創成の転生者〜最強魔導師の転生記〜
第22話 魔法検査
ちょっとした友人ができたところで、ホームルームの鐘がなる。と同時に、先生と思われる男性が教室に入って来た。茶色い短髪の中年男性といった感じだ。
「お〜し、ホームルーム始めるぞ〜・・っと昨日いなかった奴がいるな」
クラスの視線が僕に集まる。が、僕は特に気にすることなく先生を見ている。
「昨日は学園長に呼ばれてたんだったな。他の奴らにはしたが、自己紹介をしておこう。俺はアグニス=ノートルだ。このクラスの担任だ。よろしくな」
「よろしくお願いします」
僕は軽く会釈しながら挨拶を返す。先生は頷いてから、今日の予定を話し始める。
「昨日も伝えたが、今日は魔法の実力テストがある。まあ、入学して来た奴らの魔法をチェックするって感じだ。ホームルームが終わったら、すぐに4棟の実習場に移動するようにな。それが終わったら、教室で各自の自己紹介と行こうか」
先生はそれだけ伝えると教室を後にした。教室の中は、魔法の実習ということもあり、浮かれているものや、不安そうにしているものがいた。僕は隣にいるアドルに話しかける。
「いきなり実習みたいですね」
「そうだね。僕は少しだけ楽しみかな。魔法には自信があるからさ」
「少し意外ですね。もっと緊張しているものだと思っていましたが」
「僕は実習よりもこの教室の方が緊張するよ。貴族様たちが多いからね。平民にはきついよ」
「確かに・・・」
僕とは全く別の理由できついんだと思うが、苦手であることは変わりない。いい仲間を見つけたと内心喜んでいる。そのままアドルと話をしながら教室を後にし、4棟に向かった。
◇
実習場にはすでに何人かのクラスメイトが集合していた。僕らもかなり早くに来たと思ったのだが、やる気のある人もいるらしい。しばらく待っていると、大体の生徒が集まって来たが、未だに来ない不真面目な生徒もいるようだ。
「ったく。誰だよ来ない奴は」
先生が不機嫌そうに呟く。初っ端から授業に遅刻するとは逆にすごいと思った。僕がそう思っていると、遅れた人たちが到着した。
「おいお前ら。遅いぞ。何やってたんだ」
すると遅れて来た3人の中の1人が発言する。
「だってよ先生。平民風情と一緒に授業するとか思ったら気分が萎えちまった」
「おい。ここで差別発言はやめろ」
「差別じゃねーっすよ。俺たち貴族な訳だし」
やはり、貴族の中にはあのようなゴミもいるようだ。僕は心の底から嫌悪する。が、表には出さず取り繕っている。
「もういい。お前は好きにいっていろ。ただ、何か妙な行動を取った場合、即学園長に話を通し退学だと思えよ?」
「・・・っけ」
ゴミ貴族が吐き捨て、先生は授業を開始する。
「じゃあ、出席番号順に見ていくぞ。自分の一番得意な魔法を全力で放て。んで奥にある人形に当てろ。それで現状の目安ランクを言っていくからな」
とのことなのだが、僕が全力の魔法なんてぶっ放したら、実習場どころか学園が消滅してしまうことになりかねない。なのでかなり威力を抑えることにする。それでもBランクくらいの判定はされてしまうかもしれないが・・・
「じゃあ、出席番号1番!こっち来て魔法放て」
「はい」
前に出て来たのは、栗色のショートヘアの女の子だった。見た目からして大人しそうな子だが、いったいどんな魔法を使うのやら・・・
「いきます。【ファイアアロー】」
炎の初級魔法をファイアアロー。炎を矢とかし、前方に放つシンプルな魔法だ。炎の矢は真っ直ぐに飛んでいき、人形に直撃した。が、人形はビクともせずに立っていた。魔法というのは込める魔力の量によって威力が変わる。あの子魔力量はそのくらいだったのだろう。
「魔法自体は綺麗だが、威力にかけるな。まあ、Eランクってとこか」
「Eですか・・わかりました。ありがとうございました」
その女の子は若干不満そうにし、先生の前を後にし、他の女の子たちのもとへと戻って行った。
「じゃあどんどんいくぞーー」
それから次々に魔法を放って行った。が、ほとんどがFかEランクだ。たまにCランクがいるくらいである。そして、次はあの遅刻して来た連中のリーダー格のゴミ貴族だ。
「お前は問題児のようだからな。魔法で挽回してみせろ」
「へっ!俺をあんな雑魚どもと一緒にされたら困るぜ」
