史上最強の魔王様(俺)が勇者殿を倒すらしいです
3話
しばらくヤンガー村へと飛んでいると、一人の男が女性と歩いているところが見えた。
目を凝らしてみると彼は、俺が探している勇者であったとわかった。
すぐさま俺は、急降下して彼らの前に降りた。
「おいッ!! まてコラあ!!」
俺は怒号を放つようにして声を発すると、隕石のようにして俺は彼らの目の前を急降下して降り立った。
「誰だお前ッ!!」
男は腰が抜けたようにして俺におじ下つきながらも、俺の招待を反射的に聞いていた。
「西 強矢〈さい きょうや〉さんこの人はだれ!?」
隣にいた女性が、パニックになったように俺のことを彼に聞いている。
「まってくれフェリアちゃん、いまこの人の正体を暴いてみるよ」
男は数秒ほど黙ると、なにか視覚情報で俺の身体を興味深そうに観察する。
そしてあきれるようにしてこう言い放った。
「ただの空を飛べる一般人か。しかしキュピー族でもない君がなぜ空を飛べるんだい?」
キュビー族とはこの世界で唯一飛べる種族の亜人である。
それを彼は俺と混同して誤解しているらしい。
「あんなイケメンでもねえよまあ俺は「ステータスはそこらあたりの並の雑魚モンスター以下、そんな君が僕にどんなようがあるんだい?」
俺の話を断ち切るようにして話し出した。ちょっとだけその上から見下すような態度とともに、俺は腹が立ってしまった。
ここは深呼吸をして、怒りは後の戦いでとっておくことにしよう。
しかしだここまで傲慢なのはゆるせねえ。
「あのなあ話は最後まで聞けっての、俺は魔王だよ」
「ぶははははははは、ナに言ってんだお前ッ!!」
男は隣にいた女と笑い出した。そして俺に中二病乙ですとあざ笑う。そしてとなりにいた女も意味は理解していないが、なんとなくだが、理解していたらしく、男と共に笑っている。
「おめえが魔王って冗談もほどほどにな」
苦笑すら混じった口舌。それに呆れた俺は言い返す。
「あのなあ、人は見た目によらないって言うだろ。まあ確かに序盤で魔王ってのも信じれないよなあ……」
今日、異世界に来たばかりの彼であろう。
そして俺は、彼の相手をしているのだ。
この世界で、絶対に倒さなければならない”魔王”として(相手が信じているかどうかは別にして)。
「ふん! おめえみたいな頭のおかしい魔王なんているか。だいたい魔王ってのは手下に指図をして、俺たち勇者の邪魔をするような存在だろう。もしかしてあれか? 『人望が無さ過ぎて手下はいないんですぅ』って感じか?」
ぐうも出ないような洞察力と俺のモノマネのような言い方にイラッときながら、俺はこう言い返した。
「んじゃ決闘を申し込む。手加減はしないぞ」
さすがに頭にきた俺は背中から大剣を取り出した。そして目の前に立っていた男に突きつける。
「どうせそれもみせかけのへぼ武器なんだろうッ!!」
「戦ってみないとわかんないよな、とりあえずこの武器めッちゃ強いぞ」
だってあの人からもらったんだもん、ドラゴンなんて一振りで死亡するぞ。
「フェリアちゃんちょっと下がっておいて」
男は言葉とはまるで違う妙に紳士になって女に引くように促した。
「赤いマントを取り出して、俺はこの武器を使うぜッ!」
いちいち自分の行動をナレーションして戦闘隊形になた。
しかし、男が手に持っていた武器はいたって普通のこんぼうであった。
「あれか、最弱武器が神のご加護で強化されまくってるって設定のやつか?」
「いいやコレは違う! 真に最強の武器だぜ!!」
「なにを言ってんだお前、この作者の頭の出来を疑われるぞ」
俺はあきれるようにして彼に言った。
「いくぜ!! 神ご加護+∞の力をッ!!」
話は聞いていないようである。
ようするに、このこんぼうにはとんでもない能力が付いているといったものであった。
「ほれ、スキル無効化」
