過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

~愛妹と愛騎士と愛蜘蛛~傲慢勇者の誕生日④

商都リブループ・ユウジ別荘 ~誕生日パーティー~

いよいよ俺の誕生日パーティーが始まった
既にエステルの告白を終えていた俺は、誕生日パーティーを心の底から楽しむことができた

恐らくここ最近で一番心が穏やかだったと思う
だから様々なことにもまるで菩薩のように対応できた

□□□□ ~ギルド受付嬢~ □□□□

例えば、リアを迎えに行ったらヒルダ・ユリ・アズサがそこにいた
なんでもリアから誕生日パーティーの話を聞いたらしく、意地でも参加するつもりらしい

『ごめんなさい、ユウジさん。この子達どうしても言うことを聞かなくて.....』
【【【ユウジさん。お願いします!】】】

本来ならさすがに悩むところだが、菩薩だった俺は.....

「いいよ、いいよ。みんな一緒にこい!」

エステルが手に入った喜びもあってなんなく受け入れた

『顔が緩んでますね。エステルさんと何かありました?』
「鋭い!?」
{お師匠様の本物の恋人になったのじゃ!}

エステルから衝撃の事情炸裂!!

【【【ロリコン!?】】】
「おうとも!ロリからお姉さんまでなんでもござれ!」

驚くヒルダ・ユリ・アズサの受付3人娘と、俺とエステルに温かい眼差しを向けるリア、そしてドヤ顔のエステル

誕生日パーティー中にも色々あったが、それはまた別のお話


□□□□ ~クラスメート(魔法学校)~ □□□□

また誕生日パーティーにはシャル達も誘うことにした
これはエステルからのお願いだった

本来ならあまりにも急なお願いだったので悩むところだが.....

「いいよ、いいよ。エステルのお願いなら何でも聞いてやるよ!」

菩薩でなくとも愛しいエステルのお願いなので受け入れた

エステル曰く、みんなで祝ったほうが楽しいとのことだが.....
恐らくはシャル達に、俺との仲を自慢したいに違いない

【ハクト様、お久しぶりですわ】
【ハクトさん、久しぶりです】
【ハクト君、久しぶりだねぇ~】

シャル達に事情説明をして、そのまま連れていくことにした

【ハクト様とエステルさん、同じチョーカーしてますね】
「鋭い!?」
{妾が創った隷属の首輪なのじゃ!お師匠様の所有者は妾なのじゃ!そしてこれが妾とお師匠様の愛の絆なのじゃ!}

エステルから衝撃の自慢炸裂!!

【【【ロリコン!?】】】
「おうとも!ロリからお姉さんまでなんでもござれ!」

悔しがるシャル、呆れるシルヴィ、あたふたしているエルナのクラスメート3人娘と満足げのエステル

誕生日パーティー中にも色々あったが、それはまた別のお話


□□□□ ~クラスメート(日本)~ □□□□

菩薩の俺の快進撃は更に続く

また誕生日パーティーには日本のクラスメートも参加予定になっている
これはあかりからの3つ目のお願いだった

既に袂を分かっていたつもりだったので本来なら悩むところだが.....

「いいよ、いいよ。あかりのお願いなら何でも聞いてやるよ!」

菩薩でなくとも愛しいあかりのお願いなので受け入れた
但し女の子限定だ!男は菩薩モードでも本当無理!

.....あ、これは菩薩になる前の出来事だったな

あかりは冒険者業をしている内にクラスメートと再会を果たしていたらしい
当然社交性のあるあかりだ。また親交を深めていったのだろう
もしかしたら俺とクラスメートの仲を取り持つ目的もあるのかもしれない

【白兎~~~!あんた、私のあかりになにしてくれてんのよ!】
《なっちゃん!?》

俺に向かってラリアットをしてくる委員長黒川凪
その顔はまさに阿修羅!鬼気迫る勢いだが、菩薩の俺は.....

