手違いダンジョンマスター~虐げられた魔物達の楽園を作りたいと思います~
ユキムラの話
<ユキムラ>
「はてさて、どうしたものか……」
某の名はユキムラ、スライムのユキムラである。ある日、とある土地にて草を溶かして必要のない食事をしていたところ、突然薄暗い空間へと喚び出された。
最初は訳がわからず混乱をしていたのだが、スライムとは元々知性の殆ど存在しない魔物。某はそれなりにあったものの、大したことはなく少し物事を考えられる程度のスライムであった。
恐らく生まれが関係していたのだろうか、まぁ、そんなことはどうでも良い。
何より驚いたのは某の目の前に人間が居たことである。人間と言うのは某、初めて見るので最初はわからなかったのだが聞いていた特徴と一致したので恐らくそうなのだろうと拙いが理解はした。
この者が某をここへ喚びつけたのだろう。某の様なスライムごときを喚び出した所で良いことは無いと言うのに変わった人間だ。
まぁ、某無駄に暇だったのでこの人間の行動に付き合ってやるのも悪くはないと思ったのだが、この変人はなんと、某に名前をつけたのだ。
その時からだろうか、靄が晴れた様に思考がスッキリした気がするのは。……知能が上がったと言うのが感覚的に分かったのだ。
もしやこの人間……物凄く凄いのでは!?
何故って某に名を授けたと思えば次の瞬間には他にもスライムを召喚したのだから。それも某の部下と来たものだ。
この時点で某は凄いお方に出会ったのだと思った、運命である!
その後、少し訓練を受けたがどれも聞いたこともない、通常のスライムならばまず思いつかないであろう攻撃方法を教えて頂いたのだ。
ただのスライムである某を1つの組織の頭として配置してくれるという心の広さ、そして高度な戦略技術の指南は聡明であることを物語っているのだ。
極めつけは某に与えた部下だ。その部下を十勇士と名付け、更に個人に名前をつけるという寛大さ。敬服だ。決めた、某、このお方に着いていくと。
そして余りの興奮に話しかけてみたのだか、主は驚いていた。正直に言うと某もかなり驚いた。喋るスライムなど某が世界初なのではと思った。
まぁ、そのあと他の十勇士全員喋る事ができてあっけない終わりだったのだが……そんなことは気にしない。主に遣えることこそ喜びなのだから。
そして主の正体なのだが、だんじょんますたぁ? なるものらしく、良くわからぬが主のことだ素晴らしい役職に違いない。
そして某はそのだんじょんとやらを守って欲しいとのこと。
その後、我が十勇士の1人、サスケが現れたのだが主は気づいていたらしい。流石だ、サスケに背後から出てくるように言ってみた。主を試したのだがバレバレだった訳だ。
主は只者ではないことが分かった。
サスケは少々礼儀に欠けるが主に忠誠は誓っておるし、実力者なので某もそこまで強くは言わない。
ここで先程の思考に戻るが、主が某達の違いが分からぬと言っておりました。某達からすればよく分からぬのだが、主の頼みは聞くために存在する。
ふと考えにフケていると主も何やら悩んでいる様子……ふむ、体が不潔ではないかと気にしている様だったので、スライム特有の雑食性で汚れを取ってみた。無礼ではと思ったのだが主は心が広く寧ろ感じされて某、興奮した。
嬉しさの余り、他の十勇士に自慢したら羨ましがられた。ふふふ、これこそ護衛の特権なのだ、お主達も励むが良い。
喜びの余りはぐれたのだが主は直ぐに見つかりお声をお掛けしたら驚かれた。申し訳ないことをしてしまったのだが、その後、主が突然倒れたのだ。某は余りの驚きに何故かその場を飛び出し1層にある森林エリアを走り回った。
思えば何故あのようなことをしたのか分からない。
落ち着いた後に主の元へと向かったのだがそこにはいつの間にかもう1人人間がいたのだ。
外敵かと思い主を守るために攻撃を仕掛けようとしたのだが主な抱き止められた。その時は天にも昇る気分であった。これ、自慢しようと思ったぞ。
そして、その主と某と向かい合っている女子、自分をだんじょんだと言いおった、バカも休み休み言え。主も信じてはいなかったのだが、女子は自らが座っている地面を盛り上げる等と言うだんじょんの機能を使いおったのだ。
話を聞く限り主のスキルのお陰で魔物化したらしい。
その女子、図々しく主から名を貰おうとしていた。不届き者めが!
……だが心の広い主、名をあっさりとつける。寛大さに感謝するが良い! 流石は主!
