創成の転生者〜最強魔導師の転生記〜
第13話 ソウル
セレスさんに拾われてから4年が経った。 僕はあれからセレスさんにいろんなことを教わった。料理や掃除などの身の回りのことや、属性魔法の制御方法のことなどを身につけていた。特に料理に関してはセレスさんより上手くなったかもしれない。そのため毎日の食事は僕が作っている。
セレスさんは僕の料理を食べてから任せるようになったのだ。
「ユリ〜。今日は何を作るの〜?」
「今日は猪のシチューを作りますよ」
僕はレパートリーがかなり増え、自分で考えた料理も作るようになった。
セレスさんは僕のオリジナルメニューが好きなようで、僕よりたくさん食べてしまう。なのであらかじめ自分の分を持っていかないとなくなってしまう。何回か全部食べられたことがあるのであるのだ。
「ほほ〜。今日も期待できそうね。じゃあそれまで時間があるから少し魔法について補足するわ」
「え?まだ魔法教わることがあったんですか?」
もう僕はほとんどの属性魔法を使いこなしているのだ。一体何を教わることがあるのだろうか・・・
「いまユリは魔法を何も補助具を無しに使っているわよね?」
「補助具?ですか?」
初めて聞いた単語だ。補助具というからには、発動する際になにかしらの効果があるのだろう。
「そう、補助具よ。私も持っているんだけど、補助具は基本的に武器の形をしているものが多いわね。私はこの指輪だけど」
と言って、人差し指についている指輪を僕に見せる。銀色に輝くシルバーリングで、中心に黄緑の宝石がはめ込んである。
「補助具はね、魔法師の間ではソウルと呼ばれているわ」
「ソウル・・・」
その意味は確か魂。どこの言葉の意味かは知らないが、ルーンの知識ではそうなっている。
「ソウルはね。モンスターの魔力源である魔核石を使って作るのよ。その魔核石に自分の魔力を流し込むと、自分専用のソウルが出来上がるの。それを自分の武器や装飾品につけると出来上がるの」
「それを僕も作ろうと?」
「そういうことよ」
補助具があると魔法の発動がスムーズになるようらしい。
しかし、補助具がない今の状態でも魔法は発動できている。いまさら必要なのか?とセレスさんに言ってみたところ。
「ソウルが無いと入学できないのよ。生徒は必ず自分のソウルを持っていることが校則だからね」
とのことだ。それならもっと早くに教えて欲しかった・・・
「実はそのソウルを作るのには2年かかるの。だから今くらいが丁度いいと思ったのよ。魔核石はもうあるから安心していいわよ」
「え?もうあるんですか?」
「ええあるわよ。っていうかユリが最初に倒したモンスターよ?」
それを聞いて僕は理解した。僕が最初に倒したモンスター。それはあのSSランクの怪物・・
「あなたのソウルはブラックサラマンダーの魔核石を使って作るわ。それにあなたの強大な魔力が加わるのよ。きっと最強も最強のソウルができあがるわ」
SSランクのソウルということになるのだろう。とんでもないソウルだ。しかし強すぎるとコントロールが聞かなくなるのではないかと心配になったが、その心配は無用だった。
「大丈夫よ。ソウルの素材に使うモンスターが強いほど魔法のコントロールはしやすくなるから」
だそうだ。それならブラックサラマンダーはかなりいい素材になるだろう。しかし一体いつ取りに行くのか・・・
「ふふふ。もうすでに魔核石は取ってきてあるわよ」
「またいつ持ってきたんですか?」
「あなたが寝てる間によ」
そんなことしなくても普通に取りに行けばいいのに・・・そう言ってやるとセレスさんはこう言った。
「驚かせるのにあなたに教えたら意味ないじゃない」
確かに驚いたけれども。というよりあの氷漬けの状態から取り出したのだろうか?よく魔核石は無事だったものだ。
「魔核石には濃密な魔力が入っているから魔法の影響は受けないのよ。ユリのあの魔法なら効くかもしれないけどね」
「そういうものなんですね」
便利な石だなと思う。セレスさんは持っていたバッグの中から直径50センチほどの魔核石を取り出した。無色透明な宝石のようだ。
「これが真核石よ。これにあなたの魔力を流し込んでソウルにしていくのだけれど・・・肝心の埋め込む方の形はどうするか決まってる?」
ソウルの本体となるものを言っているのだろう。僕は何故か、直感的にとあるものを連想していた。
「はい。決まっていますよ」
「そう。それなら良かったわ。どんな形にするの?」
セレスさんに問われ、僕は答える。ソウルの形は・・・
「槍です。デザインはすでにイメージができています」
「槍ね・・・ユリって槍が使えたの?」
「一応、武具全般使えますが、槍が一番しっくりくるんです」
この5年間での成果だ。SSSランカーのロドスさんから色々と指導してもらい、習得した。あの人は色々な武具も扱えるそうで、よく勉強させてもらったのだ。
「どんどん多彩になっていくわね。まあ、その槍はあなたが作るの?」
