君の部屋はどうやって持ってきたのか解らない本の片付けと、埃掃除だけなのでとても楽なのですよー。」
それは精神年齢が16歳だからですよサネアさん…
本の事は許して…
「ロメア曰く、赤ちゃん部屋の掃除は至る所に涎やおもちゃが散らかっているので、普通の部屋より体力を使うそうですが…ウォル君はおもちゃで遊ぶよりも本がお気に入りのようですし…涎なんて奥様の食事を見た以降はよ、だれ掛けで拭くようになりましたし…」
それはまぁ…ねぇ?
「何度考えても私は、ウォル君は問題抱えてる子か天才な子かと問われると、後者しか考えられないのですよ…
私がウォル君の担当で本当に良かったのでしょうか…?」
俺に聞かれましても…
「…はっ!掃除掃除!ウォル君行きますよー」
サネアさんに抱えられリビングまで連れていかれる。
部屋からリビングに向かう途中でも、この家の財力が伺えるのである。
この家には片開きの扉が見当たらないのだ。
子供部屋でさえも両開きなのである。
恐らく、男爵や子爵ではこの財力は無いだろう…
中位以上の爵位であろうこの両親はどのような功績でここに来たのか、何をしたのか、少し興味があるのでいずれ聞いてみようと思う。
そんなことを考えているとリビング前に着いた。
中からはとても元気な高い声が聞こえてくる。
母親と姉が居るようだ…
スッと扉が開く。
「ウォルだー!げんきー?」
と、元気に聞いてくる姉
「おや、サネアは掃除の時間か?」
サネアさんに話しかけるロメアさん
「そうなの!相変わらず本と埃掃除だけで楽なのですよ!」
「羨ましいけど、学者気質なのか…?本の片付けしか聞いたこと無いのだが…」
「そーなんですよ!ウォル君てばずっと本ばかりで…運動とか大丈夫なのかたまに心配になるのですよ…」
と、メイド達が心配そうに話していると…
「大丈夫ですよ。私とロムドの鍛練を何時も見に来てるのだし、興味がないことは無いと思うわ。」
と、母親が笑って答えた。
ええ、既に魔力強化等で運動してます。興味は有りますとも。
因みに父親は公務室でお仕事中だそうだ。
貴族も楽ではなさそうだ。
「ウォル君ー!今日、学校で友達増えたんだよ!ウォル君の自慢してきた!」
この世界では、3歳から8歳の学校と9歳から15歳の学校が有る。
姉はよく学校の話をしているが、ウォル君の自慢、から解るように割りとブラコン気質らしく、いつも俺の自慢をしてきたのだとドヤ顔で語っている。
つまり、学校がどのような場所か、全く解らないのである。
そんな姉だが、両親の血をしっかり受け継ぎ、同学年では魔力量、魔力操作、身体能力に関しては、トップクラスを維持しているらしい。
学力も上位を維持しているので、結構人気者のようだ。
恐るべしリーンハイム家。
かく言う俺は、既に魔力量は姉と並び、魔力操作に関しては少し上回る実力を保持しているのだが、それは内緒のお話。
恐らくこのまま俺も後二年したら通うであろう学校に思いを馳せながら姉の自慢話のような何かを聞いていると、サネアさんが掃除のために部屋を出ていってしまった。
リビングに来ると、魔力関係の遊びや魔法書を読むことができないので、母親達の会話に耳を傾けるしかない。
とは言え、人は簡単には変われないもので…
転生前と同じように、暇すぎて寝てしまっていた。
目を覚ました後は、飯や風呂など何時もの日常が変化なく流れていくだけだった。
夜になり、ここからようやく魔力操作の遊び…もとい魔力操作の鍛練が始められる。
やることは簡単で、魔力と言うものは血と似て異なるもので、血のように生活する上で全身を一定で巡っている物なのだが、想像する流れや形に変えることが出来るのだ。
つまり、普段流れている一部から足の部分に流れを集中させ、強化のイメージをすると足の身体強化が可能になる。
と言う形だ。
戦闘中にどこまで想像力を維持できるか。
これが魔法師には重要な事なのだろう。
最近の遊びでは、指先から魔力を放出し、本に魔力を纏わせ移動させようとしているが、一向に上手く行かないのだ。
理由としては、体の外部にある魔力を操作する上で、空気中にある魔力が自分の魔力に影響して、想像以上の難易度になっているのだ。
魔法書曰く、火をイメージすると火が出る。
と言うことなので、火と魔力を別の方向性でイメージすることで、分離かつ操作することが出来ているのだろう。
つまり、魔力を放出すること自体メリットが少ないのだが、これが出来るようになれば自分がもっとのんびりできる。という邪な考えのみでこの業を習得しようとしているのだ。
完全に本末転倒のような気もするが気にせず頑張っていこう…
毎日毎晩、のんびり目的の残念思考のまま夜が更けていく…。
こんなところでどうでしょう?あとがきの人です。
そうです。ファンタジーあるあるの世界設定の説明回です。
形式上は主人公の振り返りとして語っていますが、大まかなところは説明できたかと思います。
まぁ後々説明増えるんですが…
そんなことより読者様が夏休み効果でおよそ3~4倍に増加しました!
此処で言う読者様はお気に入りの数を集計しているのですが…
月2更新でゆっくりですが何卒よろしくお願いします。
次回は恐らく飛びます。
恐らくと言うのは、実はこの作品…書き貯めが全く無いのです。
全部頭の中で纏めて構成してるのです。
というわけで恐らく飛びます。
具体的には主人公が3歳手前頃まで飛びます。
…多分ね。
感想、誤字脱字報告、要素追加依頼、ぜひコメントしてください。
書き貯めがないということで…
臨機応変、七変化が勝ちなのです。
勉強が必要な要素は難しいかもしれませんが…
最後になりましたが
応援してくださってる皆様に感謝です。
冷房の効いた部屋にゲームで籠るかバイトをしているかの二択の夏休み生活を送っている作者ですが…
皆様の夏休み、お盆休みが充実した休みであることを細やかながら願っています。
充実のお手伝いをこの小説が出来てたら嬉しい限りですね。
では、またの機会に。
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