創成の転生者〜最強魔導師の転生記〜
第7話 適性属性
「属性魔法を・・・・ですか?
彼女は自分を遠ざけるのではなく、むしろ近くに置こうとしてくれている。
「そうよ。あなたが外の世界でルーン魔法を使わなくても、十分に生きていけるように私が教えるの」
外でルーン魔法を使う危険性は先ほど聞いたので理解している。だが、セレスさんと同じ属性が向いているとは限らない。
そんな不安をセレスさんは少し違う方向に理解したらしく・・・
「大丈夫よ。何があっても見捨てたりしないから」
「・・・・はい」
また、少し泣きそうになってしまった。この人の優しさはとても心に染みてくる。両親だった者たちから、愛情など一切受けずに育ったのだ。これだけの優しさをくれた彼女は・・・母親のように見えた。
「じゃあ、これからお願いします」
「うん、よろしい!じゃあまず適性を調べましょうか」
先ほども少し述べたが、魔法には属性があり、その適性の魔法を使うことができる。ほかの属性も全く使えないという訳ではないが・・・出力は適性の100分の1ほどしか出すことができない。
ということで必然的に適性属性を主力として扱うことになる。
「じゃあ、ちょっと準備するわね」
そう言ってセレスさんは席を立ち、リビングの奥に置かれていた五角形の石版を持ってきた。各頂点には 赤、青、緑、黄、黒、の 5つの色の宝石が埋め込まれている。それぞれから1本の線が伸びており中心で5本が重なっている。
「適性を調べる石版よ。見るのは初めて?」
「はい・・・どうやって検査するんですか?」
なんとなく予想は付いているのだが・・・
「石版の中心に手を置いて魔力を流すのよ。魔力はほんの少しでいいからね」
たくさん流してしますと壊れてしまうかもしれないのだそうだ。僕の魔力ではちょっとのつもりが莫大な量になってしまうかもしれないので、慎重にやるべきだろう。
「じゃあ・・・いきます」
右手を石版の上に乗せ、少し・・・ほんの少しだけ魔力を流す。すると石版の黒い宝石のみ光らず、ほかの宝石は綺麗に光り出した。
セレスさんを見てみると、顔が引きつっている。
「よ、4属性持ち・・・これはまた規格外な・・・」
「これって多いんですか?」
正直よくわからない。ほかの人の適性を見たことはないのだ。
「多いも何も人間が持てる適性全てよ。黒いのは闇属性で、人間が持てる属性では・・・・あら?」
「え?」
セレスさんが石版を凝視している。僕もつられて石版をみる。
先程まで光っていなかった闇属性の黒い宝石が鈍く光っている。ほかの宝石は明るく輝いているのだが、鈍く、かすかに明滅しているのだ。
「どういうこと?少ししかないとはいえ、闇の適性があるなんて・・・・」
「でも、光は弱いですよ」
「多分、ほんの少しだけ闇の適性もあるんだと思うわ。闇属性持ちの人間なんて聞いたことないけど」
ほんの少ししかないのなら、使えないも同然だろう。つまり僕のメインに使う属性は、4つということになる。
「まあいいわ。属性はそれぞれ火、水、風、光、この4つよ。これはあくまで系統だから、氷とか雷とかも使えるわ。ちなみに私は風と光よ」
なんとなく察していた。僕の記憶をみるときに光の魔法を使っていたし、エルフには風の適性が多いと言われているからだ。
「まず最初に魔力を増やす修行をするんだけど、ユリエルは必要ないわね」
「これ以上増えても困りますから」
既に規格外の魔力量を誇っている。僕にはこれ以上魔力は必要ない。ということで必然的に次の修行から入ることになる。だが・・・
「修行は明日からやるから、どういう魔法を使うか今日考えておくのよ」
「え?今日はやらないんですか?」
てっきりすぐに始める者だと思っていたのだが・・・
「イメージが固まっていない状態で使っても魔法は使えないわよ。魔法はね、魔力を媒介にして自分の持つ系統の魔法をイメージで具現化させるものなのよ」
