特殊科学研究事務所-muzina-
第2話 幼き頃の記憶
俺達はいつものように祖父の部屋にいた。
もはや習慣となりつつある。
「おにぃちゃん。なぁにするのぉ?」
「今日はSCPに行こうと思ってな。」
SCPとは自発的化学反応地点のことで、じいちゃんが生まれた時よりもっと昔の大昔は、SCPの事を「心霊スポット」って言っていたみたいだけど、今は幽霊なんていないのが社会の一般常識で、夜とかは科学者がたくさん訪れる場所になっている。
「それで俺が確かめたいのは、モノノケがいるってことは、SCPはただの化学スポットじゃないかもってことなんだけど」
そう言って俺はムジナたちを見た。
『あれはモノノケが絡んでいるのもありますが、ゴーストが絡んでいることもあります。そういう危険な所は、指定SCPとなっており国家が封鎖していますね。指定SCP以外のSCPはモノノケのちょっとしたイタズラなので、行くなら指定SCPではないと手がかりは得られないかと……』
そこに少し、心当たりがあった。
幼い頃の記憶。モノノケと出会って気づいた違和感。
「麗奈。俺らが小さい時遊んだとこ、覚えてるか?」
「森の奥をぐぅーっていたところにあるあのお池のことぉ?」
幼い頃に遊んだその池は、何故か〝場所〟しか俺の記憶にはなかった。それは麗奈も同じだったはずだ。
「そうだ。そこの記憶はあるのに何して遊んだのかを覚えていないって変じゃないか?」
『『な、なんですかそこはァ!?』』
「ぅわっ!」
モノノケ達が驚きと焦りのこもった声で叫ぶ。
俺は急に叫ばれたのに驚いて尻から倒れた。
「ってえ……。どぉしたんだよお前ら」
『私が憑く以前の話ですかっ?』
妙に焦っている。
「じいちゃんが生きていた頃だからなぁ。多分お前らはまだ俺らに憑いてなかったんじゃねか?」
「わたしはまだちっちゃかったから覚えてないだけだと思ってたんだよねぇ」
『記憶が……消える……。なにか引っかかりますね。モノノケでそんなことが出来る者はいないと思います。もしや!? 発見されてない指定しなければならないほどのSCPではっ? お二人を危険からお守りするのが我らの務めですのにっ!』
二人は俺らの危険を心配してくれていたようだ。
「その可能性もあるな。とにかく、そこに出向いてみようとおもう」
麗奈は、転んだままの俺と高さを合わせるようにしゃがんで、言った。
「じゃあ、早速行こうよぉ!」
そういう訳で、俺らは幼き頃の記憶を辿り、その池を目指す事にした。
「そういえば麗奈、お前いつから染めてたっけ?」
今頃になって俺は思った。
「おにぃちゃん今頃!? わたしがっかりだよぉ。三日くらい前に染めたんだけどねぇ。どおかな?」
「似合ってるからいんじゃない?」
その発言がお気に召したのか、麗奈はルンルンしながら歩いている。ツインテールがその度に揺れる。
他愛もない会話をしながら歩いていると、見慣れた景色が見えた。
「ここ、確かここから行けるんだよねぇ!」
「確か、ここだったはずだぞ」
興奮している妹を見て、今度はモノノケ達を見ると、何やら神妙な顔をしている。
「どうした?なにかあったのか?」
『すごい次元の歪みが見えます。おそらくゴーストが絡んでいる可能性が……。危険なので帰りましょう』
せっかくじいちゃんの手がかりになりそうなものを見つけたんだ。引く訳にはいかない。
そうは言いながらも、妹のことが気になった。
「お前ら、麗奈をここで見ててくれるか?」
「えっ! でもっ! 麗奈もいけるよっ! 連れてってよ! お願いっ!」
『分かりました。では、私どもがお守りしますので、麗奈様を連れて行って頂けませんか?』
そんなに真剣に言われたら連れていくしかない。それに、麗奈も気になるだろう。
「分かった。じゃあ行こうか」
俺らは池に続く道があった森に入った。