「相変わらずだな、委員長!困ったじゃじゃ馬だ!」

アプソリュートによって弾かれた委員長を、それはもう恋人を抱擁するかのように優しく抱きとめてあげた

どうやらあかりから俺とのいきさつを聞いた委員長は怒っているらしい

そんなこんなで久しぶりにクラスメートと再会を果たした

《その首輪.....あ!もしかしてエステルちゃん、上手くいったの!?》
「鋭い!?」
{うむ!アカリありがとうなのじゃ。やっと納得のいく形でお師匠様と結ばれたのじゃ}

エステルから衝撃の告白炸裂!!

【【【【【ロリコン!?】】】】】
「おうとも!ロリからお姉さんまでなんでもござれ!」

衝撃の告白に驚くクラスメート達と我が事のように嬉しそうにしているあかり、そして照れているエステル

誕生日パーティー中にも色々あったが、それはまた別のお話


□□□□ 

菩薩に進化した俺はその後、楽しいひとときを過ごした
今この場はまさに極楽浄土かと思えるほど優しさに満ち溢れていた

何がきても今なら菩薩モードで対応できる!

そう確信していた。あの時がくるまでは.....

宴もたけなわになった頃、家族達から誕生日プレゼントをもらうことになった
もらえるものは様々だが、みんな心が籠っていたので温かい気持ちになった

そしてサリーの番がきたときにそれは起こった.....

□□□□ ~最愛の妹サリーへの答え~ □□□□

サリーが一歩前に出てきた
幾分緊張しているようにも見える

〔あにさま、お誕生日おめでとう!〕
「ありがとう、サリー」

サリーから手渡されたプレゼントは金色に輝くマフラーだった
輝くばかりのその色はどこかサリーの毛色に似ているような気もする

「これってなんの素材を使ってるんだ?こんな綺麗な素材見たことないぞ?」
〔それね、うちの毛を使ってるんだよ〕

ふぁ!?予想外な答えがきたぞ!?

「愛が重いよ!?」
〔あにさま!?〕

詳しく話を聞くと、どうやらサリーの毛をエステル監修のもと複製したらしい

(よ、よかった.....これを作る為に何本も毛を抜いたとか言われたらシャレにならないからな。サリーの毛並みは極上なんだから無理をしないでほしい。しかし、自分の毛を使うという発想がまたすごいな.....サリーはひたすら一途で純粋だけど、捧げられる愛が少し極端な気がする。マリーやあかりも一途で純粋な部類に入るが、サリーはどっちかというとマリー寄りな気がする.....)

〔まだ暑い季節なのにマフラーでごめんね?〕
「あぁ、気にしないでくれ。俺には季節とか関係ないからな」
〔本当?よかった.....〕
「可愛いサリーが作ってくれたプレゼントだ。ずっと付けさせてもらうよ」

俺の言葉を聞いたサリーはそれはもう嬉しそうな笑顔を向けてきた
そんなサリーがあまりにも可愛らしかったので、そっと抱き寄せることにした

「大切にするよ、ありがとう。サリー」
〔嬉しい!大好き!あにさま!〕

サリーは俺の胸の中ですりすりと頭をこすりつけている
それはまるで自分の匂いをマーキングするかのように.....

(犬や猫のような動物がマーキングするってのは知ってるが、人である獣人達もマーキングとかするのかね?.....そういえばよくサーシャもこうやってすりすりしてるよな?サーシャもマーキングしてるのか?)

ひとしきりサリーとの抱擁を楽しんだ俺はそっとサリーの体を離した

ずっと抱きしめていてあげたいのはやまやまだが、まだプレゼント式?は序盤だ
俺の我儘でみんなを待たせるわけにはいかない

〔むぅ.....〕

抱擁から解き放たれたサリーはご不満なようだがそこは我慢してもらいたい

さて、次は誰かな?なんて思って待っていたら...