「・・・なるほどです・・・」
さすがは魔法に長けているエルフ族だ。魔法の仕組みまで知っていたとは。
ということで、魔法の適性がわかったので、夜は魔法のイメージを固めることにした。
◇
その夜。僕はセレスさんに言われた通り魔法のイメージを固めることにした。普通とは全く違う方法で・・・・
「【事象の原理を伝えよ】」
魔法とはイメージだと、セレスさんは言っていた。つまり、明確な原理を理解しているとイメージが固まりやすいと考えたのだ。
力を完全に継承した今ならわかるのだ。ルーン魔法は、全知の力でもある。知識をその身に宿すことができる。
「事象の原理をインプットできたな。これで魔法の行使が飛躍的に上がるはず・・・」
実際、自分の聞いたことのない言葉をいくつも使っている。セレスさんですら知らない言葉だ。
僕の魔法の万能さはとどまるところを知らない。だからこそ、無闇に使えば利用しようとしてくる輩が出てくるのだろう・・・
「明日の訓練は頑張ろう・・・」
そう思い目を閉じ、やがて夢の中に入っていくのだった・・・
◇
その頃のセレス。彼女は今、 地下にある書庫にいた。
ユリエルの魔法について調べていたのである。
「・・・・やっぱりないわね」
ユリエルの魔法は万能で強力すぎる。あの魔法単体で世界中の魔法師を相手にして圧勝してしまうほどの強さだ。
仮にも自分の養子であり弟子になるような子の魔法だ。セレスがある程度のことを把握しておく必要はあるのだが・・・
「どの時代の文献にもあんな規格外の魔法なんてないわね・・・」
どの本を読んでも見当たらない。セレス自身、数え切れないほどの文献や書物を読んでいるのだが、あの魔法について書かれた本など見たことはなかった。
「やっぱりあの魔法って・・・救世の魔導師の・・・」
彼女は一つの可能性を考えていた。
あの魔法は・・・歴史の英雄の魔法なのではないかと・・・
彼女は自分を遠ざけるのではなく、むしろ近くに置こうとしてくれている。
「そうよ。あなたが外の世界でルーン魔法を使わなくても、十分に生きていけるように私が教えるの」
外でルーン魔法を使う危険性は先ほど聞いたので理解している。だが、セレスさんと同じ属性が向いているとは限らない。
そんな不安をセレスさんは少し違う方向に理解したらしく・・・
「大丈夫よ。何があっても見捨てたりしないから」
「・・・・はい」
また、少し泣きそうになってしまった。この人の優しさはとても心に染みてくる。両親だった者たちから、愛情など一切受けずに育ったのだ。これだけの優しさをくれた彼女は・・・母親のように見えた。
「じゃあ、これからお願いします」
「うん、よろしい!じゃあまず適性を調べましょうか」
先ほども少し述べたが、魔法には属性があり、その適性の魔法を使うことができる。ほかの属性も全く使えないという訳ではないが・・・出力は適性の100分の1ほどしか出すことができない。
ということで必然的に適性属性を主力として扱うことになる。
「じゃあ、ちょっと準備するわね」
そう言ってセレスさんは席を立ち、リビングの奥に置かれていた五角形の石版を持ってきた。各頂点には 赤、青、緑、黄、黒、の 5つの色の宝石が埋め込まれている。それぞれから1本の線が伸びており中心で5本が重なっている。
「適性を調べる石版よ。見るのは初めて?」
「はい・・・どうやって検査するんですか?」
なんとなく予想は付いているのだが・・・
「石版の中心に手を置いて魔力を流すのよ。魔力はほんの少しでいいからね」
たくさん流してしますと壊れてしまうかもしれないのだそうだ。僕の魔力ではちょっとのつもりが莫大な量になってしまうかもしれないので、慎重にやるべきだろう。
「じゃあ・・・いきます」
右手を石版の上に乗せ、少し・・・ほんの少しだけ魔力を流す。すると石版の黒い宝石のみ光らず、ほかの宝石は綺麗に光り出した。