その言葉にクラスメイトたちが機嫌を悪くしたようだ。これであお傲慢なゴミはクラスから嫌われることとなるだろう。僕には全く関係ないが。
ゴミ貴族が魔法を放つ。適性は火のようだ。
「いくぜ!【フレイムランス】!!」
炎が槍の形に変化する。その槍は人形に直撃し、周りの地面も少し焦がした。人形に傷などは付いていないが、結界と思われる膜がそれなりに揺らいだ。
「ほお。実力はあるみたいだな。Cランクだ」
「はあ?これでCだ?先生の評価おかしいんじゃね?」
「これくらいが普通だBランク以上はこんなものではないぞ」
「ちっ」
態度は悪いが、人よりはできるみたいだ。僕は少しだけ思ったが、ゴミはゴミに変わりない。なので評価か変わらない。
そのあと数人してから
アドルの番が来た。だが、アドルの番になった瞬間に、あのゴミがいきなり大声でほざいた。
「おいおい!平民風情が魔法かよ!貴族様の場所に入ってくるとか無謀すぎんだろ!!」
うっとおしいが、僕は無視してアドルにむけて応援する。
「気にしなくていいですよ。頑張ってください」
「まあ、言われることは覚悟してたから」
心配なさそうだ。アドルは自分の力を出し切ってくれるだろう。あのゴミはまだほざいているがいい加減飽きて来た。耳が汚れるのでやめてほしい。
「アドル。あいつは気にしなくていいぞ。頑張ってやれ」
「はい!先生!」
先生からも激励してもらったところで、アドルは魔法を放った。彼の適性は水だった。
「【ウォータースナイプ】」
水の初級魔法であるが、その精度も威力も文句なしだろう。12歳が放つ魔法とは思えないくらいだ。水の弾丸は人形に吸い込まれるように着弾し、結界に微かだが、亀裂を入れた。
「いい魔法だな。威力も十分。だが範囲が狭いな。お前は1対1なら強いが、複数はきつい。まあ、Cランクだな」
「Cですか。わかりました。。ありがとうございました」
アドルはあまり嬉しそうではないが、試験を終了した。僕は声をかける。
「お疲れ様。あまり嬉しそうじゃないけれど、どうしたんですか?」
「嬉しくないわけじゃないんだよね。でも、父さんの魔法には近づけてないなって思って」
そういうことだったのか。おそらくアドルの父親はそれなりの魔導師だったのだろう。と、思っていると僕の番が来た。
「最後、えっと・・ユリエルか。お前もこっちに来い。始めるぞ」
「はい」
僕が最後のようだ。結構長く感じたが、やっとできる。僕は全力でやるわけにはいかないので、かなり手加減してやろうと思う。だが、次に聞こえた声に、僕は少しだけ魔力を多く込めてもいいだろうと思った。
「おい!お前も平民らしいな!魔法の質は親の質も影響するんだぞ!お前のチンケな親がすげえわけねえんだ!早く惨めな魔法を見せてみろよ!!」
パキッ
「え?」
先生が声を漏らす。僕の方から妙な音がしたからだろう。
この音は、僕の身体の氷が割れる音。
僕は身体の一部を氷に変化させていた。それは右掌の内側であるため、周りからはわからない。僕は魔法を発動させた。若干イラつきながら。
「【氷塊落花】」
上空に少し大きい氷の花が出現。おそらく2メートルほどだろう大きさの花が、人形めがけて落下していく。花は人形に激突し、人形の周囲15メートルほどを凍りつかせた。人形に至っては、結界が完全に破壊され、人形を氷が貫通している。
これだけでも凄いが、これは僕の魔力の2%程で放った魔法である。クラスメイトたちは驚愕の顔を作っている。あのゴミ貴族も、開いた口が塞がらないといったように、口を開けている。
僕は笑顔で先生に聞く。
「こんな感じでいいですか?」
「あ、ああ。これならAランクだ・・・」
クラスメイトたちがさらに驚く。が、ゴミ貴族が食ってかかって来た。
「お、おお、お前がAランクなはずねーだろ!!!何しやがった!!」
僕の胸ぐらをつかもうとして来たが、その動きが止まる。
僕がこいつの運動そのものを凍結させた。こいつは動けない。僕はこのゴミに言う。敬語をなくし、声を低くさせ、冷酷な目をしながら・・・
「おい・・・うるさいぞ・・・。氷になるか?」
「ひっ・・・!」
ゴミは黙ったので、凍結を解除する。するとゴミはその場に崩れ落ちた。
僕はクラスメイトたちの方へ歩いていくが、女子たちが熱っぽい視線で僕を見つめていたが・・・・なんなのだろうか?