〔・・・〕

サリーがその場に留まっていた
留まるだけではなく、サリーの様子が少しおかしい
手足だけでなく全身が少し震えていて、過呼吸気味でもある

「ど、どうした?サリー。体調でも悪いのか?」
〔・・・〕

サリーからの答えはない

正直焦った。意味がわからないからだ
サリーの様子がおかしいのは誰が見ても火を見るに明らかだ
なのに家族は誰も動こうとしない。そればかりか.....
俺が回復魔法をかけてあげようとすると、サリーは首を横に振る

周りを見渡すと.....

シャル達、魔法学校のクラスメートはエステルが抑えていた
委員長達、日本のクラスメートはあかりが抑えているようだ

(え???なんだこれ?どういうこと?みんなが動かないのは理由があってのことなのか?)

どうやら事情を知らされていないのは俺だけらしい

・・・。

しばらくして後、深呼吸をしたサリーはまるで意を決したかのように口を開いた

【ユウジさん】
「お、おう!?」

(ユ、ユウジさん!?ま、まさかこれって.....)

【うちはユウジさんを世界で一番愛しています】
「・・・」

そこにはいつもの可愛らしい笑顔を向けてくる最愛の妹の姿はなく、自らの想いを決意した一人の魅惑的な女性が立っていた

今宵の月はこんなに明るかっただろうか?

そんなまばゆいばかりの月明かりに照らされたサリーはどこか幻想的だった
美しい.....俺が心を奪われるには十分だった

ただそれでも.....

(う~ん。困った.....サリーは可愛い。すごく可愛い。狂おしいほど可愛い。しかし.....)

「悪いな。サリーの事は妹にしか見えないんだ.....」
〔それは分かってる。でも愛してほしいの!〕
「と、言われてもなぁ.....」
〔ユウジさん。うちは諦めないから!!ずっとユウジさんの側にいるから!!〕

それはまるで絶叫とも取れる心の叫びだった

(.....不退転の決意か。このへんはリアに近いものがあるな。そうなんだよなぁ、俺はこの決意の美しさでリアを愛しちゃってるんだよなぁ。きっとサリーもリアに負けないぐらいの気持ちがあるんだろうな。そうなるといずれは.....)

「知ってると思うが、俺の女になるってことは死の危険が伴うぞ?」
〔ユウジさんに愛してもらえるなら死んでもいい〕
「あ、あの。俺が困るんだが.....」
〔関係ない。愛してもらえないなら死んだほうがマシ〕

(ふぁ!?なんだこれ!?ヤンデレ!?ヤンデレモードなの!?)

サリーの瞳からはハイライトが消え虚ろ目になっている
まるで俺に愛されることしか求めていないかのようだ

端から見れば、一人の少女が健気に頑張っているロマンチックな場面に見えるのかもしれない
しかし相対している俺は背中に冷や汗をかくほど恐怖をしていた

(こ、これは絶対あかんやつだ.....断ることすら許されない状況だ。ハァ.....覚悟を決めるしかないか。あんな美しい決意を見せられたら、いずれはサリーにも惚れていただろうしな。問題は.....)

「サリー。もう一度言う。まだサリーを妹にしか見れない」

〔え?今はってことは.....〕

「あぁ。これからはサリーを一人の女性として見ていくよ。いきなり恋人ってのはさすがに無理だ。だから今はこれで納得してほしい」

そう言って俺はサリーを抱き寄せ.....

────ちゅっ

〔あ・・・〕

その幼い唇にそっと口付けをした

「頑張った女性に俺からのプレゼントだ」
〔あにさま.....嬉しい!大好き!〕

俺からの突然のキスに感激したサリーが抱き着いてきた
俺の胸の中で甘えているサリーはとても可愛らしい

「やっぱりサリーには、あにさまって呼ばれるのが一番いいな。仮に付き合うとなってもそう呼んでほしい」

〔あにさま♪あにさま♪あにさま♪あにさま♪〕

(可愛い.....しかしなんだな。サリーを一人の女性として見ると決めたはいいものの、こう女性と一緒にいるドキドキ感ってやつがサリーにはないんだよな。ただただ癒されるっていうか.....サリーを女性として感じれるようになるのはまだまだ先になりそうだな)

そんなことを考えていたら、サリーが.....

