過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

~竜騎士の想い~サブヒロイン②

□□□□ ~女としての自覚編~ □□□□

「サーシャ、よく聞くんだ。俺は今アイサのあのねちねちとしたいやらしい攻撃から、夜もねちねちといやらしいんじゃないかと想像した。そして凄く興奮した。アイサ相手に危うく悪い癖狂愛さえでそうになった。これは大変なことだよな?さっきはサーシャにも欲情した。この後もきっと欲情するだろう。サーシャだけじゃない、セリーヌにもきっとする。ハリーは・・・ないかもしれないな。だがアイサにもまた欲情するかもしれない。俺はみんなに欲情する度に毎回色魔で欲情を抑えないといけなくなる。・・・こんな生き地獄があるだろうか!?俺はお預けを食らった犬か!?武術大会は俺にとってまさに天敵だ!こんな苦しみは初めてだ!これを地獄と言わずして何という!まさにこの世の終末だろう!?」

ユウジ殿が武術大会の予選で、自分の戦いぶりを見て欲情された一言であります

そしてこの言葉で初めて自分は『女』であることを意識させられたであります

・・・。

あれはユウジ殿と一緒に武術大会に出たときであります
予選を終え武舞台を下りる際、ユウジ殿とサーシャ殿が話している姿を見かけたであります

───ユウジ殿とサーシャ殿?自分の試合を応援してくれたのでありましょうか?それならお礼を言わないといけないでありますな!

武舞台から下りた自分はそのまま二人の側まで移動したであります
よく見たらユウジ殿とサーシャ殿だけでなく、セリーヌ殿やハリーまでいたであります
どうやら自分が最後なようであります

みんなの傍らに近づくにつれ、段々とユウジ殿とサーシャ殿の会話が耳に入ってくるであります
最初は二人の会話を特に意識して聞くつもりはなかったであります
いつものことなのだろうとその時は思っていたであります

自分の主人であるユウジ殿は、ハッキリ言って女性にだらしない人であります
恋人が多数いるにも係わらず、他の女性にもデレデレデレデレ
しかもところ構わずいちゃいちゃし出したりする始末・・・

───ハァ~。ユウジ殿は本当に困った人であります。またサーシャ殿といちゃいちゃしているのでありますな?もう少しTPOを弁えてほしいであります

自分はユウジ殿とサーシャ殿がただいちゃいちゃしているだけだろうとその時は思っていたであります

そして二人の会話を聞いた瞬間、体に電気が流れたのであります
思いも寄らない言葉・・・

初めてユウジ殿から、いや男性から『女』として意識された瞬間であります

その時の自分はどんな顔をしていたのでありましょうか?
覚えていないのであります
ただ・・・ユウジ殿の顔を見ることができないぐらい恥ずかしかったであります

その日以降、ユウジ殿のことを異性として目で追うようになったであります


□□□□ ~アイサの過去編~ □□□□

自分達竜人族は太古より存在する種族と言われているであります
体力・魔力・筋力・敏捷、全てに秀であらゆる種族の頂点に立つ存在、それが竜人族
寿命はとても長いがその反面繁殖力に乏しい種族でもあります

そんな偉大な種族でも数の暴力には敵わないものであります
自分は簡単に捕虜とされ奴隷に落とされてしまったであります
この世は弱肉強食。いちいち恨みはしないであります
ただ・・・同胞だと思っていた亜人種である獣人族に捕虜にされたのは少しショックでありました

そして奴隷となった自分がやってきたのは、人間族が大半を占める東の大陸であるエウロス大陸であります

自分がこのエウロス大陸に連れて来られた理由・・・

このエウロス大陸は迷宮の数が他の大陸より遥かに多いとのことであります
その割に力のない種族である人間族が大半を占めている為、迷宮討伐が思うように進まないのだとか・・・

───つまり迷宮討伐に需要があるから自分は連れてこられたのでありますな?エウロス大陸は一番弱小だと言われる人間族が占める大陸。強靭な竜人族である自分はきっとこき使われることでありましょうな・・・自分の命運もここまでであります。どうせ散る命ならこの『守護者』の力。全てを捧げるに相応しい愛しき主君の為に使いたかったであります・・・

自分は騎士というものに憧れていたであります
誰かを守る力、絶対の忠誠。小さい頃から聞かされていた騎士物語
そんな騎士に憧れていた自分に備わった『守護者』の力
嬉しかったであります。これでみんなを守れる・・・

しかし現実は厳しいもので、自分はみんなを守るどころか捕われ奴隷となってしまったであります
そしてこれからの人生は忠誠とは違う強制的な主従関係

───自分はもう生きる意味が分からないであります。夢にまで見た『守護者』の力を手に入れたのに、結びことの敵わない主君と騎士の主従関係。誰かを守る為の力ではなく、ただただ使われるだけの力・・・

自分の心は急速に冷えていったであります


□□□□ ~愛しき主君との出会い編~ □□□□

ユウジ・ハクト殿

自分を購入してくれた主人であります
この世界ではとても珍しい黒髪で幼さが残る少年であります

そして不思議な少年でもあります

自分達を奴隷扱いしないばかりか、本当の家族になりたいと言い出したり・・・
実は異世界からいらした勇者様で、見た目にそぐわない実力の持ち主であったり・・・
年下であるのに係わらずどこか大人びていて、そして優しい雰囲気を纏っていたり・・・
一年後自分達奴隷を解放してくれると約束してくれたり・・・

───本当に不思議な少年であります。なにもかもが常識外であります。それなのに少しも嫌ではないであります・・・主人と奴隷という変な出会いではありますが、ユウジ殿になら仕えてもいいであります!