「お〜し、ホームルーム始めるぞ〜・・っと昨日いなかった奴がいるな」
クラスの視線が僕に集まる。が、僕は特に気にすることなく先生を見ている。
「昨日は学園長に呼ばれてたんだったな。他の奴らにはしたが、自己紹介をしておこう。俺はアグニス=ノートルだ。このクラスの担任だ。よろしくな」
「よろしくお願いします」
僕は軽く会釈しながら挨拶を返す。先生は頷いてから、今日の予定を話し始める。
「昨日も伝えたが、今日は魔法の実力テストがある。まあ、入学して来た奴らの魔法をチェックするって感じだ。ホームルームが終わったら、すぐに4棟の実習場に移動するようにな。それが終わったら、教室で各自の自己紹介と行こうか」
先生はそれだけ伝えると教室を後にした。教室の中は、魔法の実習ということもあり、浮かれているものや、不安そうにしているものがいた。僕は隣にいるアドルに話しかける。
「いきなり実習みたいですね」
「そうだね。僕は少しだけ楽しみかな。魔法には自信があるからさ」
「少し意外ですね。もっと緊張しているものだと思っていましたが」
「僕は実習よりもこの教室の方が緊張するよ。貴族様たちが多いからね。平民にはきついよ」
「確かに・・・」
僕とは全く別の理由できついんだと思うが、苦手であることは変わりない。いい仲間を見つけたと内心喜んでいる。そのままアドルと話をしながら教室を後にし、4棟に向かった。
◇
実習場にはすでに何人かのクラスメイトが集合していた。僕らもかなり早くに来たと思ったのだが、やる気のある人もいるらしい。しばらく待っていると、大体の生徒が集まって来たが、未だに来ない不真面目な生徒もいるようだ。
「ったく。誰だよ来ない奴は」
先生が不機嫌そうに呟く。初っ端から授業に遅刻するとは逆にすごいと思った。僕がそう思っていると、遅れた人たちが到着した。
「おいお前ら。遅いぞ。何やってたんだ」
すると遅れて来た3人の中の1人が発言する。
「だってよ先生。平民風情と一緒に授業するとか思ったら気分が萎えちまった」
「おい。ここで差別発言はやめろ」
「差別じゃねーっすよ。俺たち貴族な訳だし」
やはり、貴族の中にはあのようなゴミもいるようだ。僕は心の底から嫌悪する。が、表には出さず取り繕っている。
「もういい。お前は好きにいっていろ。ただ、何か妙な行動を取った場合、即学園長に話を通し退学だと思えよ?」
「・・・っけ」
ゴミ貴族が吐き捨て、先生は授業を開始する。
「じゃあ、出席番号順に見ていくぞ。自分の一番得意な魔法を全力で放て。んで奥にある人形に当てろ。それで現状の目安ランクを言っていくからな」
とのことなのだが、僕が全力の魔法なんてぶっ放したら、実習場どころか学園が消滅してしまうことになりかねない。なのでかなり威力を抑えることにする。それでもBランクくらいの判定はされてしまうかもしれないが・・・
「じゃあ、出席番号1番!こっち来て魔法放て」
「はい」
前に出て来たのは、栗色のショートヘアの女の子だった。見た目からして大人しそうな子だが、いったいどんな魔法を使うのやら・・・
「いきます。【ファイアアロー】」
炎の初級魔法をファイアアロー。炎を矢とかし、前方に放つシンプルな魔法だ。炎の矢は真っ直ぐに飛んでいき、人形に直撃した。が、人形はビクともせずに立っていた。魔法というのは込める魔力の量によって威力が変わる。あの子魔力量はそのくらいだったのだろう。
「魔法自体は綺麗だが、威力にかけるな。まあ、Eランクってとこか」
「Eですか・・わかりました。ありがとうございました」
その女の子は若干不満そうにし、先生の前を後にし、他の女の子たちのもとへと戻って行った。
「じゃあどんどんいくぞーー」