セレスさんを見てみると、顔が引きつっている。
「よ、4属性持ち・・・これはまた規格外な・・・」
「これって多いんですか?」
正直よくわからない。ほかの人の適性を見たことはないのだ。
「多いも何も人間が持てる適性全てよ。黒いのは闇属性で、人間が持てる属性では・・・・あら?」
「え?」
セレスさんが石版を凝視している。僕もつられて石版をみる。
先程まで光っていなかった闇属性の黒い宝石が鈍く光っている。ほかの宝石は明るく輝いているのだが、鈍く、かすかに明滅しているのだ。
「どういうこと?少ししかないとはいえ、闇の適性があるなんて・・・・」
「でも、光は弱いですよ」
「多分、ほんの少しだけ闇の適性もあるんだと思うわ。闇属性持ちの人間なんて聞いたことないけど」
ほんの少ししかないのなら、使えないも同然だろう。つまり僕のメインに使う属性は、4つということになる。
「まあいいわ。属性はそれぞれ火、水、風、光、この4つよ。これはあくまで系統だから、氷とか雷とかも使えるわ。ちなみに私は風と光よ」
なんとなく察していた。僕の記憶をみるときに光の魔法を使っていたし、エルフには風の適性が多いと言われているからだ。
「まず最初に魔力を増やす修行をするんだけど、ユリエルは必要ないわね」
「これ以上増えても困りますから」
既に規格外の魔力量を誇っている。僕にはこれ以上魔力は必要ない。ということで必然的に次の修行から入ることになる。だが・・・
「修行は明日からやるから、どういう魔法を使うか今日考えておくのよ」
「え?今日はやらないんですか?」
てっきりすぐに始める者だと思っていたのだが・・・
「イメージが固まっていない状態で使っても魔法は使えないわよ。魔法はね、魔力を媒介にして自分の持つ系統の魔法をイメージで具現化させるものなのよ」
「・・・なるほどです・・・」
さすがは魔法に長けているエルフ族だ。魔法の仕組みまで知っていたとは。
ということで、魔法の適性がわかったので、夜は魔法のイメージを固めることにした。
◇
その夜。僕はセレスさんに言われた通り魔法のイメージを固めることにした。普通とは全く違う方法で・・・・
「【事象の原理を伝えよ】」
魔法とはイメージだと、セレスさんは言っていた。つまり、明確な原理を理解しているとイメージが固まりやすいと考えたのだ。
力を完全に継承した今ならわかるのだ。ルーン魔法は、全知の力でもある。知識をその身に宿すことができる。
「事象の原理をインプットできたな。これで魔法の行使が飛躍的に上がるはず・・・」
実際、自分の聞いたことのない言葉をいくつも使っている。セレスさんですら知らない言葉だ。
僕の魔法の万能さはとどまるところを知らない。だからこそ、無闇に使えば利用しようとしてくる輩が出てくるのだろう・・・
「明日の訓練は頑張ろう・・・」
そう思い目を閉じ、やがて夢の中に入っていくのだった・・・
◇
その頃のセレス。彼女は今、 地下にある書庫にいた。
ユリエルの魔法について調べていたのである。
「・・・・やっぱりないわね」
ユリエルの魔法は万能で強力すぎる。あの魔法単体で世界中の魔法師を相手にして圧勝してしまうほどの強さだ。
仮にも自分の養子であり弟子になるような子の魔法だ。セレスがある程度のことを把握しておく必要はあるのだが・・・
「どの時代の文献にもあんな規格外の魔法なんてないわね・・・」
どの本を読んでも見当たらない。セレス自身、数え切れないほどの文献や書物を読んでいるのだが、あの魔法について書かれた本など見たことはなかった。
「やっぱりあの魔法って・・・救世の魔導師の・・・」
彼女は一つの可能性を考えていた。
あの魔法は・・・歴史の英雄の魔法なのではないかと・・・
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