〔ねぇ、あにさま?もう一回キスしたい。ダメ?〕

可愛らしく上目遣いでお願いをしてきた

もちろん断る理由はどこにないので、そのままサリーにキスしようとしたら.....

────ちゅっ

今度はサリーから口付けをしてきた

そして驚いている俺に向かって、サリーは自分の唇を可愛らしい舌でぺろりっとなめてから一言.....

〔ん.....おいし♪〕
「・・・」

歳不相応な妖艶な笑顔で言い放った

(.....前言撤回。すごくドキドキした!サリーに魅了される日もそう遠くないのかもしれないな.....)

サリーから妖狐のマフラーと妖艶なキスという誕生日プレゼントをもらった俺はとても幸せだった

俺の愛妹は一途すぎてヤンデレ気質なのがちょっと心配だ!
ありがとう、サリー!これからは一人の女性として愛せるように頑張ってみるよ!


マジックマフラー 【妖狐のマフラー】
込められた想いは、『あにさまはうちのもの』


□□□□ ~愛騎士アイサへの答え~ □□□□

サリーとの妖しい時間も終わりを迎えた
サリーは名残惜しそうにしながらも後ろに下がっていった
そして入れ代わるように今度はアイサが前に出てきた

この順番に悪意を感じるのは俺だけだろうか?

家族を見渡すとあかりがニヤニヤしているのが目に入る
どうやらあかりが今回の黒幕らしい

(.....ハァ。あかりはなにを企んでるんだよ、全く。普通女の子ってハーレム化とか嫌がらないか?それなのになんで手助けしてるんだよ。てか、サリーが告白してきたとなるとアイサも.....?)

そんなことを考えながら、落ち着かない様子でアイサを伺う

[ユウジ殿・・・]
「お、おぅ!アイサもなんかくれるのか?」

なるべく自然に接するつもりだったが声が上擦ってしまった
そんな俺の様子を見たアイサは、サリーとは違い、逆に落ち着いた表情で微笑み返してきた

まるで俺が慌てふためいているのを見透かしたように.....

そして次にアイサが口にした言葉は意外なものだった

[ユウジ殿。今日の衣装はどうでありますか?]

まるで恋する乙女が愛しい彼に意見を求めるように尋ねてきた

「・・・へ?あ、あぁ。すごく綺麗だ!どこかのお姫様みたいだぞ?アイサは最近益々綺麗になっているよな」

最近のアイサはとても綺麗だ
初めは馬子にも衣装なんて思っていたが日に日に女性らしさを帯ていった
口には出さなかったが、そんな綺麗になっていくアイサを毎日見るのが密かな楽しみになっていたぐらいだ

そして今日のアイサは一段と美しかった
純白のドレスに身を包んだアイサは誰よりも際立っていた
本日の主役である俺を差し置き、主役の座を掻っ攫えるほどに.....

俺の言葉を聞いたアイサは照れたように笑いながら、俺の前でくるりっと回った。そして.....

[あ、ありがとうであります!ユウジ殿の為に日々綺麗になるよう頑張っているであります!]
「ぶふっ!?」

好意全開の止めの一言を言い放った

正直ここまで開けっ広げな好意をぶつけられるとは思わなかった
最近のアイサは、俺の中では体力バカという印象から綺麗なお姉さんという印象が確立していた

そして先程の一言.....ドキドキさせられる

(俺はアイサを一人の女性として見始めているのか?)

俺が心の中で葛藤していると、アイサが突然.....

