異世界で災害使って無双する(仮)
#2 こんにちは異世界
目が覚めると俺は、広い草原の岩の影で棒みたいに横に寝転がっていた。
って! 危ないなぁ! 岩の真横に寝ていたので崩れたら即死だったぞ? 何? あの腐女神は、俺を殺しに来てるの!?
俺は、そんなことを考えながら目を擦った。
こっちの世界では、真昼か……てかっちょっと待て、ここからどうすんのさ? どっちに行けばいいんだ!? そこらへんしっかりしてくれよ女神様……
俺が、心の中で文句を言ってるとズボンの右ポケットに入っていたスマホが、ブーブーと鳴り始めた。
「ん? メールか?」
独り言を言いながらスマホを取り出す。メール着信だ。
届いたメールを開くと。
(:あなたの女神 to翼君 どう? そっちは? 着いたぁ? スマホは、使える様にしといたから。充電はしなくても一生百パーセントだからね! 安心してね! マップもその世界使用にしといたからね! 頑張って!)
あんたは俺の母さんか! しかもあなたの女神って……ツッコミどころ満載だな! ……あっスマホ使えるのは、ありがたい。そしてずっと百パー! 全国の若者に嬉しい配慮!
俺は、感謝しながらスマホのロックを外しマップアプリを開いた。
こっから西に進んだら着くのか…この世界の西ってどっち!? あっコンパス使えばいいんだ、西は……あっちか。
俺は、マップアプリを頼りに西に歩き始めた。
××××××××××
歩いて20分もしない間に、最初の町に着いた。そこは西洋的な町が広がっていた。
「ええっと……《トータスの町へようこそ!》って日本語じゃんこれ!? これも腐女神のおかげか…って! トータスって海亀じゃ無かったっけ? まぁ良いや」
俺は謎の期待を抱きながら町に入って行った。
「まず何する? んーと、こう言う異世界ファンタジー物だとギルドに登録するのがテンプレか……ギルドってそもそもあるのか? ……」
ぎゅるるる
お腹が華麗に鳴る。
お腹すいた。そう言えばコンビニ弁当持ちっぱなしだった……
「冷めてるかな?」
俺は、コンビニの袋の中のお弁当を取り出し、熱を感知する。
「かろうじてまだ暖かい。お腹空いたし食べるか……」
近くの広場に行きコンビニ弁当を開けて割り箸を割り弁当を食べ始める。
うん……この唐揚げ美味しい。
「ジ――」
視線を感じるのですがそれは……
俺が視線を受ける方を見ると、年端もいなかい女の子が弁当と僕を交互に見ていた。服は、ボロボロで肌がもろに見えていた。
「ん? 何? 唐揚げが欲しいの? あげるよ……」
「か、から、あげ?」
この世界には、唐揚げが無いのか……そして今確信した。俺は異世界語が、分かる!!
俺は、箸で器用に唐揚げをつまみ、女の子にあげた。女の子は、最初警戒していたが、数十秒経ってから恐る恐る唐揚げを口に入れた。
「――ッ!? 何、これ。お、いしい……」
うわっ、かぁわぁいぃー。けしてロリコンではありません。
「お兄ちゃん……他のもちょうだい!」
おいその笑顔反則だぞ。
「じゃあねぇ……ミートボール、ミートボールをあげよう」
「み、みーとぼーる?」
ミートボールもないのか。
俺は、ミートボールを女の子にあげた。
「これも美味しい……ありがとう! お兄ちゃん!」
「もういいの?」
「まだくれるの!?」
「お、おう」
女の子の元気な声に心が癒される。
そうだな……肉ばっかだから野菜を食べさすか…
「はい! トマト」
あれ? トマトって野菜だっけ? まぁ野菜としとこう。
「とまと? マトマじゃなくて?」
マトマ!? この世界では、トマトのことマトマって言うの!?
