特殊科学研究事務所-muzina-
第8話 運命ノワカレメ
家に着いたので、研究事務所に行こうと思ったが、麗奈は今日授業があるらしく来れないようなので俺は部屋へと向かった。
俺はじいちゃんみたいな科学者になる為に独学で勉強しているから授業は受けない。
まあ授業と言っても目の前の空間をタップすると出る«ruto»という空気凝固画面で受けるので実際家からは出なくていい。昔はあったらしい学校という学舎も今は無い。
部屋のドアを開け、一直線にベットへダイブする。
仰向けになり、天井を見上げて空間をタップして«ruto»を起動させる。
そしてニュースを見るという今や日課になっている事をいつものようにする。
「-連続殺人事件の被害は拡大しており、未だ犯人は逃走中です。近隣の皆様は家から出ない様にお過ごしください。被害者の共通点は分からず、無差別殺人かと思われます-」
あ、この間の事件の犯人まだ捕まってないのか。というか被害者が凄い増えているのかアナウンサーがいつも以上に熱心に話している。
『この連続殺人は随分一定のペースで行われていますよ。伶斗様は見ないかも知れませんがリビングのテレビで話題になってます。犯人には何かしらの計画があるのでは?』
「考え過ぎだろ。リビングのテレビは最近見ねぇからな。そんな話題になってんのか」
«ruto»のニュースはそれ程優秀ではなく、事件を少しピックアップするくらいのものなので俺は気づかなかった。まあ被害の大きさが大きさだもんな。そりゃ話題になるわ。
「被害者の友人のAさんはこう語ります。-あの子は不思議な所とかおかしなところがあったけどいい子だったの-」
俺はハッとして横にいるムジナを見る。
ムジナも俺を見ている。
「なあ、ひとつ思ったんだが」
『私も思うところがあります』
「被害者はルーナなんじゃないのか?」
『そうなんです。犯罪が起こったところに印を付けると、ほら!ルーナ加護金を受け取っている人が必ずいます!』
印を付けると、その形はまるで未完成の星型。
ルーナ加護金とはルーナの生活保護費。まあ障害を持った人が貰えるようなお金だ。
「つまり犯人は、計画的にルーナを殺しているのか?」
『そうだと思います。そして!この印を見ると星型になりそうですよね?流れで見ると次の犯行場所が分かりそうでは?』
「それだ!」
俺とムジナは印に調べた事件の日付を書いていく。予想出来る場所を探していると、印と等間隔にしかも星型になる場所を見つけた。
「うそ……だろ」
俺はおもわず唾を飲み込む。
ムジナも驚きを隠せていない。
次の犯行場所は……あの和菓子屋❛晏月❜だった。
「どうする。このままじゃおじさんが危ねぇ」
『ですが我々で勝てるかどうか。ルーナの中にも当然憑依できる者がいるはず。なのに負けたということは……犯人もルーナである可能性があります。目的が何であれそのような者を敵に回すのは危険です』
そうだな。
憑依できるのが俺らだけな訳ないもんな。
だとしてもおじさんを見殺しにはできない。
「なぁ相棒。お前もおじさんに死んで欲しくねぇだろ?」
『当たり前です』
俺とムジナなら-。
「ムジナ。俺に、俺に力を貸してくれ」
『ふぅ』
ムジナが息を吐く。
『……分かりました。伶斗様だけでは無理でも我々二人で必ず勝ちましょう』
犯行時間の範囲からみて次に犯人が行動を起こすのは、明日の夕方-午後六時。
「麗奈達には内緒だからな」
『分かっております』
平気で人を殺せる者。そんなやつが相手でも大丈夫なんだろうか。
俺はまだ見ぬ敵への恐怖を押し込め、布団をかけ、目を閉じた。
俺はじいちゃんみたいな科学者になる為に独学で勉強しているから授業は受けない。
まあ授業と言っても目の前の空間をタップすると出る«ruto»という空気凝固画面で受けるので実際家からは出なくていい。昔はあったらしい学校という学舎も今は無い。
部屋のドアを開け、一直線にベットへダイブする。
仰向けになり、天井を見上げて空間をタップして«ruto»を起動させる。
そしてニュースを見るという今や日課になっている事をいつものようにする。
「-連続殺人事件の被害は拡大しており、未だ犯人は逃走中です。近隣の皆様は家から出ない様にお過ごしください。被害者の共通点は分からず、無差別殺人かと思われます-」
あ、この間の事件の犯人まだ捕まってないのか。というか被害者が凄い増えているのかアナウンサーがいつも以上に熱心に話している。
『この連続殺人は随分一定のペースで行われていますよ。伶斗様は見ないかも知れませんがリビングのテレビで話題になってます。犯人には何かしらの計画があるのでは?』
「考え過ぎだろ。リビングのテレビは最近見ねぇからな。そんな話題になってんのか」
«ruto»のニュースはそれ程優秀ではなく、事件を少しピックアップするくらいのものなので俺は気づかなかった。まあ被害の大きさが大きさだもんな。そりゃ話題になるわ。
「被害者の友人のAさんはこう語ります。-あの子は不思議な所とかおかしなところがあったけどいい子だったの-」
俺はハッとして横にいるムジナを見る。
ムジナも俺を見ている。
「なあ、ひとつ思ったんだが」
『私も思うところがあります』
「被害者はルーナなんじゃないのか?」
『そうなんです。犯罪が起こったところに印を付けると、ほら!ルーナ加護金を受け取っている人が必ずいます!』
印を付けると、その形はまるで未完成の星型。
ルーナ加護金とはルーナの生活保護費。まあ障害を持った人が貰えるようなお金だ。
「つまり犯人は、計画的にルーナを殺しているのか?」
『そうだと思います。そして!この印を見ると星型になりそうですよね?流れで見ると次の犯行場所が分かりそうでは?』
「それだ!」
俺とムジナは印に調べた事件の日付を書いていく。予想出来る場所を探していると、印と等間隔にしかも星型になる場所を見つけた。
「うそ……だろ」
俺はおもわず唾を飲み込む。
ムジナも驚きを隠せていない。
次の犯行場所は……あの和菓子屋❛晏月❜だった。
「どうする。このままじゃおじさんが危ねぇ」
『ですが我々で勝てるかどうか。ルーナの中にも当然憑依できる者がいるはず。なのに負けたということは……犯人もルーナである可能性があります。目的が何であれそのような者を敵に回すのは危険です』
そうだな。
憑依できるのが俺らだけな訳ないもんな。
だとしてもおじさんを見殺しにはできない。
「なぁ相棒。お前もおじさんに死んで欲しくねぇだろ?」
『当たり前です』
俺とムジナなら-。
「ムジナ。俺に、俺に力を貸してくれ」
『ふぅ』
ムジナが息を吐く。
『……分かりました。伶斗様だけでは無理でも我々二人で必ず勝ちましょう』
犯行時間の範囲からみて次に犯人が行動を起こすのは、明日の夕方-午後六時。
「麗奈達には内緒だからな」
『分かっております』
平気で人を殺せる者。そんなやつが相手でも大丈夫なんだろうか。
俺はまだ見ぬ敵への恐怖を押し込め、布団をかけ、目を閉じた。
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