自分に守るべき家族と自由に生きていく未来をくれたユウジ殿に、自然と自ら主従の誓いをしたのであります

もちろん大仰なことは何もしていないであります
ただ自分の心の中で、ユウジ殿を仕えるべき主君として認めただけであります


□□□□ ~愛しき主君への恋は盲目編~ □□□□

ユウジ殿に女の部分を意識させられてからの自分は、ユウジ殿をひたすら目で追うようになったであります
意識している時もあれば、無意識に追っていることも・・・

───主君であるユウジ殿に恋をするなど許されないであります!とは思わないであります。自分もいちお女であります。恋に憧れたことだって何度も・・・ただどうしても騎士であろうとすると恋とは相容れないものであります。だから自分はいつのまにか女を捨てていたであります。それなのにいつしか自分はユウジ殿の事を・・・

端から見れば自分の恋のきっかけなど大したことがないのかもしれないであります

自分が捨てていた女の部分を意識させてくれた
自分を女として見ていてくれていた嬉しさと恥ずかしさ

たったこれだけであります
それでも自分にはたったこれだけでも十分なぐらいであります

───ユウジ殿は魅力的な男性であります。優しくて、頼りがいがあって、強い。恋に落ちるには十分過ぎるぐらいの男性であります。そしてそんなユウジ殿が自分を女として見ていてくれる・・・嬉しいであります!ユウジ殿の為なら何だって頑張れるであります!

もしかしたらチョロい女なのかもしれないであります
でも、それでもいいであります。だって・・・

───自分はユウジ殿に恋をしているであります!


□□□□ ~愛しき主君への不満編~ □□□□

そんな愛しき主君であるユウジ殿にも全く不満がないかと言われればそうではないであります

───ユウジ殿は本当に女性にだらしないであります!

以前ならただ呆れていただけだったのでありますが、今は違うであります

こう胸を締め付けられるような胸が痛くなるのであります
胸が痛くなる原因は決まってユウジ殿の女性関係の時であります

ユウジ殿がセリーヌ殿やエステル殿をなでていれば羨ましく思い・・・
ユウジ殿がサーシャ殿やアカリ殿といちゃいちゃしていれば自分も加わりたく思い・・・
ユウジ殿が恋人達とところ構わずキスをしていれば恋人達を妬ましく思い・・・
ユウジ殿から告白されたエステル殿が答えを出さないことに怒りを覚えたり・・・

目で追うようになったからこそ改めてユウジ殿の女性関係が気になるであります
もちろん魅力的な男性なら女性が放っておくはずがないであります
そういう意味ではユウジ殿は本当に魅力的であります

魅力的ではありますが・・・

───サーシャ殿やサリー殿が嫉妬をされる理由が分かったであります・・・好きな人が自分以外の女性とベタベタしている姿を見るとすごく嫌な気分になるであります。心が張り裂けそうであります。自分以外の女性全てが妬ましく思えるであります。いつもこんな気持ちなのでありますな。それにしても自分はこんなにも嫉妬深い女だったのでありますね・・・ハァ~。こんな自分が嫌になるであります

ユウジ殿はこんな嫉妬深い女は嫌いでありますか?


□□□□ ~盟友撫子アカリ殿との出会い編~ □□□□

「あれ?なんか雰囲気変わったな?」
【ど、どうでありますか?】
ユ、ユウジ殿。そうまじまじと見られると恥ずかしいであります!

そしてちょっとした変化に気付いてくれたのは嬉しいであります
そういう気遣いができるとはさすがユウジ殿であります!

「ネチネチさがなくなってお姉さんっぽくなったな」
【ネチネチは関係ないであります!】
もう!またそれでありますか!素直に誉めてほしいであります!

ユウジ殿からのネチネチ発言は武術大会の日から毎日続いているであります
自分の反応を見て楽しんでいるようであります
ユウジ殿はとんだS気質であります。でも・・・

───な、なんだかんだ言って自分も嫌ではないであります。ネチネチ言われるだけで、ユウジ殿が自分を女として見てくれている・・・体が熱くなるであります!ユウジ殿をもっと感じたくなるであります!ユウジ殿をもっと求めたくなるであります!ユウジ殿!ユウジ殿!ユウジ殿!・・・ハッ!またはしたないことを。ハァ~。ユウジ殿と主従を越えた関係になりたいであります

