ロリっ娘女子高生の性癖は直せるのか
【おまけ】俺達の青春はまだこれからなのか「また逢う日まで」終
食事を終えてから暫くして、次の目的地を模索していた頃。
「皆さん、突然ですけど来年からの事も考えませんか?」
両手を合わせながら桜ちゃんが提案する。
「来年……?」
「はい! 私達、これから皆バラバラの進路じゃないですか。私は高校生だし、お兄さんは大学生、お姉ちゃんは短大、先輩は就職しますし。だから今までみたいに気軽に会える事も少なくなると思うんです」
なるほど……。確かに桜ちゃんの言う通りだ。今の生活が当たり前の日常になっていて全然気付かなかったけど、来月から俺達の環境は大きく変わる。きっと今まで以上に忙しくなるだろうし、お互いに都合の良い時間を作るのも難しくなるだろう。
「そっか……。あたしや晴流は一人暮らしをするし、桜と遊べる機会も減っちゃうかもね……」
「わしは土日は休めると聞いておるが、暫くは顔を出せなくなるかもしれないのう」
「俺も最初は忙しいだろうな。もしサークルとかに入ったら中々休めないだろうし」
それぞれが気付いて落胆する。だが桜ちゃんだけは前向きに捉えているのか目を輝かせていた。
「そこで決めるんですよ皆さん! 年に一度、集まる日と場所を先に決めましょう!」
桜ちゃんは乗り気だった。落ち込む俺達を励ますかのように話を進めていく。
それから桜ちゃんは比較的集まりやすいであろう春休みシーズンに再び会おうと提案し、俺を含む全員が特に文句は無いと言った。あとは場所を決めるだけなのだが……。
「できるだけ移動の負担が少ない所が良いですよね」
「そうだな。このメンバーで一番家が離れるのは……堂庭と修善寺さんか」
堂庭は北関東の某所で一人暮らし予定。一方修善寺さんは地元横須賀のオフィスで勤務するらしい。お互いの距離は百三十キロ程度離れている為、双方の中間地点がベストと言えるだろう。
「集まるなら晴流の家でいいんじゃない?」
「え、俺!?」
「だって都内に住むんでしょ? そしたら位置的に真ん中くらいだし皆行きやすいかなと思って」
「まあ……確かにそうだが」
堂庭の理屈は分かったが、まさか俺の家を指定してくるとはな。別に構わないけど。
「じゃあ一年後にお兄さんの家で再会しましょう! それまでの間、辛い事や苦しい時もあるでしょうけれど私達なら乗り越えられるはずです。この絆を信じて頑張りましょうね!」
何やら感動させるようなまとめ方をする桜ちゃんだが……俺達にそんな綺麗なストーリーは似合わないし訪れないだろう。だって俺の周りには綺麗という二文字と全く縁のない変態しかいないのだから。そして唯一平凡な俺が奇抜な毎日に巻き込まれるのだ。
「案外変わらないかもな、俺達は」
確信はないけどそんな気がする。腐れ縁が集まった仲間なんだ。心配する必要は無いのかもしれない。
「奇遇ね。あたしもそう思うわ」
隣で堂庭が笑っている。
「わしも同感じゃ。物理的に離れていても心はすぐ側で繋がっておるからのう」
「ふふ、なんだか私も安心してきました。成るように成るってヤツですかね」
お互いに笑い合い、和やかな雰囲気に包まれる。いいな、こんな日々が続けば――
「うわ、あの子めっちゃ可愛いんだけど! 六歳くらいかなー。髪触りたいなー」
窓に張り付く堂庭。おい、折角の空気を台無しにするなよ。
「お前はもう少し変われ」
「それあたしの事? いくら晴流のお願いでも幼女を愛でるのはやめないよ。だってこれはあたしのアイデンテテーなんだからねっ!」
また言い間違えてるな。可愛い。
「ほっほっほ。瑛美殿、アイデンテテーじゃなくてアイデンティテ――」
「あーはいはい分かりました。あんたは黙っててねー」
まるで無限ループのように話題が絶えず繰り返される。俺達らしい、どうしようもない日常の一時だ。
かくしてロリっ娘女子高生とその仲間達の奮闘劇は今日も……そして明日からも変わらずに続いていくのだった。
================
これにて完結です。
長らくお付き合いくださいまして本当にありがとうございました!!