俺は、マトマを女の子にあげた。
女の子は、美味しそうにマトマをほうばっていた。
そして弁当の中身が無くなったところで気になる疑問をぶつける。
「君お母さんかお父さんは?」
「えっ? えと……さよなら!」
女の子は焦りながら人混みに消えた。
何だったんだ? まぁいいかそれより……あぁ癒しの時間だったなぁ。
××××××××××
俺は、昼を食べた広場のベンチで休憩を取っていた。
「やっぱりギルドに登録しといた方がいいのかな? ってかこの世界にギルドって有るのかな?」
僕は、スマホのマップ機能で検索を掛けた。
「あっ一応有るんだね……どうしよせっかくだし登録しておくかな……」
俺は、ギルドに向かい数十分でギルドに着いた。
「ここがギルドかぁ……」
俺は、独り言を言いながらギルドに入る。
「いらっしゃい……見ない顔だね。旅の途中かい?」
「まぁそんなものです」
出向かえてくれたのは、15、6才でエプロンを身に着けた女性だった。
また女性かよ……
「あの、ギルドの登録がしたくて……」
「何だ旅の者じゃないのか? ギルドの登録は奥のカウンターでしてね」
「わかりました。ありがとうございます」
俺は、そそくさとそこを離れ、奥のカウンターに向かった。そこには、若い女性が銀行みたいなカウンター越しに座っていた。
女性多いな!
「ギルド登録したいんですけど……」
「はいっ! 手数料が掛かりますが大丈夫ですか?」
あっお金ね……お金!? 日本のお金使えるかな?
俺は、財布から日本のお金を取りだし見せながら、
「このお金使えますかね?」
と、聞くと、ギルドのお姉さんは即答
「何処のお金ですか? この国では、使えませんけど……」
はい、いきなり行き詰まった。てか日本のお金を、使える様にしろやこの腐女神!!
俺は、一旦ギルドを出て、考え込む。
「おいおいどうする!? ギルドに登録しないとクエスト受けられないじゃないか……」
俺は、ギルドに登録出来なくてトータスの町をとぼとぼ見学をしていき、さっきの弁当を食べた広場に着いた頃……
「わぁぁぁぁぁ!!!!」
近所の人々が、混乱していた。何が起きたんだと、俺も混乱していたがすぐに理由が分かった。俺の視界に入って来たのは、ゲームでいうところの魔獣だった。
魔獣!?
どうするどうする!? どうすれば!? とにかく逃げるか?
ブーブーブー、ブーブーブー
何だよこんな大事なときに!
俺は半切れでスマホを取りだし電話に出る。
「はいっ! もしもし?」
「もしもしぃ。私、私ぃ、アストレア。災害魔法の出し方を教えるねぇ、簡単だよぉ。まず噴火ぁ。噴火の魔法の出しかたはぁ、《エラプション》ってぇ唱えればマグマが出てくるよぉ。竜巻の魔法の出し方は、《トルネード》ってぇ唱えれば竜巻が出るよぉ。豪雪の魔法の出し方はぁ《ダウンフォール》って唱えれば雪が出せるよぉ。でぇ最後にぃ土石流の魔法の出し方はぁ《デブリ》って唱えればぁ土石流が出せるよぉ。今教えた魔法は、全て威力を調整できるからぁ。頑張ってぇ…プッ」
――長! てかよく魔獣待っててくれたなぁ。そして明らかに俺にあの魔獣を倒せってことだよね!?
周りは、野次馬になっていた。
うわぁこの大勢の前であいつ倒すの? 嫌だなぁ。
俺がそんな事を思っていると魔獣が俺に向かって突進してきた。
「《トルネード》」
俺がそう叫んだ瞬間手に風を感じる。急に風の塊が大きくなり暴風へと変わる。そしてその風の塊は魔獣向かって飛んでいき魔獣は後方にぶっ飛んだ。弱めに竜巻の魔法を撃ったつもりだったが、相手の魔獣は行動不能になっていた。
えぇ!? あんな弱い竜巻で行動不能になるの!? 自然災害恐るべし…
俺が魔獣を風で飛ばして倒すと周りの人から
「スゲー!」
とか、
「あいつ何者だ!?」
とか、歓声が上がった。
いやぁ照れるなぁ…ってちがーう!
前を見ると立ち去ろうとする俺を止める一人の白髪のお爺さんがいた。
「君っ!」
と言いながら、俺の手を取った。
「は、は、はい!?」
俺はテンパりながら返事をした。
「今の魔法は!?」
魔法? あぁトルネードの事か、
「災害魔法ですけど…」
「災害魔法? そんな魔法は聞いたことも無いな…ふむ興味深い…そうだ! 君っ! 名前は?」
「板宮 翼です」
「イタミヤ・ツバサ? 変わった名前じゃな……それにしてもツバサ君の魔法、凄かったぞ。ツバサ君のランクは幾つなんだい?」
「ランク? あぁ……すいません、実は、僕ギルドには入ってないんですよ。僕、一文無しなんで……」
「一文無し!? そうか……おっと申し遅れたが、私の名前は、トレバー・マケニット。ギルドの運営委員長をしている者だ。ニットとでも呼んでくれ」
ギルド運営委員長!? なんでそんなお偉いさんが!?