そして女子の名はラビィとなった。主からイチゴミルクなるものを受け取りおかわりまで要求したときは殺意が沸いたが某、寛大なので許すことにした。上に立つ者の務めである。
そしてその後は主と行動を共にするために某は強くならねばならぬ故、口惜しいが主とは離れて十勇士達と特訓を開始、着々と実力を伸ばした。
侵入者もいたのだが、適材適所、サスケに任せ、監視をサイゾウへと頼んだ。主からのお達しだ断ることは許さぬ。
しかしサスケもサイゾウも素早く、隠密性が高い。性格は軽いが、重宝するなと某は思う。
他の皆はまだ何ができるか探しているらしいが気長に行くと良い。
侵入者を排除し、某は主と共に外へ出た。ゴブリン等に会ったのだがあの程度は造作もない。直ぐに返り討ちにしてやった。
だがあれは強かった。
主の実験にて謎の木の実をゴブリンが食べ、何故か進化を起こし、ホブゴブリンななったのだ。耐久力は有ったのだが如何せん動きはおそかったので某の勝利は揺るがなかった。
その後は主に頼み込んで、だんじょんにゴブリン達が移住し、某達と同じようにだんじょんの防衛に勤めてもらうことになった。
訓練も開始したのだが、まだまだ弱い。今後に期待する。
ある日、主が某達が訓練を行っている第3層の何もないエリアに訪れ、十勇士達は久し振りに出会うこととなったのだ。
その前に、主が言っていた見分けがつくようにした。サスケから聞いたのだが周囲の景色に溶け込む様に体の色を変えることが出来ると言う事らしい。
これをヒントに皆体の色を変えることで差別化を計り、主も満足な様だった。
ここからが問題だ。
なんと、主が再び外へと出るらしい。今度は少し遠くへと赴くと言うことで誰かに着いてきて欲しいとのことだ。
無論、某、めっちゃ行きたい。だが、それは皆も同じだ。誰が行くかで揉めたりもしたし、主も色々と頭を悩ませていた。
だが、聡明である主はるーれっととやらを取りだし、某達に見立てた玉を入れ、某達の体と同じ色が出ればそれらを連れていく様だ。
当たれ、当たれぇ! と、祈っていたのだが結果はむなしく惨敗。護衛はサイゾウとユリとなった。
まぁ、サイゾウは危険の感知が早いので護衛にも向いているだろう。問題はユリの方である、いつもオドオドしているので見ていて不安なのだ。
だが心配は一切しておらん。奴は言っておくが十勇士の1人、弱い訳がないのだから。
と言うか主に何かあったら某がお主らぶっ倒すので覚悟しておけ。
2日後には出発するらしく、主も準備のために帰って行った。某も手伝おうかと思ったのだが、邪魔になるといけないと思い踏みとどまった。
悔しそうにしている十勇士の1人ロクロウと同じく十勇士のモチを慰めておくとしよう。
それに、某達はもっと強大な敵と戦うかもしれない。主の足手まといは後免なのでもっと訓練と技の研鑽を行い、主に認めてもらうのだ。
見ていてくだされ主よ、このユキムラ主に降りかかる火の粉を防ぎ、立ちはだかる壁を貫く槍となりましょうぞ!
「はてさて、どうしたものか……」
某の名はユキムラ、スライムのユキムラである。ある日、とある土地にて草を溶かして必要のない食事をしていたところ、突然薄暗い空間へと喚び出された。
最初は訳がわからず混乱をしていたのだが、スライムとは元々知性の殆ど存在しない魔物。某はそれなりにあったものの、大したことはなく少し物事を考えられる程度のスライムであった。
恐らく生まれが関係していたのだろうか、まぁ、そんなことはどうでも良い。
何より驚いたのは某の目の前に人間が居たことである。人間と言うのは某、初めて見るので最初はわからなかったのだが聞いていた特徴と一致したので恐らくそうなのだろうと拙いが理解はした。
この者が某をここへ喚びつけたのだろう。某の様なスライムごときを喚び出した所で良いことは無いと言うのに変わった人間だ。
まぁ、某無駄に暇だったのでこの人間の行動に付き合ってやるのも悪くはないと思ったのだが、この変人はなんと、某に名前をつけたのだ。
その時からだろうか、靄が晴れた様に思考がスッキリした気がするのは。……知能が上がったと言うのが感覚的に分かったのだ。
もしやこの人間……物凄く凄いのでは!?
何故って某に名を授けたと思えば次の瞬間には他にもスライムを召喚したのだから。それも某の部下と来たものだ。
この時点で某は凄いお方に出会ったのだと思った、運命である!