「おらああああああああああああああああああああ」
俺はスキル無効化能力でやつのイカれた能力を封じ込めた。
そしてなにふりかまわず突っ込んでくる男の足を引っ掛けて地面に転がしてやった。
男が倒れるところに歯車を無理やり回すようにして、高等部に手刀を入れた。
すると男は気絶した。
男の手に持っていたこんぼうを、いくらか何ヶ月かくらい生きられるゼニーに変えておいた。
正直このゼニーは今の有り金全部なのだ。
このゼニーでリーノの給料にもしようと思ってたんだけど……
まあいっか。
これでこいつもここで更正できるといいけどな。
シューと俺の一連の行動を見ていた女のあたりに煙が出てきた。
「あれッ!! ここどこ!?」
まるで記憶喪失のように彼女はあたりを見渡していた。
「ゆうしゃのスキルから目覚めましたか、では村まで案内します帰りましょうか」
「そうだったんですか…… しかしあの人は大丈夫なんですか?」
「大丈夫です、この世界は案外やさしくできていますから」
「私には見過ごせません!!」
女はそういって、倒れている勇者の下へと駆け寄っている。
「大丈夫ですか?」
俺はその行動に驚いた。彼女は、勇者スキルによって催眠にかかっていたにもかかわらず、その男へと駆け寄っていたのだ。それもその男は中年である。
そんなやさしさがこの世界にあったなんて俺は、この世界もすてたものではないと思った。
「かあちゃん、俺ここでハーレム作るんだ…… むにゃむにゃ」
男は満足そうに、眠っていた。
「そうですか…… ではその男とともに村に帰りましょうか」
彼女のやさしさに、俺は目から涙が出そうになった。
「はいッ!! 私たちを一緒に運んでください」
なんだかすごいことで愛も芽生えるんだなとよくわからないような感想が出てきた。
まああれだ。この男も、この女性となら、良い人になるだろう。
おだやかな心になった俺は、二人を担いで、村へと帰っていった。
村へと帰った俺は、なんだかよくわからない英雄として祭り上げられた。
そして流れで酒場にやってきた。
「魔王様がまた人をお救いなられた!! 酒だ! 酒をもってこい!!」
一人のおじいさんが俺にいろいろあーだこーだしてきた。
正直酒は大好き。ごめんなさい僕、未成年です。
「いやいや俺はなにもしてないですよッ!!」
本当に、俺はなにもしていない、行き当たりばったりでこの世界でも生きているのだ。
だから魔族からも嫌われているのである。
そしてしばらくしていると、あの俺が助けた女性が、ありがとうございますといってきた。
「あの勇者さんはどうしたんですか?」
「わたしの家で寝ています、歳はかなりありそうですけどとてもかわいい人です」
まるで初恋のように彼女は微笑む。
そんな彼女に、俺はすこしだけ安心している。
「それはよかったです」
本当によかった。チートに頼らなくてもこの世界はやっていける。
それを彼にも教えてあげたかった、そしてなによりも、こんなところで自分の欲望のためにと命を散らせたくもないからだ。主人公ではなくても、ふつうのしあわせもあるんだと彼に教えてあげたかったのだ。
「勇者さん、娘をありがとうございます! 家も新築できて最高っす」
いきなりガハハと女のお父さんが、大きな腕で俺の首をしめてきた。
「新築ッ!? まあよくわかんないですけどそれはよかった」
俺もガハハと返して笑いあった。
娘はそれをみて笑っていた。
しばらくして俺は最初から浮かんでいた疑問を彼女に投げかけた。
「で、その服はどうしたんだよ?」
彼女は、めっちゃ貴族が着そうな服を着ていた。
なんだか、聞いちゃいけなかったかも。
「え、えええ別に私はさっきの男からパクッ…… ちがうコレは自分の普段着ですよッ!!」
あーなるほど。
やっぱどこの世界も、馬鹿ばっか。
(そのあと勇者だった男は全裸で路上に眠っているとことを俺が保護しました)