まるで騎士の誓いをするかのように俺の前で方膝をついてしゃがみ込み、そして自分の想いを決意したかのような表情で見上げてきた

「お、おい。せっかくのドレスが汚れるぞ?」

その言葉にアイサはどうでもいいとばかりに首を横に振る

そして俺の右手を取り、想いの全てを綴り出した

[ユウジ殿。あなたを愛しているであります。嫌でなければ自分と永遠の主従関係を・・・この身全てをあなたに捧げることを誓うであります]

(あぁ、やっぱりお前もか、アイサ.....)

なんとなくは分かっていた
サリーの突然の告白。悪意ある順番。あかりの含み笑い
今回の一連の騒動は意図された計画的な告白劇だ

あかりには困ったものだ。少し出しゃばり過ぎる.....

しかし同時にありがたくもある
いずれは向き合わないといけなかった問題だけに

・・・。

さて、アイサへの返事はもう決まっている
しかし確認しないといけないことがある

「永遠の主従関係って、本当に俺でいいのか?」
[もちろんであります。ユウジ殿以外は嫌であります!]
「お、俺以外は嫌って.....」
[ほ、本心でありますから]

こっぱずかしいことを真面目顔で言われると妙に意識してしまう
俺とアイサは二人して顔を赤くして俯いてしまった

(な、なんだよ。すごく可愛いじゃないか.....)

「と、とりあえず主従関係になれればいいんだな?その先は望まないんだな?」

恥ずかしさをごまかす為、敢えて意地悪な質問をしてみた

[違うであります!主従を越えた関係を希望するであります!だからこそこの身全てを捧げるのであります!]

分かっていたよ?でも言い方が回りくどい!

「つまり、どうなりたいの?」
[うぅ.....ユウジ殿、分かっていて聞いているでありますな?]
「いいからちゃんと言えって」
[こ、恋人になりたいであります!!]

(最初からそう言えばよかったんだよなぁ。それを妙にカッコつけた言い回しにするから恥ずかしい思いをするんだ。とりあえず頑張ったご褒美はあげないとな)

「よし、頑張ったな!おいで、アイサ!」

俺は方膝をついているアイサをそっと抱き寄せた

[うぅ.....ユウジ殿、ひどいであります!]
「カッコつけた言い回しにしたアイサが悪い」
[自分は騎士でありますから.....]

こうやってアイサを抱きしめるのは初めてかもしれない
程よく引き締まっているが、女性らしい体つきだ
それにほのかに香る甘い匂いが、女性なんだと意識させられる

「もう一度確認する。永遠の主従関係は俺でいいんだな?」
[騎士に二言はないであります!]
「よし、言ったな?その覚悟を見せてもらおう」

お前武士かよ!と言うツッコミは置いといて、俺は一つの首輪をアイテムボックスから取りだした

そして、その場で即席のマジックアイテムを創った

【マジックチョーカー『永従の首輪』を作成しました】

[ユウジ殿、それは?]
「即席で創った『永従の首輪』だ。アイサの永遠の主人であることを示すものだな。従属の首輪をもとに創ったものだから変な機能はない。安心してくれ」

そこで俺はアイサに従属の首輪の説明をすることになった

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『従属の首輪』
狼人族や犬人族などの特定種族が生涯仕えてもいい主人を見つけた時に主人からしてもらう首輪
主人のものであるという愛情の一種のアイテム
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

説明をしている最中、セリーヌやサラの該当種族だけではなく、サリーやハリー、スハイツまでもがこちらをチラチラと伺っていた

(ふ~ん。スハイツは余計だが、意外に従属の首輪とやらは人気があるみたいだな。セリーヌやサリーはまだしも、いつも関心を持たないサラやハリーまでもが興味を示すなんて余程だぞ?)

「アイサには永遠の主従関係の証として、これをつけてもらう。そして今から言う3つの誓いをしてもらう」

一つ、生涯俺だけの騎士でいること
一つ、アイサの心も体も全て含めて俺に尽くすこと
一つ、俺が許可するまで絶対に死なないこと

「この3つを誓えるなら、永遠の主従関係を結ぼう」
[2つ目までは分かるでありますが3つ目は?]
「お約束でよくあるだろ?主人のピンチを庇うシーン。あれ禁止」
[ええええ!?それこそが騎士の本懐でありますよ!?]