ユウジ殿への想いが日増しに高まる中、自分は自分磨きに励んでいるであります

───好きな人の為に自分を磨く

そんなこと考えたこともなかったであります
生まれてこの方オシャレなどというものに縁がなかったであります
また自分自身もオシャレに興味を持つこともなかったであります
毎日が特訓特訓の日々。オシャレは不要だと思っていたであります

でもそんな自分にアドバイスをくれたのがアカリ殿であります

アカリ殿とは武術大会で戦って以来、仲良くさせてもらっているであります
そんなアカリ殿はユウジ殿の新しい恋人・・・ではなくお嫁さんであります
そこは譲れないとのことであります

容姿端麗、才色兼備、そしてあのユウジ殿を追い詰めた実力
密かに憧れ慕っている女性であります
そして自分から見たらまさに完璧な女性であります

そんな憧れているアカリ殿には、いつのまにか自分がユウジ殿に密かに抱いていた恋心がバレていたようであります
アカリ殿曰く、バレバレだよ、とのこと・・・

───うぅ。恥ずかしいであります。バレバレだったと言うことは他の家族も気付いている可能性がありますな・・・もしかしたらユウジ殿も?ユウジ殿にバレていたら恥ずかし過ぎるであります!穴があったら入りたいであります!・・・でもユウジ殿は自分の気持ちを知った上で自分のことをどう思っているんでありましょうか?気になるであります。ユウジ殿の気持ちを知りたいであります。でもユウジ殿に拒絶されたら・・・やっぱり怖いであります。ハァ~。ユウジ殿・・・

アカリ殿と出会って以降は毎日オシャレをするようになったであります
自分はどのようにオシャレをしたらいいのかわからないのでアカリ殿のアドバイスを受けながら・・・

最初は意味がないものだと思っていたであります
自分の容姿に自信はなかったでありますし、そもそも自分なんかではユウジ殿は気にも留めないだろうと思っていたであります
それでもアカリ殿に奨められながら初めてオシャレをしたその日

初めてユウジ殿に「綺麗だ」と誉められたであります!

「アイサはもともと黙っていれば美人だったんだ。それが黙っていなくても美人になるとは驚いたよ。すごく綺麗だ。ドキドキする」

この言葉は自分の宝物であり、この言葉で完全にユウジ殿の虜になったであります
仮にユウジ殿から賜死を命じられたら素直に従ってしまいそうなほど・・・それぐらい嬉しかったであります!

そして気付いたであります

───好きな人に誉めてもらえる嬉しさがこんなにも素晴らしいものとは思わなかったであります!ユウジ殿、あなたに誉めてもらえるならどんどん綺麗になっていきたいであります!そして気付かせてくれたアカリ殿、本当にありがとうであります!

アカリ殿と考える毎日のオシャレ
そしてユウジ殿に誉めてもらえる嬉しさ

自分アイサは益々綺麗になっていったであります


□□□□ ~永遠の誓い編~ □□□□

12月24日。愛しき主君ユウジ殿の誕生日であります

この日がユウジ殿の誕生日であるとアカリ殿に教えてもらったであります
そして自分とエステル殿、サリー殿、アマリリス殿は、この日にユウジ殿に告白しようと約束したのであります

ユウジ殿へのプレゼントを渡した時に想いを伝える・・・

自分の前に告白したサリー殿はとても可愛らしくロマンチックな告白でありました
渡したプレゼントもユウジ殿は大変喜んでいたであります

・・・次は自分の番であります

【ユウジ殿・・・】
「お、おぅ!アイサもなんかくれるのか?」
ユウジ殿はあたふたしているようであります

───ユウジ殿は明らかに動揺しているであります。察しの良いユウジ殿のこと・・・きっとこの後の展開もなんとなく気付いているのかもしれないでありますな。それならそれで告白しやすいであります

【ユウジ殿。今日の衣装はどうでありますか?】
「・・・へ?あ、あぁ。すごく綺麗だ!どこかのお姫様みたいだぞ?アイサは最近益々綺麗になっているよな」

今日の衣装はセリーヌ殿が見立ててくれたプリンセスドレスであります
さすがにちょっと恥ずかしかったでありますが、せっかくなので・・・

【あ、ありがとうであります!ユウジ殿の為に日々綺麗になるよう頑張っているであります!】
「ぶふっ!?」
驚きすぎであります!ユウジ殿!

───こ、告白するであります。今回自分は何もプレゼントを用意できなかったであります。自分は不器用でありますから。他のみんなのようにきっと上手くはできないであります。それにアカリ殿は言ったであります。どんなものでもいい、気持ちを伝えることが重要なのだと・・・それなら自分からユウジ殿へのプレゼントはこれしかないであります!

そして自分はユウジ殿の前で方膝をついて、ユウジ殿を見上げたであります
ユウジ殿はとても驚いた表情をしていたであります

「お、おい。せっかくのドレスが汚れるぞ?」
自分はユウジ殿に向けて首を横に振ったであります

そして・・・

───ユウジ殿。その気遣いがとても嬉しいであります!そして聞いてほしいであります!自分の想いを!


【ユウジ殿。あなたを愛しているであります。嫌でなければ自分と永遠の主従関係を・・・この身全てをあなたに捧げることを誓うであります】


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