「一文無しは困ったな……ここじゃ何だからギルドで話そうか」
「そうですね」
俺は、この人に着いていって大丈夫だと悟った。
××××××××××
「よしっ! 決めた!」
俺とニットさんは、ギルドに着き、委員長特別室に入りそこで話していた。ニットさん曰く全国のギルドに、ニットさん特別室があるらしい。
すごいな!? この人!
「決めたって何ですか?」
ニットさんは、決めたと言い出しギルドの店員に、何か話していた。
「今に分かるよ。5分ほど待ってくれたまえ」
何!? 怖いんだけど!
5分がたった頃ギルドの店員さんが、大きめの巾着袋と何かの黒色のポイントカード位の大きさのカードを持って来た。
「これを受け取ってくれ」
「これらは、何です?」
「まずこっちのカードは、ギルドカード。本当は、手数料が要るが特別に無料で登録してあげよう」
えっ!? マジっすか!?
「じゃあギルド登録からしようか」
とニットさんは、ギルドカードを取りだし、大きい巾着袋は、机の片隅に置いた。
「ツバサ君。ここに君の指紋を着けてくれるかな?」
俺は言われるがままに指紋を着けた。
「これでギルドの登録は、完了する」
すごいな、ファンタジー異世界!!
「仕組みは?」
「仕組みは簡単だよ。君の指紋から情報を感知するんだよ」
すご! 舐めてましたファンタジー異世界。
「あと君のステータスが表示されると……――ッ!?」
「どうかしました?」
俺は、ニットさんにそう聞き、ニットさんがギルドカードを指差した。俺は、ギルドカードを覗き込むとそこには、《体力》《攻撃力》《防御力》《魔力》
《魔法抵抗力》《素早さ》《運》《命中率》《器用度》という九つの項目があった。その項目の横には、そのステータスが数値化されていた。
あっ本当に数値化なんだ。何々……全部99999+かぁ……おわお!! 二つ目の願いが叶ってる!
「こ、こんな数値見たことない……君は、千年いや一億年に一人の天才か!?」
何それ。
ニットさんは、驚きすぎて腰を抜かしていた。
大丈夫か、おい。
一通りニットさんがビックリしたところでニットさんが机の隅に置いていた巾着袋を手に取った。
「これは、ツバサ君が倒したモンスターの報酬額と、私からの気持ちだ」
と、ニットさんから巾着袋を受け取り、中身を見た。
食べ物だったら良いな……
中には、白銀に輝いたコインが沢山入っていた。
「これは……」
「白金貨だよ」
白金貨?
「えっと……お金の単位ってどんぐらい何ですか?」
「お金の単位も知らないのか……よしっ教えよう。この世界には、[下銅貨][銅貨][銀貨][金貨][白金貨]の五種類の硬貨がある。下銅貨が価値が一番低い。で、銅貨は下銅貨の百枚分の価値がある。銀貨は銅貨十枚枚の価値がある。金貨も銀貨十枚枚、白金貨は金貨十枚の価値があるっていうのが硬貨の単位だよ」
ニットさんが、分かりやすく説明してくれた。俺は忘れないように、スマホにメモをした。
「ツバサ君! それは、なんだい!?」
「えっと、これは、スマホといって……まぁ便利な機械です」
俺は、スマホの機能を色々見せた。
「すまほ? すごいな。君には、さんざん驚かされたよ」
「は、はぁ…」
バァン
うおっビックリしたー
突然ニット特別室のドアが勢いよく開いた。
「ニットさん、会議の時間ですよ!」
「あっ忘れておった。って言うことですまないツバサ君。ここでお別れだ。」
「あっえっ? あっはい! あっお金ありがとうございました」
「良いのだよ好きに使ってくれ」
ニットさんは、ニヤニヤしながら部屋から出ていき俺もギルドを出た。
俺は、外に出て近くに有ったベンチでニットさんから貰ったお金を数えた。
「十七、十八、十九、二十っと……二十枚白金貨が入ってた……ってことは、金貨二百枚!? 金銭感覚おかしくなりそ……どんなけ金持ちなんだよギルド委員長! これからどうしよ……まずはギルドでクエスト受けるか……」
俺は、ギルドへ向かった。
って! 危ないなぁ! 岩の真横に寝ていたので崩れたら即死だったぞ? 何? あの腐女神は、俺を殺しに来てるの!?