そんなテンプレはいらねぇんだよ!テンプレ先輩は帰れ!

アイサはごちゃごちゃ言っているが譲るつもりはない
てか、普通2つ目を気にするだろ!なんかズレてんだよな

[.....分かったであります。誓うであります]

そう言って、アイサは俺の右手の甲にキス誓いをした

ここに俺とアイサの永遠の主従関係の誓いが成された

当然、その後の恋人うんぬんの下りはサリーと同じで、

「これからはアイサを一人の女性として見ていくよ。いきなり恋人ってのはさすがに無理だからな。だから今はサリー同様、これで納得してほしい」

そう言って俺はアイサを抱き寄せ.....

────ちゅっ

[あわわ.....]

その成熟した唇にそっと口付けをした

「頑張ったアイサに俺からのプレゼントだ」
[ユ、ユウジ殿.....〕

俺からのキスに感激する余裕すらないほど狼狽しているアイサ
俺の胸の中で今まさにショートしかけているアイサはまさに乙女

(たかだかキスだけでここまで狼狽するとはどんだけ乙女女子なんだよ!アイサがこんな様子じゃ恋人なんてまだまだ先のことになりそうだな)

そんなことを考えていたら、アイサが.....

[ユ、ユウジ殿?もう一回キスしてくれないのでありますか?サリー殿とは2回キスしたでありますよね?.....ずるいであります!]

それはもう恨みがましくお願いをしてきた

乙女女子なくせに意外に厚かましく嫉妬深いらしい
いや、乙女故にか?ちょっと可愛い。だから.....

────ちゅっ

特別に俺からアイサにもう一度口付けをした
2回目のアイサのキスは意外にもねちねちといやらしかった

順応するの早すぎだろ!ありがとうございます!

[幸せであります~.....もうだめ~]
「・・・」

どうやら限界だったらしい
俺の胸の中でショートしてしまった

(.....前言撤回。すごく満足した!アイサに魅了される日もそう遠くないのかもしれないな.....)


アイサから永遠の主従関係とねちねちとしたいやらしいキスという誕生日プレゼントをもらった俺はとても幸せだった

俺の愛騎士は献身的で乙女女子すぎるのがちょっと心配だ!
ありがとう、アイサ!これからは一人の女性として愛せるように頑張ってみるよ!


マジックチョーカー 【永従の首輪】
込められた想いは、『俺だけの騎士』


□□□□ ~愛蜘蛛アマリリスへの答え~ □□□□

ショートしてしまったアイサをあかりが慌てて回収しにきた
あかりにとってもこの展開は予想外だったらしい
とりあえず俺は、あかりにデコピンをぶちかまして下がらせた

そして次に前に出てきたのはアマリリスだ

(.....やはりか。となるとアマリリスも?てか、サリーもアイサも俺のどこがそんなにいいのかね?フツメンだぞ?.....まぁ顔以外は俺に敵うやついないから仕方ないのかね。とりあえずアマリリスはネガティブ思考だから温かく出迎えないとな)

とりあえず俺はいつもそうしているように明るく笑いかけた

しかしこれがいけなかったのだろうか?
アマリリスはぽ~として、俺を見つめたままだ

この状態のアマリリスをサーシャの世界ではよく見かける
そして決まって熱い眼差しを向けられるのだ
この眼差しは乙女チックではあるが少し信者臭がする
まるで神でも見るかのような眼差しは少しこそばゆい

とりあえず声をかけないとアマリリスは現実に戻ってこない

「・・・?アマリリス?」
〈ナ、ナニ?〉

いやいやいや!今、ハッ!とした顔しましたよね!?