その後、少し訓練を受けたがどれも聞いたこともない、通常のスライムならばまず思いつかないであろう攻撃方法を教えて頂いたのだ。
ただのスライムである某を1つの組織の頭として配置してくれるという心の広さ、そして高度な戦略技術の指南は聡明であることを物語っているのだ。
極めつけは某に与えた部下だ。その部下を十勇士と名付け、更に個人に名前をつけるという寛大さ。敬服だ。決めた、某、このお方に着いていくと。
そして余りの興奮に話しかけてみたのだか、主は驚いていた。正直に言うと某もかなり驚いた。喋るスライムなど某が世界初なのではと思った。
まぁ、そのあと他の十勇士全員喋る事ができてあっけない終わりだったのだが……そんなことは気にしない。主に遣えることこそ喜びなのだから。
そして主の正体なのだが、だんじょんますたぁ? なるものらしく、良くわからぬが主のことだ素晴らしい役職に違いない。
そして某はそのだんじょんとやらを守って欲しいとのこと。
その後、我が十勇士の1人、サスケが現れたのだが主は気づいていたらしい。流石だ、サスケに背後から出てくるように言ってみた。主を試したのだがバレバレだった訳だ。
主は只者ではないことが分かった。
サスケは少々礼儀に欠けるが主に忠誠は誓っておるし、実力者なので某もそこまで強くは言わない。
ここで先程の思考に戻るが、主が某達の違いが分からぬと言っておりました。某達からすればよく分からぬのだが、主の頼みは聞くために存在する。
ふと考えにフケていると主も何やら悩んでいる様子……ふむ、体が不潔ではないかと気にしている様だったので、スライム特有の雑食性で汚れを取ってみた。無礼ではと思ったのだが主は心が広く寧ろ感じされて某、興奮した。
嬉しさの余り、他の十勇士に自慢したら羨ましがられた。ふふふ、これこそ護衛の特権なのだ、お主達も励むが良い。
喜びの余りはぐれたのだが主は直ぐに見つかりお声をお掛けしたら驚かれた。申し訳ないことをしてしまったのだが、その後、主が突然倒れたのだ。某は余りの驚きに何故かその場を飛び出し1層にある森林エリアを走り回った。
思えば何故あのようなことをしたのか分からない。
落ち着いた後に主の元へと向かったのだがそこにはいつの間にかもう1人人間がいたのだ。
外敵かと思い主を守るために攻撃を仕掛けようとしたのだが主な抱き止められた。その時は天にも昇る気分であった。これ、自慢しようと思ったぞ。
そして、その主と某と向かい合っている女子、自分をだんじょんだと言いおった、バカも休み休み言え。主も信じてはいなかったのだが、女子は自らが座っている地面を盛り上げる等と言うだんじょんの機能を使いおったのだ。
話を聞く限り主のスキルのお陰で魔物化したらしい。
その女子、図々しく主から名を貰おうとしていた。不届き者めが!
……だが心の広い主、名をあっさりとつける。寛大さに感謝するが良い! 流石は主!
そして女子の名はラビィとなった。主からイチゴミルクなるものを受け取りおかわりまで要求したときは殺意が沸いたが某、寛大なので許すことにした。上に立つ者の務めである。
そしてその後は主と行動を共にするために某は強くならねばならぬ故、口惜しいが主とは離れて十勇士達と特訓を開始、着々と実力を伸ばした。
侵入者もいたのだが、適材適所、サスケに任せ、監視をサイゾウへと頼んだ。主からのお達しだ断ることは許さぬ。
しかしサスケもサイゾウも素早く、隠密性が高い。性格は軽いが、重宝するなと某は思う。
他の皆はまだ何ができるか探しているらしいが気長に行くと良い。
侵入者を排除し、某は主と共に外へ出た。ゴブリン等に会ったのだがあの程度は造作もない。直ぐに返り討ちにしてやった。
だがあれは強かった。
主の実験にて謎の木の実をゴブリンが食べ、何故か進化を起こし、ホブゴブリンななったのだ。耐久力は有ったのだが如何せん動きはおそかったので某の勝利は揺るがなかった。
その後は主に頼み込んで、だんじょんにゴブリン達が移住し、某達と同じようにだんじょんの防衛に勤めてもらうことになった。
訓練も開始したのだが、まだまだ弱い。今後に期待する。
ある日、主が某達が訓練を行っている第3層の何もないエリアに訪れ、十勇士達は久し振りに出会うこととなったのだ。
その前に、主が言っていた見分けがつくようにした。サスケから聞いたのだが周囲の景色に溶け込む様に体の色を変えることが出来ると言う事らしい。
これをヒントに皆体の色を変えることで差別化を計り、主も満足な様だった。
ここからが問題だ。
なんと、主が再び外へと出るらしい。今度は少し遠くへと赴くと言うことで誰かに着いてきて欲しいとのことだ。
無論、某、めっちゃ行きたい。だが、それは皆も同じだ。誰が行くかで揉めたりもしたし、主も色々と頭を悩ませていた。
だが、聡明である主はるーれっととやらを取りだし、某達に見立てた玉を入れ、某達の体と同じ色が出ればそれらを連れていく様だ。
当たれ、当たれぇ! と、祈っていたのだが結果はむなしく惨敗。護衛はサイゾウとユリとなった。
まぁ、サイゾウは危険の感知が早いので護衛にも向いているだろう。問題はユリの方である、いつもオドオドしているので見ていて不安なのだ。
だが心配は一切しておらん。奴は言っておくが十勇士の1人、弱い訳がないのだから。
と言うか主に何かあったら某がお主らぶっ倒すので覚悟しておけ。
2日後には出発するらしく、主も準備のために帰って行った。某も手伝おうかと思ったのだが、邪魔になるといけないと思い踏みとどまった。
悔しそうにしている十勇士の1人ロクロウと同じく十勇士のモチを慰めておくとしよう。
それに、某達はもっと強大な敵と戦うかもしれない。主の足手まといは後免なのでもっと訓練と技の研鑽を行い、主に認めてもらうのだ。
見ていてくだされ主よ、このユキムラ主に降りかかる火の粉を防ぎ、立ちはだかる壁を貫く槍となりましょうぞ!
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