俺は、そんなことを考えながら目を擦った。
こっちの世界では、真昼か……てかっちょっと待て、ここからどうすんのさ? どっちに行けばいいんだ!? そこらへんしっかりしてくれよ女神様……
俺が、心の中で文句を言ってるとズボンの右ポケットに入っていたスマホが、ブーブーと鳴り始めた。
「ん? メールか?」
独り言を言いながらスマホを取り出す。メール着信だ。
届いたメールを開くと。
(:あなたの女神 to翼君 どう? そっちは? 着いたぁ? スマホは、使える様にしといたから。充電はしなくても一生百パーセントだからね! 安心してね! マップもその世界使用にしといたからね! 頑張って!)
あんたは俺の母さんか! しかもあなたの女神って……ツッコミどころ満載だな! ……あっスマホ使えるのは、ありがたい。そしてずっと百パー! 全国の若者に嬉しい配慮!
俺は、感謝しながらスマホのロックを外しマップアプリを開いた。
こっから西に進んだら着くのか…この世界の西ってどっち!? あっコンパス使えばいいんだ、西は……あっちか。
俺は、マップアプリを頼りに西に歩き始めた。
××××××××××
歩いて20分もしない間に、最初の町に着いた。そこは西洋的な町が広がっていた。
「ええっと……《トータスの町へようこそ!》って日本語じゃんこれ!? これも腐女神のおかげか…って! トータスって海亀じゃ無かったっけ? まぁ良いや」
俺は謎の期待を抱きながら町に入って行った。
「まず何する? んーと、こう言う異世界ファンタジー物だとギルドに登録するのがテンプレか……ギルドってそもそもあるのか? ……」
ぎゅるるる
お腹が華麗に鳴る。
お腹すいた。そう言えばコンビニ弁当持ちっぱなしだった……
「冷めてるかな?」
俺は、コンビニの袋の中のお弁当を取り出し、熱を感知する。
「かろうじてまだ暖かい。お腹空いたし食べるか……」
近くの広場に行きコンビニ弁当を開けて割り箸を割り弁当を食べ始める。
うん……この唐揚げ美味しい。
「ジ――」
視線を感じるのですがそれは……
俺が視線を受ける方を見ると、年端もいなかい女の子が弁当と僕を交互に見ていた。服は、ボロボロで肌がもろに見えていた。
「ん? 何? 唐揚げが欲しいの? あげるよ……」
「か、から、あげ?」
この世界には、唐揚げが無いのか……そして今確信した。俺は異世界語が、分かる!!
俺は、箸で器用に唐揚げをつまみ、女の子にあげた。女の子は、最初警戒していたが、数十秒経ってから恐る恐る唐揚げを口に入れた。
「――ッ!? 何、これ。お、いしい……」
うわっ、かぁわぁいぃー。けしてロリコンではありません。
「お兄ちゃん……他のもちょうだい!」
おいその笑顔反則だぞ。
「じゃあねぇ……ミートボール、ミートボールをあげよう」
「み、みーとぼーる?」
ミートボールもないのか。
俺は、ミートボールを女の子にあげた。
「これも美味しい……ありがとう! お兄ちゃん!」
「もういいの?」
「まだくれるの!?」
「お、おう」
女の子の元気な声に心が癒される。
そうだな……肉ばっかだから野菜を食べさすか…
「はい! トマト」
あれ? トマトって野菜だっけ? まぁ野菜としとこう。
「とまと? マトマじゃなくて?」
マトマ!? この世界では、トマトのことマトマって言うの!?