〈ゴ主人オメデトウ〉

先程の件はなかったことにするらしい
何事もなかったかのようにプレゼントを渡された

「あ、ありがとう」

アマリリスから手渡されたプレゼントは純白のセーターだ
素材は明らかにアマリリスの糸だ。それはいいのだが.....

「アマリリス。このセーターって何か特殊能力ある?」

そう、このセーターからは強力な力を感じるのだ
手にしているだけで分かるこの感じ。これはやばい1品だ.....

〈イッパイアル〉
「お、おぅ.....」

(そ、それじゃ分からないんだよなぁ。まぁいいか。神眼で見ればいいだけだし)

そんなことを考えていたその時、横からあかりが補足してきた

《そのセーターはね、私とアマリリスちゃんの合作だよ。アマリリスちゃんの糸はもともと耐火能力以外はとても優れていたんだけど、ある日魔力を流すことで更に強度が増すことが判明したの。だから私のありったけの魔力を流しながら創ったんだよ。私の融合魔法ですら吸収しちゃうお墨付き!一番脆い耐火能力でも神級程度なら吸収しちゃうんだよ!すごいでしょ!》

「なんてもん創ってんの!?」
〈スゴイデショ!〉

あれ?アマリリスさん今あかりの真似しました?可愛い

「しかし、とんでもないもん創り出したな!」

そう言って俺は、あかりとアマリリスの頭をなでなでした

《えへへ.....ありがと》
〈エヘヘ.....アリガト〉

どうやらあかりの真似をするのがいいと判断したみたいだ
アマリリスはなかなかに計算高い

そして補足をしてきたあかりもこの展開を予想していたのだろう
あかりもなかなかに計算高い

意外といいコンビなのかもしれないな.....

そんな和んだ空気に似つかわしくない発言がいきなりとんできた

【ゴ主人イツモアリガトウ。私ハゴ主人ガ大好キ。ダカラ私ヲ愛シテホシイ。タクサン愛シテ。ソシテゴ主人ノ子種ガホシイ】

「こ、子種─────────!?」

────ざわっ

パーティー会場を異様な空気が包む
原因はアマリリスのいきなりの告白と直球なお願いだ

いや、もちろんアマリリスからの告白は覚悟していた
しかしこの和んだ空気でいきなり告白され、しかも子種をくれと.....

さしものあかりもぽか~んとしている
あかりからの援護は期待できないだろう

「えっと?.....俺の子供がほしいのか?」
〈欲シイ。ゴ主人トノ子供ナラ強イ娘ニナル〉
「ん?強い娘が欲しいから俺の子種が欲しいのか?」
〈違ウ。私弱イカラ強イ娘ト一緒ニゴ主人ヲ守ル〉

アマリリスはこう言いたいらしい

まず魔物娘と人間の間にできる子は必ず魔物娘になるらしい
例えば、アマリリスと俺の間にできる子はアラクネ種の娘になる
そして魔物娘のハーフは体は母性の、性格は父性の特色が濃くなる
簡単に言うとアマリリスに俺の性格が乗り移るみたいな?
そしてその娘とともに俺を守りたいらしい

(う~ん。すごく嬉しいんだが、アマリリスには問題があるよな.....)

「子種の件は分かった。でもアマリリスは帰郷したいんだろ?」

そうアマリリスの願いは帰郷することだ
仮に子種をあげたとしても子供とかどうすんだ?
いや、そもそも『約束』があるから簡単に子種はあげられないし.....

〈帰郷デキナクテイイ。ゴ主人ト一緒ニイル〉

(あっ。気持ち変わったのね.....やっぱり原因は俺か?.....俺なんだろうなぁ。好きだって言われたしなぁ。まぁある程度は覚悟していたから別にいいか。とりあえず子種の件は『約束』があるからそれを伝えないとな)

「アマリリスの気持ちは分かった。ただ子種の件は、仮に恋人になったとしても少し待ってもらうからな?」

〈ドウシテ?〉

そこで俺はアマリリスに『約束』のことを話した
驚いていたのはアマリリスだけではなく家族達もだ

(あっ。この『約束』は嫁達にしか話してなかったっけ?)