「ルーン魔法で作ります。もちろん、僕の魔力を入念に込めて」
「それはまた・・・もうSSSランクのソウルになりそうね・・・」
おそらくそうなるだろう。ルーン魔法で作ったものなら、僕の全魔力の4分の3ほど込めても大丈夫なのだから。どうせなら使い勝手のいいものを作りたいのだ。
「まあ、それは置いておいて。早速真核石に魔力を込めましょうか」
そういって僕らは、家の地下へと移動した。
◇
地下はちょっとした研究室のようになっており、ここで魔核石に魔力を込めるのだそうだ。僕の魔力は多すぎる上に濃密すぎるため、何が起きてもいいようにというセレスさんの配慮によるものだ。
「じゃあここに魔核石を置くわね」
部屋の中心にあった台に魔核石を置く。落ちたりしないように台の中心にくぼみがある。
「今からこの蓋をかぶせるから、かぶせる前に魔核石に掌を置いて魔力をゆっくり流し込むのよ。流し終わるタイミングは、魔核石が教えてくれるから」
「え?魔核石が?」
これ自体が教えてくれるとはどういうことだろうか?セレスさは苦笑しながら説明してくれた。
「別に石自体が喋るわけじゃないわ。ただ限界まできたら魔力が流れなくなるのよ」
なんだそういうことか。僕は少し勘違いをしてしまっていたようだ。
と、そんなやりとりをした後で僕は魔力を魔核石にこめ始めた。
「そう。ゆっくりでいいからね。慎重によ」
意識を最大限に集中させる。魔核石が、僕の持つ属性の色に変わっていく。赤から青へ、青から緑へ、緑から黄色へ、そして黄色から赤へと、一定の時間で切り替わっていく。とても幻想的な光景だった。
僕はその色にしばらく見惚れていた
◇
「あの・・・まだ終わらないんですかね?」
かれこれ30分近く魔力を込め続けているが、まだ魔力は入っていく。一体どれだけはいるのだろうか。
「おかしわね。本来なら10分もあれば終わるはずなんだけど・・・」
すでに僕の貯蔵魔力量を超えている。僕はすぐに回復してしまうので延々と流し続けているわけだが・・・
「あ、止まりました」
やっと止まったようだ。魔核石は先から同じように色の変換を繰り返している。
「こんな色見たことないんだけど・・・まあいいわね。これで準備は完了よ。後はこのまま寝かせて2年待つだけ。お疲れ様」
「いえ。これは僕に必要なものですから」
「ふふふ。その性格は変わらないわね。じゃあご飯にしましょ。早く作ってね?」
「下準備は終わっているのですぐにできますよ」
「あら。仕事が早いわね」
そんな会話をしながら地下室を後にした。一体どんな魔核石になるのやら。僕はとても楽しみだった・・・
〜そして、2年が経つ〜
セレスさんは僕の料理を食べてから任せるようになったのだ。
「ユリ〜。今日は何を作るの〜?」
「今日は猪のシチューを作りますよ」
僕はレパートリーがかなり増え、自分で考えた料理も作るようになった。
セレスさんは僕のオリジナルメニューが好きなようで、僕よりたくさん食べてしまう。なのであらかじめ自分の分を持っていかないとなくなってしまう。何回か全部食べられたことがあるのであるのだ。
「ほほ〜。今日も期待できそうね。じゃあそれまで時間があるから少し魔法について補足するわ」
「え?まだ魔法教わることがあったんですか?」
もう僕はほとんどの属性魔法を使いこなしているのだ。一体何を教わることがあるのだろうか・・・
「いまユリは魔法を何も補助具を無しに使っているわよね?」
「補助具?ですか?」
初めて聞いた単語だ。補助具というからには、発動する際になにかしらの効果があるのだろう。
「そう、補助具よ。私も持っているんだけど、補助具は基本的に武器の形をしているものが多いわね。私はこの指輪だけど」
と言って、人差し指についている指輪を僕に見せる。銀色に輝くシルバーリングで、中心に黄緑の宝石がはめ込んである。
「補助具はね、魔法師の間ではソウルと呼ばれているわ」
「ソウル・・・」
その意味は確か魂。どこの言葉の意味かは知らないが、ルーンの知識ではそうなっている。
「ソウルはね。モンスターの魔力源である魔核石を使って作るのよ。その魔核石に自分の魔力を流し込むと、自分専用のソウルが出来上がるの。それを自分の武器や装飾品につけると出来上がるの」
「それを僕も作ろうと?」
「そういうことよ」
補助具があると魔法の発動がスムーズになるようらしい。
しかし、補助具がない今の状態でも魔法は発動できている。いまさら必要なのか?とセレスさんに言ってみたところ。
「ソウルが無いと入学できないのよ。生徒は必ず自分のソウルを持っていることが校則だからね」
とのことだ。それならもっと早くに教えて欲しかった・・・
「実はそのソウルを作るのには2年かかるの。だから今くらいが丁度いいと思ったのよ。魔核石はもうあるから安心していいわよ」
「え?もうあるんですか?」
「ええあるわよ。っていうかユリが最初に倒したモンスターよ?」
それを聞いて僕は理解した。僕が最初に倒したモンスター。それはあのSSランクの怪物・・