俺は、マトマを女の子にあげた。
女の子は、美味しそうにマトマをほうばっていた。
そして弁当の中身が無くなったところで気になる疑問をぶつける。
「君お母さんかお父さんは?」
「えっ? えと……さよなら!」
女の子は焦りながら人混みに消えた。
何だったんだ? まぁいいかそれより……あぁ癒しの時間だったなぁ。
××××××××××
俺は、昼を食べた広場のベンチで休憩を取っていた。
「やっぱりギルドに登録しといた方がいいのかな? ってかこの世界にギルドって有るのかな?」
僕は、スマホのマップ機能で検索を掛けた。
「あっ一応有るんだね……どうしよせっかくだし登録しておくかな……」
俺は、ギルドに向かい数十分でギルドに着いた。
「ここがギルドかぁ……」
俺は、独り言を言いながらギルドに入る。
「いらっしゃい……見ない顔だね。旅の途中かい?」
「まぁそんなものです」
出向かえてくれたのは、15、6才でエプロンを身に着けた女性だった。
また女性かよ……
「あの、ギルドの登録がしたくて……」
「何だ旅の者じゃないのか? ギルドの登録は奥のカウンターでしてね」
「わかりました。ありがとうございます」
俺は、そそくさとそこを離れ、奥のカウンターに向かった。そこには、若い女性が銀行みたいなカウンター越しに座っていた。
女性多いな!
「ギルド登録したいんですけど……」
「はいっ! 手数料が掛かりますが大丈夫ですか?」
あっお金ね……お金!? 日本のお金使えるかな?
俺は、財布から日本のお金を取りだし見せながら、
「このお金使えますかね?」
と、聞くと、ギルドのお姉さんは即答
「何処のお金ですか? この国では、使えませんけど……」
はい、いきなり行き詰まった。てか日本のお金を、使える様にしろやこの腐女神!!
俺は、一旦ギルドを出て、考え込む。
「おいおいどうする!? ギルドに登録しないとクエスト受けられないじゃないか……」
俺は、ギルドに登録出来なくてトータスの町をとぼとぼ見学をしていき、さっきの弁当を食べた広場に着いた頃……
「わぁぁぁぁぁ!!!!」
近所の人々が、混乱していた。何が起きたんだと、俺も混乱していたがすぐに理由が分かった。俺の視界に入って来たのは、ゲームでいうところの魔獣だった。
魔獣!?
どうするどうする!? どうすれば!? とにかく逃げるか?
ブーブーブー、ブーブーブー
何だよこんな大事なときに!
俺は半切れでスマホを取りだし電話に出る。
「はいっ! もしもし?」
「もしもしぃ。私、私ぃ、アストレア。災害魔法の出し方を教えるねぇ、簡単だよぉ。まず噴火ぁ。噴火の魔法の出しかたはぁ、《エラプション》ってぇ唱えればマグマが出てくるよぉ。竜巻の魔法の出し方は、《トルネード》ってぇ唱えれば竜巻が出るよぉ。豪雪の魔法の出し方はぁ《ダウンフォール》って唱えれば雪が出せるよぉ。でぇ最後にぃ土石流の魔法の出し方はぁ《デブリ》って唱えればぁ土石流が出せるよぉ。今教えた魔法は、全て威力を調整できるからぁ。頑張ってぇ…プッ」
――長! てかよく魔獣待っててくれたなぁ。そして明らかに俺にあの魔獣を倒せってことだよね!?
周りは、野次馬になっていた。
うわぁこの大勢の前であいつ倒すの? 嫌だなぁ。
俺がそんな事を思っていると魔獣が俺に向かって突進してきた。
「《トルネード》」
俺がそう叫んだ瞬間手に風を感じる。急に風の塊が大きくなり暴風へと変わる。そしてその風の塊は魔獣向かって飛んでいき魔獣は後方にぶっ飛んだ。弱めに竜巻の魔法を撃ったつもりだったが、相手の魔獣は行動不能になっていた。
えぇ!? あんな弱い竜巻で行動不能になるの!? 自然災害恐るべし…
俺が魔獣を風で飛ばして倒すと周りの人から
「スゲー!」
とか、
「あいつ何者だ!?」
とか、歓声が上がった。
いやぁ照れるなぁ…ってちがーう!
前を見ると立ち去ろうとする俺を止める一人の白髪のお爺さんがいた。
「君っ!」
と言いながら、俺の手を取った。
「は、は、はい!?」
俺はテンパりながら返事をした。
「今の魔法は!?」
魔法? あぁトルネードの事か、
「災害魔法ですけど…」
「災害魔法? そんな魔法は聞いたことも無いな…ふむ興味深い…そうだ! 君っ! 名前は?」
「板宮 翼です」
「イタミヤ・ツバサ? 変わった名前じゃな……それにしてもツバサ君の魔法、凄かったぞ。ツバサ君のランクは幾つなんだい?」
「ランク? あぁ……すいません、実は、僕ギルドには入ってないんですよ。僕、一文無しなんで……」
「一文無し!? そうか……おっと申し遅れたが、私の名前は、トレバー・マケニット。ギルドの運営委員長をしている者だ。ニットとでも呼んでくれ」
ギルド運営委員長!? なんでそんなお偉いさんが!?