それから次々に魔法を放って行った。が、ほとんどがFかEランクだ。たまにCランクがいるくらいである。そして、次はあの遅刻して来た連中のリーダー格のゴミ貴族だ。
「お前は問題児のようだからな。魔法で挽回してみせろ」
「へっ!俺をあんな雑魚どもと一緒にされたら困るぜ」
その言葉にクラスメイトたちが機嫌を悪くしたようだ。これであお傲慢なゴミはクラスから嫌われることとなるだろう。僕には全く関係ないが。
ゴミ貴族が魔法を放つ。適性は火のようだ。
「いくぜ!【フレイムランス】!!」
炎が槍の形に変化する。その槍は人形に直撃し、周りの地面も少し焦がした。人形に傷などは付いていないが、結界と思われる膜がそれなりに揺らいだ。
「ほお。実力はあるみたいだな。Cランクだ」
「はあ?これでCだ?先生の評価おかしいんじゃね?」
「これくらいが普通だBランク以上はこんなものではないぞ」
「ちっ」
態度は悪いが、人よりはできるみたいだ。僕は少しだけ思ったが、ゴミはゴミに変わりない。なので評価か変わらない。
そのあと数人してから
アドルの番が来た。だが、アドルの番になった瞬間に、あのゴミがいきなり大声でほざいた。
「おいおい!平民風情が魔法かよ!貴族様の場所に入ってくるとか無謀すぎんだろ!!」
うっとおしいが、僕は無視してアドルにむけて応援する。
「気にしなくていいですよ。頑張ってください」
「まあ、言われることは覚悟してたから」
心配なさそうだ。アドルは自分の力を出し切ってくれるだろう。あのゴミはまだほざいているがいい加減飽きて来た。耳が汚れるのでやめてほしい。
「アドル。あいつは気にしなくていいぞ。頑張ってやれ」
「はい!先生!」
先生からも激励してもらったところで、アドルは魔法を放った。彼の適性は水だった。
「【ウォータースナイプ】」
水の初級魔法であるが、その精度も威力も文句なしだろう。12歳が放つ魔法とは思えないくらいだ。水の弾丸は人形に吸い込まれるように着弾し、結界に微かだが、亀裂を入れた。
「いい魔法だな。威力も十分。だが範囲が狭いな。お前は1対1なら強いが、複数はきつい。まあ、Cランクだな」
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アドルはあまり嬉しそうではないが、試験を終了した。僕は声をかける。
「お疲れ様。あまり嬉しそうじゃないけれど、どうしたんですか?」
「嬉しくないわけじゃないんだよね。でも、父さんの魔法には近づけてないなって思って」
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「はい」
僕が最後のようだ。結構長く感じたが、やっとできる。僕は全力でやるわけにはいかないので、かなり手加減してやろうと思う。だが、次に聞こえた声に、僕は少しだけ魔力を多く込めてもいいだろうと思った。
「おい!お前も平民らしいな!魔法の質は親の質も影響するんだぞ!お前のチンケな親がすげえわけねえんだ!早く惨めな魔法を見せてみろよ!!」
パキッ
「え?」
先生が声を漏らす。僕の方から妙な音がしたからだろう。
この音は、僕の身体の氷が割れる音。
僕は身体の一部を氷に変化させていた。それは右掌の内側であるため、周りからはわからない。僕は魔法を発動させた。若干イラつきながら。
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僕は笑顔で先生に聞く。
「こんな感じでいいですか?」
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