目を凝らしてみると彼は、俺が探している勇者であったとわかった。
すぐさま俺は、急降下して彼らの前に降りた。
「おいッ!! まてコラあ!!」
俺は怒号を放つようにして声を発すると、隕石のようにして俺は彼らの目の前を急降下して降り立った。
「誰だお前ッ!!」
男は腰が抜けたようにして俺におじ下つきながらも、俺の招待を反射的に聞いていた。
「西 強矢〈さい きょうや〉さんこの人はだれ!?」
隣にいた女性が、パニックになったように俺のことを彼に聞いている。
「まってくれフェリアちゃん、いまこの人の正体を暴いてみるよ」
男は数秒ほど黙ると、なにか視覚情報で俺の身体を興味深そうに観察する。
そしてあきれるようにしてこう言い放った。
「ただの空を飛べる一般人か。しかしキュピー族でもない君がなぜ空を飛べるんだい?」
キュビー族とはこの世界で唯一飛べる種族の亜人である。
それを彼は俺と混同して誤解しているらしい。
「あんなイケメンでもねえよまあ俺は「ステータスはそこらあたりの並の雑魚モンスター以下、そんな君が僕にどんなようがあるんだい?」
俺の話を断ち切るようにして話し出した。ちょっとだけその上から見下すような態度とともに、俺は腹が立ってしまった。
ここは深呼吸をして、怒りは後の戦いでとっておくことにしよう。
しかしだここまで傲慢なのはゆるせねえ。
「あのなあ話は最後まで聞けっての、俺は魔王だよ」
「ぶははははははは、ナに言ってんだお前ッ!!」
男は隣にいた女と笑い出した。そして俺に中二病乙ですとあざ笑う。そしてとなりにいた女も意味は理解していないが、なんとなくだが、理解していたらしく、男と共に笑っている。
「おめえが魔王って冗談もほどほどにな」
苦笑すら混じった口舌。それに呆れた俺は言い返す。
「あのなあ、人は見た目によらないって言うだろ。まあ確かに序盤で魔王ってのも信じれないよなあ……」
今日、異世界に来たばかりの彼であろう。
そして俺は、彼の相手をしているのだ。
この世界で、絶対に倒さなければならない”魔王”として(相手が信じているかどうかは別にして)。
「ふん! おめえみたいな頭のおかしい魔王なんているか。だいたい魔王ってのは手下に指図をして、俺たち勇者の邪魔をするような存在だろう。もしかしてあれか? 『人望が無さ過ぎて手下はいないんですぅ』って感じか?」
ぐうも出ないような洞察力と俺のモノマネのような言い方にイラッときながら、俺はこう言い返した。
「んじゃ決闘を申し込む。手加減はしないぞ」
さすがに頭にきた俺は背中から大剣を取り出した。そして目の前に立っていた男に突きつける。
「どうせそれもみせかけのへぼ武器なんだろうッ!!」
「戦ってみないとわかんないよな、とりあえずこの武器めッちゃ強いぞ」
だってあの人からもらったんだもん、ドラゴンなんて一振りで死亡するぞ。
「フェリアちゃんちょっと下がっておいて」
男は言葉とはまるで違う妙に紳士になって女に引くように促した。
「赤いマントを取り出して、俺はこの武器を使うぜッ!」
いちいち自分の行動をナレーションして戦闘隊形になた。
しかし、男が手に持っていた武器はいたって普通のこんぼうであった。
「あれか、最弱武器が神のご加護で強化されまくってるって設定のやつか?」
「いいやコレは違う! 真に最強の武器だぜ!!」
「なにを言ってんだお前、この作者の頭の出来を疑われるぞ」
俺はあきれるようにして彼に言った。
「いくぜ!! 神ご加護+∞の力をッ!!」
話は聞いていないようである。
ようするに、このこんぼうにはとんでもない能力が付いているといったものであった。
「ほれ、スキル無効化」
「おらああああああああああああああああああああ」
俺はスキル無効化能力でやつのイカれた能力を封じ込めた。