「一文無しは困ったな……ここじゃ何だからギルドで話そうか」
「そうですね」
俺は、この人に着いていって大丈夫だと悟った。
××××××××××
「よしっ! 決めた!」
俺とニットさんは、ギルドに着き、委員長特別室に入りそこで話していた。ニットさん曰く全国のギルドに、ニットさん特別室があるらしい。
すごいな!? この人!
「決めたって何ですか?」
ニットさんは、決めたと言い出しギルドの店員に、何か話していた。
「今に分かるよ。5分ほど待ってくれたまえ」
何!? 怖いんだけど!
5分がたった頃ギルドの店員さんが、大きめの巾着袋と何かの黒色のポイントカード位の大きさのカードを持って来た。
「これを受け取ってくれ」
「これらは、何です?」
「まずこっちのカードは、ギルドカード。本当は、手数料が要るが特別に無料で登録してあげよう」
えっ!? マジっすか!?
「じゃあギルド登録からしようか」
とニットさんは、ギルドカードを取りだし、大きい巾着袋は、机の片隅に置いた。
「ツバサ君。ここに君の指紋を着けてくれるかな?」
俺は言われるがままに指紋を着けた。
「これでギルドの登録は、完了する」
すごいな、ファンタジー異世界!!
「仕組みは?」
「仕組みは簡単だよ。君の指紋から情報を感知するんだよ」
すご! 舐めてましたファンタジー異世界。
「あと君のステータスが表示されると……――ッ!?」
「どうかしました?」
俺は、ニットさんにそう聞き、ニットさんがギルドカードを指差した。俺は、ギルドカードを覗き込むとそこには、《体力》《攻撃力》《防御力》《魔力》
《魔法抵抗力》《素早さ》《運》《命中率》《器用度》という九つの項目があった。その項目の横には、そのステータスが数値化されていた。
あっ本当に数値化なんだ。何々……全部99999+かぁ……おわお!! 二つ目の願いが叶ってる!
「こ、こんな数値見たことない……君は、千年いや一億年に一人の天才か!?」
何それ。
ニットさんは、驚きすぎて腰を抜かしていた。
大丈夫か、おい。
一通りニットさんがビックリしたところでニットさんが机の隅に置いていた巾着袋を手に取った。
「これは、ツバサ君が倒したモンスターの報酬額と、私からの気持ちだ」
と、ニットさんから巾着袋を受け取り、中身を見た。
食べ物だったら良いな……
中には、白銀に輝いたコインが沢山入っていた。
「これは……」
「白金貨だよ」
白金貨?
「えっと……お金の単位ってどんぐらい何ですか?」
「お金の単位も知らないのか……よしっ教えよう。この世界には、[下銅貨][銅貨][銀貨][金貨][白金貨]の五種類の硬貨がある。下銅貨が価値が一番低い。で、銅貨は下銅貨の百枚分の価値がある。銀貨は銅貨十枚枚の価値がある。金貨も銀貨十枚枚、白金貨は金貨十枚の価値があるっていうのが硬貨の単位だよ」
ニットさんが、分かりやすく説明してくれた。俺は忘れないように、スマホにメモをした。
「ツバサ君! それは、なんだい!?」
「えっと、これは、スマホといって……まぁ便利な機械です」
俺は、スマホの機能を色々見せた。
「すまほ? すごいな。君には、さんざん驚かされたよ」
「は、はぁ…」
バァン
うおっビックリしたー
突然ニット特別室のドアが勢いよく開いた。
「ニットさん、会議の時間ですよ!」
「あっ忘れておった。って言うことですまないツバサ君。ここでお別れだ。」
「あっえっ? あっはい! あっお金ありがとうございました」
「良いのだよ好きに使ってくれ」
ニットさんは、ニヤニヤしながら部屋から出ていき俺もギルドを出た。
俺は、外に出て近くに有ったベンチでニットさんから貰ったお金を数えた。
「十七、十八、十九、二十っと……二十枚白金貨が入ってた……ってことは、金貨二百枚!? 金銭感覚おかしくなりそ……どんなけ金持ちなんだよギルド委員長! これからどうしよ……まずはギルドでクエスト受けるか……」
俺は、ギルドへ向かった。
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