この話を聞いた周りの反応は様々だ

嫁達は知っているから割愛する
リアはかなり真っ赤になっている。リアも孕ませるからな!
サリー・アーネはかなり悔しがっていた。予想の範囲内だ
アイサはまだショートしている。まだ気を失ってるの!?
詩乃・ハリー・サラ・ガーベラは呆れている。いつも通り
アオイ・ミー・テレサ・イタは真っ赤になっているが興味津々
フアナ・レオナはコウノトリさんを信じているらしい。天使すぎる
スハイツ・ジーンには興味ない。どうでもいい

その他のゲストはこんな感じだ

ヒルダ・ユリ・アズサは異様に燃えている。なんで!?
シャルはかなり悔しがっている。シャルも候補に入る?
シルヴィは呆れている。こいつは百合っ子だからなぁ
エルナは真っ赤になっているが興味津々みたいだ。このムッツリ!
委員長はショートしかけている。意外に乙女らしい
他のクラスメートは興味津々みたいだ。てか、あんたら誰!?
たまちゃんは呆然としている。可愛い。後で求婚しよう


とりあえずアマリリスにはこの『約束』の件は了承してもらうしかない

これだけは絶対譲れない『約束』だ

〈ワカッタ。ジャア2番目デ.....〉
「ダメ。順番はなし。みんな平等だ」

(ふぅ~。あっぶね~。アマリリスから2番目って言葉が出たときにサーシャの瞳が妖しく光ったぞ.....最初ヘイネ、次はサーシャ。これだけは遵守しないとな)

グズるアマリリスを宥めるのに時間がかかったが、子種の件はなんとか解決した

当然、その後の恋人うんぬんの下りはサリーやアイサと同じで、

「これからはアマリリスを一人の女性として見ていくよ。いきなり恋人ってのはさすがに無理だからな。だから今はサリーやアイサ同様、これで納得してほしい」

そう言って俺はアマリリスを抱き寄せ.....

────ちゅっ

〈ゴ主人嬉シイ。夢ミタイ〉

その美しい唇にそっと口付けをした

「頑張ったアマリリスに俺からのプレゼントだ」
〈・・・〉
「.....お~い?戻ってこ~い」
〈ナ、ナニ?〉

俺からのキスに感激しすぎて信者モードになっているアマリリス
俺の胸の中で夢見心地にいるアマリリスはとても可愛らしい

(俺を見たり、キスするだけで毎回信者モードになるようじゃ恋人なんてまだまだ先のことになりそうだな)

そんなことを考えていたら、アマリリスが.....

〈ゴ主人.....好キ!好キ!好キ!好キ!好キ!好キ!〉
「アマリリス!?」
〈・・・〉
「思っていることと話していることが逆になってるから!」

重いぐらいの愛をぶつけられたがなんか心地好い!

自身の本音を余すところなく吐露したアマリリスは、恥ずかしさのあまりに縮こまってしまった。だから.....

────ちゅっ

特別に俺からアマリリスにもう一度口付けをした
アマリリスにはキスだけで孕ませられるような情熱的なキスをプレゼントした

[ゴ主人激シイ.....キスダケデ子供デキソウ]
「できません!」

文学少女特有の想像妊娠とかやめてくれよ!?

(.....前言撤回。あんなに重い愛をぶつけられたら意識するわ!アマリリスに魅了される日もそう遠くないのかもしれないな.....)


アマリリスからマジカルセーターと重い愛という誕生日プレゼントをもらった俺はとても幸せだった

俺の愛蜘蛛は美人で文学少女すぎるのがちょっと心配だ!
ありがとう、アマリリス!これからは一人の女性として愛せるように頑張ってみるよ!


マジックセーター 【マジカルセーター】
込められた想いは、『あなたを守りたい』

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