「あなたのソウルはブラックサラマンダーの魔核石を使って作るわ。それにあなたの強大な魔力が加わるのよ。きっと最強も最強のソウルができあがるわ」
SSランクのソウルということになるのだろう。とんでもないソウルだ。しかし強すぎるとコントロールが聞かなくなるのではないかと心配になったが、その心配は無用だった。
「大丈夫よ。ソウルの素材に使うモンスターが強いほど魔法のコントロールはしやすくなるから」
だそうだ。それならブラックサラマンダーはかなりいい素材になるだろう。しかし一体いつ取りに行くのか・・・
「ふふふ。もうすでに魔核石は取ってきてあるわよ」
「またいつ持ってきたんですか?」
「あなたが寝てる間によ」
そんなことしなくても普通に取りに行けばいいのに・・・そう言ってやるとセレスさんはこう言った。
「驚かせるのにあなたに教えたら意味ないじゃない」
確かに驚いたけれども。というよりあの氷漬けの状態から取り出したのだろうか?よく魔核石は無事だったものだ。
「魔核石には濃密な魔力が入っているから魔法の影響は受けないのよ。ユリのあの魔法なら効くかもしれないけどね」
「そういうものなんですね」
便利な石だなと思う。セレスさんは持っていたバッグの中から直径50センチほどの魔核石を取り出した。無色透明な宝石のようだ。
「これが真核石よ。これにあなたの魔力を流し込んでソウルにしていくのだけれど・・・肝心の埋め込む方の形はどうするか決まってる?」
ソウルの本体となるものを言っているのだろう。僕は何故か、直感的にとあるものを連想していた。
「はい。決まっていますよ」
「そう。それなら良かったわ。どんな形にするの?」
セレスさんに問われ、僕は答える。ソウルの形は・・・
「槍です。デザインはすでにイメージができています」
「槍ね・・・ユリって槍が使えたの?」
「一応、武具全般使えますが、槍が一番しっくりくるんです」
この5年間での成果だ。SSSランカーのロドスさんから色々と指導してもらい、習得した。あの人は色々な武具も扱えるそうで、よく勉強させてもらったのだ。
「どんどん多彩になっていくわね。まあ、その槍はあなたが作るの?」
「ルーン魔法で作ります。もちろん、僕の魔力を入念に込めて」
「それはまた・・・もうSSSランクのソウルになりそうね・・・」
おそらくそうなるだろう。ルーン魔法で作ったものなら、僕の全魔力の4分の3ほど込めても大丈夫なのだから。どうせなら使い勝手のいいものを作りたいのだ。
「まあ、それは置いておいて。早速真核石に魔力を込めましょうか」
そういって僕らは、家の地下へと移動した。
◇
地下はちょっとした研究室のようになっており、ここで魔核石に魔力を込めるのだそうだ。僕の魔力は多すぎる上に濃密すぎるため、何が起きてもいいようにというセレスさんの配慮によるものだ。
「じゃあここに魔核石を置くわね」
部屋の中心にあった台に魔核石を置く。落ちたりしないように台の中心にくぼみがある。
「今からこの蓋をかぶせるから、かぶせる前に魔核石に掌を置いて魔力をゆっくり流し込むのよ。流し終わるタイミングは、魔核石が教えてくれるから」
「え?魔核石が?」
これ自体が教えてくれるとはどういうことだろうか?セレスさは苦笑しながら説明してくれた。
「別に石自体が喋るわけじゃないわ。ただ限界まできたら魔力が流れなくなるのよ」
なんだそういうことか。僕は少し勘違いをしてしまっていたようだ。
と、そんなやりとりをした後で僕は魔力を魔核石にこめ始めた。
「そう。ゆっくりでいいからね。慎重によ」
意識を最大限に集中させる。魔核石が、僕の持つ属性の色に変わっていく。赤から青へ、青から緑へ、緑から黄色へ、そして黄色から赤へと、一定の時間で切り替わっていく。とても幻想的な光景だった。
僕はその色にしばらく見惚れていた
◇
「あの・・・まだ終わらないんですかね?」
かれこれ30分近く魔力を込め続けているが、まだ魔力は入っていく。一体どれだけはいるのだろうか。
「おかしわね。本来なら10分もあれば終わるはずなんだけど・・・」
すでに僕の貯蔵魔力量を超えている。僕はすぐに回復してしまうので延々と流し続けているわけだが・・・
「あ、止まりました」
やっと止まったようだ。魔核石は先から同じように色の変換を繰り返している。
「こんな色見たことないんだけど・・・まあいいわね。これで準備は完了よ。後はこのまま寝かせて2年待つだけ。お疲れ様」
「いえ。これは僕に必要なものですから」
「ふふふ。その性格は変わらないわね。じゃあご飯にしましょ。早く作ってね?」
「下準備は終わっているのですぐにできますよ」
「あら。仕事が早いわね」
そんな会話をしながら地下室を後にした。一体どんな魔核石になるのやら。僕はとても楽しみだった・・・
〜そして、2年が経つ〜
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