もはや習慣となりつつある。
「おにぃちゃん。なぁにするのぉ?」
「今日はSCPに行こうと思ってな。」
SCPとは自発的化学反応地点のことで、じいちゃんが生まれた時よりもっと昔の大昔は、SCPの事を「心霊スポット」って言っていたみたいだけど、今は幽霊なんていないのが社会の一般常識で、夜とかは科学者がたくさん訪れる場所になっている。
「それで俺が確かめたいのは、モノノケがいるってことは、SCPはただの化学スポットじゃないかもってことなんだけど」
そう言って俺はムジナたちを見た。
『あれはモノノケが絡んでいるのもありますが、ゴーストが絡んでいることもあります。そういう危険な所は、指定SCPとなっており国家が封鎖していますね。指定SCP以外のSCPはモノノケのちょっとしたイタズラなので、行くなら指定SCPではないと手がかりは得られないかと……』
そこに少し、心当たりがあった。
幼い頃の記憶。モノノケと出会って気づいた違和感。
「麗奈。俺らが小さい時遊んだとこ、覚えてるか?」
「森の奥をぐぅーっていたところにあるあのお池のことぉ?」
幼い頃に遊んだその池は、何故か〝場所〟しか俺の記憶にはなかった。それは麗奈も同じだったはずだ。
「そうだ。そこの記憶はあるのに何して遊んだのかを覚えていないって変じゃないか?」
『『な、なんですかそこはァ!?』』
「ぅわっ!」
モノノケ達が驚きと焦りのこもった声で叫ぶ。
俺は急に叫ばれたのに驚いて尻から倒れた。
「ってえ……。どぉしたんだよお前ら」
『私が憑く以前の話ですかっ?』
妙に焦っている。
「じいちゃんが生きていた頃だからなぁ。多分お前らはまだ俺らに憑いてなかったんじゃねか?」
「わたしはまだちっちゃかったから覚えてないだけだと思ってたんだよねぇ」
『記憶が……消える……。なにか引っかかりますね。モノノケでそんなことが出来る者はいないと思います。もしや!? 発見されてない指定しなければならないほどのSCPではっ? お二人を危険からお守りするのが我らの務めですのにっ!』
二人は俺らの危険を心配してくれていたようだ。
「その可能性もあるな。とにかく、そこに出向いてみようとおもう」
麗奈は、転んだままの俺と高さを合わせるようにしゃがんで、言った。
「じゃあ、早速行こうよぉ!」
そういう訳で、俺らは幼き頃の記憶を辿り、その池を目指す事にした。
「そういえば麗奈、お前いつから染めてたっけ?」
今頃になって俺は思った。
「おにぃちゃん今頃!? わたしがっかりだよぉ。三日くらい前に染めたんだけどねぇ。どおかな?」
「似合ってるからいんじゃない?」
その発言がお気に召したのか、麗奈はルンルンしながら歩いている。ツインテールがその度に揺れる。
他愛もない会話をしながら歩いていると、見慣れた景色が見えた。
「ここ、確かここから行けるんだよねぇ!」
「確か、ここだったはずだぞ」
興奮している妹を見て、今度はモノノケ達を見ると、何やら神妙な顔をしている。
「どうした?なにかあったのか?」
『すごい次元の歪みが見えます。おそらくゴーストが絡んでいる可能性が……。危険なので帰りましょう』
せっかくじいちゃんの手がかりになりそうなものを見つけたんだ。引く訳にはいかない。
そうは言いながらも、妹のことが気になった。
「お前ら、麗奈をここで見ててくれるか?」
「えっ! でもっ! 麗奈もいけるよっ! 連れてってよ! お願いっ!」
『分かりました。では、私どもがお守りしますので、麗奈様を連れて行って頂けませんか?』
そんなに真剣に言われたら連れていくしかない。それに、麗奈も気になるだろう。
「分かった。じゃあ行こうか」
俺らは池に続く道があった森に入った。
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