※新作は2019年4月~5月頃連載開始予定です
「皆さん、突然ですけど来年からの事も考えませんか?」
両手を合わせながら桜ちゃんが提案する。
「来年……?」
「はい! 私達、これから皆バラバラの進路じゃないですか。私は高校生だし、お兄さんは大学生、お姉ちゃんは短大、先輩は就職しますし。だから今までみたいに気軽に会える事も少なくなると思うんです」
なるほど……。確かに桜ちゃんの言う通りだ。今の生活が当たり前の日常になっていて全然気付かなかったけど、来月から俺達の環境は大きく変わる。きっと今まで以上に忙しくなるだろうし、お互いに都合の良い時間を作るのも難しくなるだろう。
「そっか……。あたしや晴流は一人暮らしをするし、桜と遊べる機会も減っちゃうかもね……」
「わしは土日は休めると聞いておるが、暫くは顔を出せなくなるかもしれないのう」
「俺も最初は忙しいだろうな。もしサークルとかに入ったら中々休めないだろうし」
それぞれが気付いて落胆する。だが桜ちゃんだけは前向きに捉えているのか目を輝かせていた。
「そこで決めるんですよ皆さん! 年に一度、集まる日と場所を先に決めましょう!」
桜ちゃんは乗り気だった。落ち込む俺達を励ますかのように話を進めていく。
それから桜ちゃんは比較的集まりやすいであろう春休みシーズンに再び会おうと提案し、俺を含む全員が特に文句は無いと言った。あとは場所を決めるだけなのだが……。
「できるだけ移動の負担が少ない所が良いですよね」
「そうだな。このメンバーで一番家が離れるのは……堂庭と修善寺さんか」
堂庭は北関東の某所で一人暮らし予定。一方修善寺さんは地元横須賀のオフィスで勤務するらしい。お互いの距離は百三十キロ程度離れている為、双方の中間地点がベストと言えるだろう。
「集まるなら晴流の家でいいんじゃない?」
「え、俺!?」
「だって都内に住むんでしょ? そしたら位置的に真ん中くらいだし皆行きやすいかなと思って」
「まあ……確かにそうだが」
堂庭の理屈は分かったが、まさか俺の家を指定してくるとはな。別に構わないけど。
「じゃあ一年後にお兄さんの家で再会しましょう! それまでの間、辛い事や苦しい時もあるでしょうけれど私達なら乗り越えられるはずです。この絆を信じて頑張りましょうね!」
何やら感動させるようなまとめ方をする桜ちゃんだが……俺達にそんな綺麗なストーリーは似合わないし訪れないだろう。だって俺の周りには綺麗という二文字と全く縁のない変態しかいないのだから。そして唯一平凡な俺が奇抜な毎日に巻き込まれるのだ。
「案外変わらないかもな、俺達は」
確信はないけどそんな気がする。腐れ縁が集まった仲間なんだ。心配する必要は無いのかもしれない。
「奇遇ね。あたしもそう思うわ」
隣で堂庭が笑っている。
「わしも同感じゃ。物理的に離れていても心はすぐ側で繋がっておるからのう」
「ふふ、なんだか私も安心してきました。成るように成るってヤツですかね」
お互いに笑い合い、和やかな雰囲気に包まれる。いいな、こんな日々が続けば――
「うわ、あの子めっちゃ可愛いんだけど! 六歳くらいかなー。髪触りたいなー」
窓に張り付く堂庭。おい、折角の空気を台無しにするなよ。
「お前はもう少し変われ」
「それあたしの事? いくら晴流のお願いでも幼女を愛でるのはやめないよ。だってこれはあたしのアイデンテテーなんだからねっ!」
また言い間違えてるな。可愛い。
「ほっほっほ。瑛美殿、アイデンテテーじゃなくてアイデンティテ――」
「あーはいはい分かりました。あんたは黙っててねー」
まるで無限ループのように話題が絶えず繰り返される。俺達らしい、どうしようもない日常の一時だ。
かくしてロリっ娘女子高生とその仲間達の奮闘劇は今日も……そして明日からも変わらずに続いていくのだった。
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これにて完結です。
長らくお付き合いくださいまして本当にありがとうございました!!
※新作は2019年4月~5月頃連載開始予定です
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コメント
ノベルバユーザー292924
ありがとうございました!
大好きです