そしてなにふりかまわず突っ込んでくる男の足を引っ掛けて地面に転がしてやった。
男が倒れるところに歯車を無理やり回すようにして、高等部に手刀を入れた。
すると男は気絶した。
男の手に持っていたこんぼうを、いくらか何ヶ月かくらい生きられるゼニーに変えておいた。
正直このゼニーは今の有り金全部なのだ。
このゼニーでリーノの給料にもしようと思ってたんだけど……
まあいっか。
これでこいつもここで更正できるといいけどな。
シューと俺の一連の行動を見ていた女のあたりに煙が出てきた。
「あれッ!! ここどこ!?」
まるで記憶喪失のように彼女はあたりを見渡していた。
「ゆうしゃのスキルから目覚めましたか、では村まで案内します帰りましょうか」
「そうだったんですか…… しかしあの人は大丈夫なんですか?」
「大丈夫です、この世界は案外やさしくできていますから」
「私には見過ごせません!!」
女はそういって、倒れている勇者の下へと駆け寄っている。
「大丈夫ですか?」
俺はその行動に驚いた。彼女は、勇者スキルによって催眠にかかっていたにもかかわらず、その男へと駆け寄っていたのだ。それもその男は中年である。
そんなやさしさがこの世界にあったなんて俺は、この世界もすてたものではないと思った。
「かあちゃん、俺ここでハーレム作るんだ…… むにゃむにゃ」
男は満足そうに、眠っていた。
「そうですか…… ではその男とともに村に帰りましょうか」
彼女のやさしさに、俺は目から涙が出そうになった。
「はいッ!! 私たちを一緒に運んでください」
なんだかすごいことで愛も芽生えるんだなとよくわからないような感想が出てきた。
まああれだ。この男も、この女性となら、良い人になるだろう。
おだやかな心になった俺は、二人を担いで、村へと帰っていった。
村へと帰った俺は、なんだかよくわからない英雄として祭り上げられた。
そして流れで酒場にやってきた。
「魔王様がまた人をお救いなられた!! 酒だ! 酒をもってこい!!」
一人のおじいさんが俺にいろいろあーだこーだしてきた。
正直酒は大好き。ごめんなさい僕、未成年です。
「いやいや俺はなにもしてないですよッ!!」
本当に、俺はなにもしていない、行き当たりばったりでこの世界でも生きているのだ。
だから魔族からも嫌われているのである。
そしてしばらくしていると、あの俺が助けた女性が、ありがとうございますといってきた。
「あの勇者さんはどうしたんですか?」
「わたしの家で寝ています、歳はかなりありそうですけどとてもかわいい人です」
まるで初恋のように彼女は微笑む。
そんな彼女に、俺はすこしだけ安心している。
「それはよかったです」
本当によかった。チートに頼らなくてもこの世界はやっていける。
それを彼にも教えてあげたかった、そしてなによりも、こんなところで自分の欲望のためにと命を散らせたくもないからだ。主人公ではなくても、ふつうのしあわせもあるんだと彼に教えてあげたかったのだ。
「勇者さん、娘をありがとうございます! 家も新築できて最高っす」
いきなりガハハと女のお父さんが、大きな腕で俺の首をしめてきた。
「新築ッ!? まあよくわかんないですけどそれはよかった」
俺もガハハと返して笑いあった。
娘はそれをみて笑っていた。
しばらくして俺は最初から浮かんでいた疑問を彼女に投げかけた。
「で、その服はどうしたんだよ?」
彼女は、めっちゃ貴族が着そうな服を着ていた。
なんだか、聞いちゃいけなかったかも。
「え、えええ別に私はさっきの男からパクッ…… ちがうコレは自分の普段着ですよッ!!」
あーなるほど。
やっぱどこの世界も、馬鹿ばっか。
(そのあと勇者だった男は全裸で路上に眠っているとことを俺が保護しました)
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